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2020/12/11

PD-L1陽性進行TNBCへのペムブロリズマブと化学療法の併用でPFS延長は化学療法の種類に関わらず認められる【SABCS2020】

横山勇生=編集委員

 PD-L1陽性(CPS 10以上)で治療歴のない切除不能局所再発もしくは転移を有するトリプルネガティブ乳癌(TNBC)に対するペムブロリズマブと化学療法の併用による無増悪生存期間(PFS)の延長効果は、併用する化学療法の種類に関わらず認められることが明らかとなった。また、PD-L1発現が高いほど奏効率、病勢コントロール率(DCR)、奏効期間が良好である傾向も示された。ランダム化二重盲検フェーズ3試験であるKEYNOTE-355試験のより詳細な解析の結果明らかになった。

 12月8日から11日までWEB上で開催されている2020 Virtual San Antonio Breast Cancer Symposium (SABCS2020)で、米University of California San Francisco Comprehensive Cancer CenterのHope S. Rugo氏が発表した。

 KEYNOTE-355試験は、治療歴のない切除不能局所再発もしくは転移を有するTNBC患者を、ペムブロリズマブと化学療法(nab-パクリタキセル、パクリタキセル、ゲムシタビン+カルボプラチン)を投与する群(併用群)とプラセボと化学療法を投与する群(化学療法単独群)に2:1で割り付けて行われた。ペムブロリズマブは200mgを3週おきに投与した。化学療法の種類(タキサン製剤、ゲムシタビン+カルボプラチン)、PD-L1発現状態 (CPSが1以上、1未満)、同じ種類の化学療法による術前・術後治療(あり、なし)で層別化された。

 主要評価項目は、PD-L1陽性(CPSが10以上、CPSが1以上) および全患者(ITT)におけるPFS(RECISTv1.1、盲検独立中央判定)と全生存期間(OS)の2つだった。

 観察期間中央値が併用群(566人)25.9カ月、化学療法単独群(281人)26.3カ月のデータが今年の米国臨床腫瘍学会(ASCO2020)で発表されていた。PD-L1 CPS 10以上の患者において併用群はPFSを有意に改善していた。ハザード比0.65(95%信頼区間:0.49-0.86)、p=0.0012だった。PFS中央値は9.7カ月と5.6カ月だった。CPS 1以上の患者においては、ハザード比0.74(95%信頼区間:0.61-0.90)、p=0.0014だった。事前に設定したp値の境界は0.00111だったため、有意ではなかった。しかしPFS中央値は併用群7.6カ月、化学療法単独群は5.6カ月だった。全患者(ITT)においては、ハザード比0.82(95%信頼区間:0.69-0.97)、PFS中央値は併用群7.5カ月、化学療法単独群は5.6カ月だった(関連記事)。

 今回、併用した化学療法別の結果などが発表された。併用した化学療法のそれぞれにおいてペムブロリズマブ併用群で良好な結果だった。

 併用した化学療法がnab-パクリタキセルで、CPS 10以上の患者(併用群63人、化学療法単独群36人)におけるハザード比は0.57(95%信頼区間:0.3-0.95)、CPS 1以上の患者(併用群130人、化学療法単独群74人)におけるハザード比は0.66(95%信頼区間:0.47-0.92)、全患者(併用群173人、化学療法単独群95人)におけるハザード比は0.59(95%信頼区間:0.51-0.93)だった。

 併用した化学療法がパクリタキセルで、CPS 10以上の患者(併用群33人、化学療法単独群11人)におけるハザード比は0.33(95%信頼区間:0.14-0.76)、CPS 1以上の患者(併用群62人、化学療法単独群22人)におけるハザード比は0.46(95%信頼区間:0.26-0.82)、全患者(併用群82人、化学療法単独群32人)におけるハザード比は0.57(95%信頼区間:0.35-0.93)だった。

 併用した化学療法がゲムシタビン+カルボプラチンで、CPS 10以上の患者(併用群124人、化学療法単独群56人)におけるハザード比は0.77(95%信頼区間:0.53-1.11)、CPS 1以上の患者(併用群233人、化学療法単独群115人)におけるハザード比は0.86(95%信頼区間:0.66-1.1)、全患者(併用群311人、化学療法単独群154人)におけるハザード比は0.93(95%信頼区間:0.74-1.16)だった。

 また、奏効率は、CPS 10以上の患者で併用群が53.2%、化学療法単独群が39.8%、CPS 1以上の患者で併用群が45.2%、化学療法単独群が37.9%、全患者で併用群が41.0%、化学療法単独群が35.9%となり、CPSが高い患者で併用群の効果が高かった。

 DCRは、CPS 10以上の患者で併用群が65.0%、化学療法単独群が54.4%、CPS 1以上の患者で併用群が58.6%、化学療法単独群が53.6%、全患者で併用群が56.0%、化学療法単独群が51.6%で、奏効率と同様にCPSが高い患者で併用群の効果が高かった。CPS 10以上の患者とCPS 1以上の全患者の奏効率は、全患者のゲムシタビン+カルボプラチン(併用群が40.2%、化学療法群が42.2%)を除いて、どの化学療法でもペムブロリズマブ併用群の方が高かった。

 奏効期間中央値は、CPS 10以上の患者で併用群が19.3カ月、化学療法単独群が7.3カ月、CPS 1以上の患者で併用群が10.1カ月、化学療法単独群が6.5カ月、全患者で併用群が10.1カ月、化学療法単独群が6.4カ月で、CPSが高い患者で併用群の方が長かった。

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