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2021/02/01

濃厚な治療歴を有する進行NSCLCに抗TROP2抗体薬物複合体Datopotamab Deruxtecanが良好な抗腫瘍効果【WCLC 2020】

横山勇生=編集委員

 抗TROP2抗体薬物複合体であるDatopotamab DeruxtecanDato-DXdDS-1062)が、濃厚な治療歴を有する進行非小細胞肺癌(NSCLC)に良好な抗腫瘍効果を示すことが明らかとなった。日米で進行中のフェーズ1試験であるTROPION-PanTumor01試験の結果示されたもので、副作用も管理可能だった。1月28日から31日にWEB上で開催された世界肺癌学会(WCLC 2020)で、米Virginia Cancer SpecialistsのAlexander Spira氏が発表した。

 TROP2 は膜貫通形の糖蛋白で、NSCLCやその他の固形癌で高度に発現していることが知られている。

 TROPION-PanTumor01試験は、再発・難治性の進行NSCLC患者を対象に行われており、用量漸増コホートと拡大コホートの2つから構成されている。用量漸増コホートと拡大コホートの途中結果は、昨年の米国臨床腫瘍学会(ASCO 2020)で発表されていた。今回発表されたのは、拡大パートコホート175人の結果。3週おきにDato-DXdを4mg/kg投与する群(4mg/kg群、50人)、3週おきにDato-DXdを6mg/kg投与する群(6mg/kg群、45人)、3週おきにDato-DXdを8mg/kg投与する群(8mg/kg群、80人)の3群で進められている。トリプルネガティブ乳癌を対象にDato-DXdを6mg/kg投与するコホートも開始されているが、今回の発表には含まれていない。

 前治療として免疫療法を受けていたのは、4mg/kg群が42人(84%)、6mg/kg群が35人(78%)、8mg/kg群が70人(88%)、白金系抗癌薬ベースの化学療法を受けていたのは、4mg/kg群が44人(88%)、6mg/kg群が43人(96%)、8mg/kg群が78人(98%)だった。

 データカットオフは2020年9月4日で、観察期間中央値は7.4カ月(0.10-21.7)。データカットオフ時点で投薬中止となっていたのは、4mg/kg群が23人(46%)、6mg/kg群が23人(51%)、8mg/kg群が61人(76%)で、副作用で中止となっていたのは、4mg/kg群が2人(4%)、6mg/kg群が3人(7%)、8mg/kg群が12人(15%)だった。4mg/kg群と6mg/kg群は8mg/kg群よりも観察期間が短かった。

 抗腫瘍効果の評価が可能だったのは4mg/kg群が40人、6mg/kg群が39人、8mg/kg群が80人で、盲検下独立中央判定による奏効率は、4mg/kg群が23%、6mg/kg群が21%、、8mg/kg群が25%、病勢コントロール率は、4mg/kg群が73%、6mg/kg群が67%、、8mg/kg群が80%だった。無増悪生存期間中央値は、4mg/kg群が4.3カ月(95%信頼区間:2.0-NE)、6mg/kg群が8.2カ月(95%信頼区間:1.5-11.8)、8mg/kg群が5.4カ月(95%信頼区間:4.1-7.1)だった。

 Dato-DXdの安全性プロファイルは管理可能だった。投薬中に発現したグレード3以上の副作用は、4mg/kg群と6mg/kg群よりも8mg/kg群で多く認められた。投薬中のグレード3以上の副作用発現率は、4mg/kg群が10%、6mg/kg群が16%、8mg/kgが34%だった。投薬中に発現した治療に関する重篤な副作用の発現率は、4mg/kg群が8%、6mg/kg群が9%、8mg/kgが20%だった。

 投薬中に発現した副作用は主に非血液毒性だった。グレード3以上の口内炎・粘膜炎が4mg/kg群と6mg/kg群よりも8mg/kg群で多く認められた。独立委員会の判定で、175人中14人(8%)で薬剤関連の間質性肺炎が起きた。8mg/kg群で12人に発現し3人はグレード5となった。

 Dato-DXdの投与量を6mg/kgとし、免疫療法と白金系抗癌薬ベースの化学療法既治療の進行NSCLCに対し、Dato-DXdとドセタキセルを比較するフェーズ3試験であるTROPION-Lung01試験の患者登録が進められている。

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