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2021/02/19

日本人進行胃癌へのニボルマブの実臨床での効果は臨床試験と同等、急速な腫瘍増大はPDよりもOSは長い【日本臨床腫瘍学会2021】

横山勇生=編集委員

 日本人の進行胃癌に対するニボルマブの実臨床における効果は、臨床試験で認められたものと同等であることが確認された。また、急速な腫瘍増大(HPD)が起きた患者は、起きなかった患者よりも生存期間は短いが、最初の効果測定時点で病勢進行(PD)だった患者に比べれば長いことが示された。切除不能進行胃癌を対象としたニボルマブのバイオマーカー探索を含めた多施設観察研究であるDELIVER試験(JACCRO GC-08)の、有効性と安全性解析の結果示された。

 2月18日から21日までバーチャル形式で行われている日本臨床腫瘍学会(JSMO 2021)で、手稲渓仁会病院の石黒敦氏が発表した。

 DELIVER試験は、日本おける実臨床での進行胃癌に対するニボルマブの有効性と安全性の評価を行うことと、治療の前後で宿主側因子(腸内細菌種・ゲノム情報、遺伝子多型、遺伝子発現、メタボローム)を測定し、ニボルマブの効果予測因子/毒性予測因子を探索することを目的に実施されている。PS 0-2の20歳以上の患者を対象とし、主要評価項目は全生存期間(OS)。副次評価項目は、奏効率、病勢コントロール率、腫瘍増殖率(TGR)、無増悪生存期間(PFS)、安全性。

 2018年3月から国内67施設で患者登録が行われ、2019年8月に登録が完了した。登録された患者は501人で、487人について評価が可能だった。測定可能病変を有していたのは282人だった。HPDの評価が可能だったのは219人。患者背景は、年齢中央値が70歳(26-90)、男性が71%、ECOG PS 0が42%、1が44%、2が14%、治療歴数2が39%、3以上が59%、腹水があったのは42%、腹膜転移があったのは47%、HER2陽性が21%だった。

 最後の患者が登録してから1年たった時点のデータが解析された。測定可能病変があった282人での奏効率は14.2%で、完全奏効が1.4%。病勢コントロール率は36.9%だった。全患者における奏効率は8.6%、病勢コントロール率は39.4%だった。PFS中央値は1.84カ月、OS中央値は5.82カ月だった。ニボルマブの3次治療以降の効果を評価したATTRACTION-2試験の奏効率は11.2%、病勢コントロール率は40.3%、PFS中央値が1.61カ月、OS中央値が5.91カ月だったことから、実臨床でも同等の有効性が示された。

 患者背景とOSの関係を調べたところ、PS 2、低アルブミン値、高LDH値、印環細胞癌(sig)、腹膜転移のある患者、腹水のある患者でOSが短かった。

 TGRが評価可能だった219人で、TGRが減少したのは56.6%だった。HPDが認められたのは219人中45人(20.5%)で、過去に報告されているものと同等だった。HPDが起きた患者のOS中央値は5.29カ月、HPDが起きなかった患者が7.75カ月だった。HPDが起きずに最初の評価でPDと判定された患者のOS中央値は3.91カ月だった。

 安全性は、掻痒、下痢、皮疹、倦怠感など多く認められる副作用については、ATTRACTION-2試験で見られた頻度よりもDELIVER試験において多く発現していたが、グレード3以上の副作用の発現率は同等だった。

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