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2021/01/31

トラスツズマブ デルクステカンがHER2過剰発現の進行NSCLCに有効である可能性【WCLC 2020】

横山勇生=編集委員

 抗HER2抗体薬物複合体トラスツズマブ デルクステカンT-DXd、DS-8201)が、HER2を過剰発現している進行非小細胞肺癌(NSCLC)に有効である可能性が明らかとなった。進行中のフェーズ2試験であるDESTINY-Lung01試験の中間解析で有望な奏効率が認められた。1月28日から31日にWEB上で開催されている世界肺癌学会(WCLC 2020)で、近畿大学の中川和彦氏が発表した。

 DESTINY-Lung01試験(NCT03505710)は、HER2過剰発現またはHER2活性化変異を有する非扁平上皮NSCLC患者を対象に実施されている多施設フェーズ2試験。全身状態が良く、標準治療に再発・難治性の測定病変を有する患者が対象となっていた。主要評価項目は奏効率。副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、奏効期間(DOR)、病勢コントロール率(DCR)、安全性、忍容性だった。

 試験は、大きく分けてHER2過剰発現患者を対象としたコホート1とHER2変異陽性患者を対象としたコホート2から構成されており、HER2変異陽性患者に対する結果は米国臨床腫瘍学会(ASCO 2020)で発表されていた(関連記事)。

 HER2過剰発現患者は、IHC3+またはIHC2+の患者に3週おきにT-DXd 6.4mg/kgを投与するコホート1(49人)と、IHC3+またはIHC2+の患者に3週おきにT-DXd 5.4mg/kgを投与するコホート1a(41人)から構成されていた。今回発表されたのは、2020年5月31日をデータカットオフとしたコホート1の中間解析結果。データカットオフ時点で11人が投与を継続されていたが38人は中止となっており、中止理由は病勢進行が22人、副作用が9人などだった。治療期間中央値は18.0週(3.0-57.1)だった。

 49人の患者背景は、年齢中央値は63.0歳(37-85)、65歳未満が55.1%を占め、75歳以上も2人含まれていた。地域は、アジアが24.5%、北米が38.8%、欧州が36.7%。HER2の発現状態はIHC3+が20.4%、IHC2+が79.6%だった。脳転移があったのは34.7%、ECOG PS 0が28.6%、1が71.4%だった。ほとんどの患者(91.8%)が白金系抗癌薬ベースの化学療法歴があり、抗PD-1抗体または抗PD-L1抗体の投与歴があったのは73.5%、ドセタキセルの投与歴があったのは24.5%。治療歴数中央値は3(1-8)だった。

 試験の結果、独立審査委員会の評価による全体の確定奏効率は24.5%(95%信頼区間:13.3-38.9)。完全奏効が1人(2.0%)に認められた。DCRは69.4%(95%信頼区間:54.6-81.8)。DOR中央値は6.0カ月(95%信頼区間:3.2-NE)だった。一部の患者で持続的な奏効が認められた。

 抗腫瘍効果は、IHC3+の患者とIHC2+の患者で差がなかった。IHC3+患者(10人)の確定奏効率は20.0%(95%信頼区間:2.5-55.6)。DCRは80.0%(95%信頼区間:44.4-97.5)。DOR中央値は6.0カ月(95%信頼区間:NE-NE)だった。IHC2+患者(39人)の確定奏効率は25.6%(95%信頼区間:13.0-42.1)。DCRは66.7%(95%信頼区間:49.8-80.9)。DOR中央値は5.8カ月(95%信頼区間:3.2-NE)だった。

 PFS中央値は5.4カ月(95%信頼区間:2.8-7.0)、OS中央値は11.3カ月(95%信頼区間:7.8-NE)だった。

 治療中49人全員に副作用が発現した。安全性プロファイルは、T-DXdについて以前に報告されているものと同様だった。グレード3以上の副作用が発現したのは73.5%(薬剤関連は55.1%)。薬剤関連の間質性肺炎が8人(16.3%)に発現し、3人(6.1%)はグレード5となった。

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