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2020/12/10

高リスクHR陽性早期乳癌の術後補助療法でアベマシクリブと内分泌療法の併用はiDFS延長効果がより確かに【SABCS2020】

横山勇生=編集委員

 高リスクのホルモン受容体(HR)陽性HER2陰性早期乳癌の術後補助療法として、CDK4/6阻害薬アベマシクリブと標準的な内分泌療法の併用が、内分泌療法のみよりも有意に浸潤癌のない生存期間(iDFS)を延長できることがより確かになった。フェーズ3試験であるmonarchE試験の主要効果解析の結果示された。事前に規定された中間解析(観察期間中央値15.5カ月)の結果でiDFS延長効果が示されたことがESMO VIRTUAL CONGRESS 2020で発表されていたが、観察期間中央値約19カ月の主要解析でも確認された。また、ki-67値が20%以上の患者におけるiDFSの改善効果も確認された。

 12月8日から11日までWEB上で開催されている2020 Virtual San Antonio Breast Cancer Symposium (SABCS2020)で、米University of PittsburghのPriya Rastogi氏が発表した。

 monarchE試験は、2017年7月から2019年8月までに高リスクリンパ節転移陽性HER2陰性早期乳癌患者5637人を登録して行われた多施設無作為化オープンラベルフェーズ3試験。38カ国603施設が参加した。遠隔転移のない早期乳癌切除を受けた女性(閉経状態に関わらず)と男性でリンパ節転移陽性の患者が対象だった。

 患者は、腋窩リンパ節陽性が4個以上、または陽性が1から3個で高リスクの特徴(腫瘍の大きさが5cm以上、組織学的グレード分類3)を1つでも有する臨床病理学的リスクが高いコホート1と、組織学的グレード分類3ではなく腫瘍の大きさが5cm以上でないが腋窩リンパ節陽性が1-3個で中央判定ki-67値が20%以上の高リスクと判定されたコホート2から構成されていた。両コホートを合わせてITTとされていた。

 患者は術後補助療法として標準的な内分泌療法に加えて、アベマシクリブを1日2回150mg投与する群(アベマシクリブ群、2808人)と内分泌療法のみの群(内分泌療法のみ群、2829人)に1対1で割り付けられた。アベマシクリブの投薬は中止規定の範囲にあてはまるか最長で2年までとされた。全ての患者は医学的に適切とみなされれば、標準的な内分泌療法を少なくとも5年間行われた。層別因子は前化学療法、閉経状態、地域だった。

 主要評価項目はiDFS。副次評価項目は、ki-67値が20%以上(ki-67H)の患者におけるiDFS、DRFS、全生存期間(OS)、安全性、患者報告アウトカム、薬物動態だった。標準的内分泌療法は、医師の選択になっていた。

 主要解析は、iDFSイベントが約390件を超えた段階で行うとされていた。データカットオフは2020年7月8日。主要解析の観察期間中央値は19.1カ月で、中間解析時点よりも3.5カ月延長していた。全体で1437人(25.5%)が2年間の投薬を終了し、3281人(58.2%)が2年間の投薬中だった。

 iDFSイベントが395件での主要解析の結果、iDFSのハザード比は0.713(95%信頼区間:0.583-0.871)、p=0.0009でアベマシクリブ群で有意にリスクが減少していた。2年iDFS率は、アベマシクリブ群が92.3%、内分泌療法のみ群が89.3%だった。事前に規定されたサブグループでは、全般的にアベマシクリブ群が優位だった。

 また鍵となる副次評価項目は、Ki-67H患者(アベマシクリブ群1262人、内分泌療法のみ群1236人)におけるiDFSだったが、Ki-67Hにおいてもアベマシクリブ群においてiDFSの延長が認められた。ハザード比は0.691(95%信頼区間:0.519-0.920)、p=0.0111だった。2年iDFS率は、アベマシクリブ群が91.6%、内分泌療法群が87.1%だった。

 ITTにおける遠隔無再発生存期間(DRFS)もアベマシクリブ群で有意に延長していた。ハザード比は0.687(95%信頼区間:0.551-0.858)、p=0.0009だった。2年DRFD率は、アベマシクリブ群が93.8%、内分泌療法群が90.8%だった。

 安全性プロファイルは中間解析時点のものと一致し、アベマシクリブ群の安全性プロファイルは、アベマシクリブで従来報告されているものと一致していた。副作用による投薬中止は、アベマシクリブ群の17.2%、内分泌療法のみ群の0.8%に起きた。アベマシクリブ群の早期の投薬中止は、半数以上が最初の5カ月以内に起きていた。

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