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2021/01/18

ペムブロリズマブ+化学療法による進行食道癌の1次治療は化学療法単独と同様に安定した健康関連QOLを示す【ASCO GI 2021】

八倉巻尚子=医学ライター

 進行食道癌の1次治療として、標準的な化学療法へのペムブロリズマブの追加は、化学療法のみの場合と同様に、健康関連QOLは18週間にわたり安定し、悪化は見られなかったことが、フェーズ3試験であるKEYNOTE-590試験の解析で明らかになった。英国Christie Hospital NHS TrustのWasat Mansoor氏らが、1月15日から17日までWEB上で開催されている2021 Gastrointestinal Cancers Symposium(ASCO GI 2021)で発表した。

 KEYNOTE-590試験は、未治療の局所進行または転移を有する食道癌(食道腺癌、食道扁平上皮癌、または食道胃接合部のSiewert分類Type1の腺癌)患者を対象に行われた。患者はペムブロリズマブと化学療法(シスプラチン+5-FU)を併用投与する群(373人)とプラセボと化学療法を投与する群(376人)に無作為に割り付けられた。試験の結果、ペムブロリズマブ+化学療法群はプラセボ+化学療法群に比べて、全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)、奏効率を有意に延長したことが示された。また管理可能な安全性プロファイルを示していた。

 今回は健康関連QOL(HRQoL)の結果が報告された。事前に設定された副次評価項目に、QLQ-C30の全般的健康状態(GHS/QoL)とEORTC QLQ-OES18のサブスケール(疼痛、逆流症状、嚥下障害)のベースラインから18週までの変化が含まれていた。また探索的評価項目がEQ-5D-5Lスコアの変化だった。スコアの変化は制約つき経時データ解析モデル(cLDA法)を用いて、最小二乗平均(LSM)が比較された。

 QOLの評価は、EORTC QLQ-C30、EORTC QLQ-OES18、EQ-5D-5Lの質問票を用いて、ベースライン、治療中は3週おきに24週まで、治療1年もしくは治療終了まで9週おきに行われた。

 HRQoL評価を1回以上完了した711人で解析された(ペムブロリズマブ+化学療法群356人、プラセボ+化学療法群355人)。ベースラインと18週時点で質問票を完遂した患者の割合は、すべての評価法で90%以上であった。

 QLQ-C30のGHS/QoLは、ベースラインから18週までで、2群間で有意な差はなかった。18週時点でのLSMの差は-0.10(95%信頼区間:-3.40-3.20)、p=0.9530であった。

 QLQ-OES18において、疼痛はペムブロリズマブ+化学療法群のほうが良好であった。18週時点でのLSMの差が-2.94(95%信頼区間:-5.86 - -0.02)、p=0.0487だった。嚥下障害と逆流症状は2群で有意な違いはなかった。嚥下障害は18週時点でのLSMの差が-2.35(95%信頼区間:-7.78-3.07)、p= 0.3945だった。逆流症状はLSMの差が-1.19(95%信頼区間:-4.49-2.10)、p=0.4781であった。

 QLQ-C30 GHS/QoLのサブグループ解析で、食道扁平上皮癌患者では、2群に有意な差はなかった。またPD-L1発現CPS10以上の患者、および食道扁平上皮癌でCPS10以上の患者でも2群に有意な差はなかった。

 また探索的評価項目であったEQ-5D-5Lにおいて、視覚的アナログスケール(VAS)も2群で類似していた。ベースラインから18週までのLSMの変化はペムブロリズマブ+化学療法群で-2.29、プラセボ+化学療法群で-3.49であり、2群のLSMの差は1.20(95%信頼区間:-1.61-4.01)、p=0.4016となった。

 さらにQLQ-C30とQLQ-OES18のスコアについて、悪化までの時間(TTD)が評価された。QLQ-C30 GHS/QoLのTTDは2群間で類似しており、ハザード比0.87(95%信頼区間:0.67-1.13)、p=0.2864だった。2群とも中央値には到達していない。サブグループの食道扁平上皮癌、PD-L1発現CPS10以上、食道扁平上皮癌でPD-L1発現CPS10以上の患者でも2群に違いはなかった。

 同様に、QLQ-OES18の嚥下障害、逆流症状のTTDは2群で有意な違いはなかった。しかし疼痛に関しては、ペムブロリズマブ+化学療法群が有意に良好で、ハザード比0.69(95%信頼区間:0.51-0.95)、p=0.0212だった。

 以上の結果から、ペムブロリズマブ+化学療法群とプラセボ+化学療法群でHRQoLは18週間にわたり安定し、2群間で違いはなく、化学療法へのペムブロリズマブ追加は化学療法単独に比べてHRQoLの悪化は見られなかったとした。またこれらの結果は、局所進行または転移を有する食道癌の1次治療として、ペムブロリズマブと化学療法の使用を支持するものであるとしている。

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