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2021/02/19

ペムブロリズマブのMSI-HまたはdMMRの進行大腸癌への1次治療としての有効性がアジア人でも確認【日本臨床腫瘍学会2021】

横山勇生=編集委員

 抗PD-1抗体ペムブロリズマブMSI-HまたはdMMRの進行大腸癌に対する1次治療として標準的な化学療法よりも有効なことが、アジア人でも確認された。ペムブロリズマブ単剤と標準化学療法を直接比較したフェーズ3試験であるKEYNOTE-177試験のアジア人グループの解析の結果示された。2月18日から21日までバーチャル形式で行われている日本臨床腫瘍学会(JSMO2021)で、国立がん研究センター東病院の吉野孝之氏が発表した。

 KEYNOTE-177試験は無作為化オープンラベルフェーズ3試験として実施された。MSI-HまたはdMMRの進行大腸癌患者307人が、1次治療としてペムブロリズマブ単剤を投与される群(ペムブロリズマブ単剤群)と標準化学療法(医師選択)を受ける群(標準化学療法群)に割り付けられた。主要評価項目は、盲検下独立中央審査によるRECISTv1.1を用いたPFSと全生存期間(OS)。副次評価項目は奏効率と安全性だった。

 ペムブロリズマブ単剤群には、3週おきに200mgのペムブロリズマブが35サイクルまで投与された。標準化学療法群には、医師の選択によってmFOLFOX6、mFOLFOX6+ベバシズマブ(ベバシズマブは2週間を1サイクルとして1日目に5mg/kgを投与)、mFOLFOX6+セツキシマブ(セツキシマブは最初は400mg/m2を投与し、その後は毎週250mg/m2を投与)、FOLFIRI、FOLFIRI+ベバシズマブ、FOLFIRI+セツキシマブのいずれかが投与された。標準化学療法群の患者は、増悪(PD)になった場合にペムブロリズマブ投与へのクロスオーバーが認められていた。

 試験全体(ITT)で、ペムブロリズマブ単剤群に153人、標準化学療法群に154人が割り付けられた。ITTの結果、ペムブロリズマブ単剤群がMSI-HまたはdMMRの進行大腸癌に対する1次治療として標準化学療法群よりも有意にPFSを延長できることは、既に昨年の米国臨床腫瘍学会(ASCO2020)で発表されている(関連記事)。

 KEYNOTE-177試験で、ペムブロリズマブ単剤群に22人(全員が治療を受けた)、標準化学療法群に26人(25人が治療を受けた)のアジア人が参加していた。アジア人の患者背景は、少人数のため性別など差がある因子が複数あった。

 アジア人の解析の結果、PFS中央値は、ペムブロリズマブ単剤群がNR(95%信頼区間:1.9-NR)、標準化学療法群が10.4カ月(95%信頼区間:6.3-22.0)で、ハザード比0.65(95%信頼区間:0.30-1.41)でペムブロリズマブ単剤群が優れていた。ITTのハザード比は0.60(95%信頼区間:0.45-0.80)で、アジア人での効果はITTと同等だった。アジア人の12カ月PFS率は、ペムブロリズマブ単剤群が62%(ITTは55%)、標準化学療法群が46%(ITTは37%)だった。

 奏効率、奏効までの時間、奏効期間、24カ月以上の奏効持続率は、アジア人とITTの間で差はなかった。アジア人の奏効率は、ペムブロリズマブ群が45%(ITTが44%)、標準化学療法群が46%(ITTが33%)だった。アジア人の24カ月以上の奏効持続率は、ペムブロリズマブ群が87.5%(ITTが83%)、標準化学療法群が51.1%(ITTが35%)だった。

 ITTと同様、アジア人でもグレード3以上の副作用が発現したのはペムブロリズマブ単剤群が少なく(ペムブロリズマブ単剤群9%、標準化学療法群80%)、ペムブロリズマブ単剤群の副作用発現頻度はITTよりも少ないものが多かった。アジア人におけるペムブロリズマブ群の免疫関連の副作用発現率はITTと同等だった。

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