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2020/12/08

再発・難治性多発性骨髄腫に対するKd療法へのダラツムマブの追加でMRD陰性のCR率が有意に上昇【ASH2020】

森下紀代美=医学ライター

 再発・難治性多発性骨髄腫の成人患者に対し、カルフィルゾミブ、デキサメタゾンに抗CD38抗体ダラツムマブを併用することにより、カルフィルゾミブ、デキサメタゾンのみと比べて、微小残存病変(MRD)陰性の完全奏効(CR)が有意に高い割合で得られることが、フェーズ3のランダム化比較試験CANDORから示された。同試験では、ダラツムマブの併用により、無増悪生存期間(PFS)が有意に延長することがすでに報告されている。12月5日から8日までVirtual形式で開催されている第62回米国血液学会(ASH2020)で、米Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのOla Landgren氏が発表した。

 CANDOR試験の対象は、1-3レジメンの治療歴がある再発・難治性多発性骨髄腫の成人患者で、1ライン以上の治療で部分奏効(PR)以上の効果が得られていることとされた。カルフィルゾミブ、デキサメタゾン、ダラツムマブを投与する群(KdD群)、またはカルフィルゾミブ、デキサメタゾンを投与する群(Kd群)に、466人を2対1でランダムに割り付け、KdD群312人、Kd群154人となった。

 治療は28日を1サイクルとし、1、2、8、9、15、16日目にカルフィルゾミブを投与した。カルフィルゾミブは、1サイクル目の1日目と2日目のみ20mg/m2を投与し、その後は56mg/m2を投与した。デキサメタゾン40mg(75歳超の場合は20mg)を週1回投与した。KdD群では、1サイクル目の1日目と2日目にダラツムマブ8mg/kgを投与し、その後は2サイクル目まで週1回(1サイクル目の8、15、22日目、2サイクル目の1、8、15、22日目)16mg/kgを投与した。3サイクル目から6サイクル目までは2週毎、その後は4週毎に16mg/kgを投与した。

 主要評価項目のPFSは、Kd群と比べてKdD群で有意に延長し、ハザード比は0.63(95%信頼区間:0.46-0.85、p=0.0027)となったことがすでに報告されている(M. Dimopoulous, et al. Lancet 2020;396:186-97)。深い奏効とMRD陰性のCRは、PFSの改善と関連したことも示された(A. Perrot, et al. Blood 2018;132:23:2456-64、N.C. Munshi, et al. JAMA Oncol. 2017;3:28-35)。

 今回は、CAMDOR試験から、MRDの解析結果が報告された。

 12カ月(±4週間)の時点の骨髄穿刺において、MRD陰性(閾値:腫瘍細胞1個/白血球細胞10-5個)のCRが得られた患者の割合は、重要な副次的評価項目だった。また探索的解析には、さまざまなカットオフ値(10-4、10-5、10-6)でのMRD陰性のCR、いずれかの時点での最良のMRD陰性化が含まれた。報告されたすべての奏効は独立審査委員会により再検討され、ITT解析対象で解析が行われた。

 解析の結果、MRD陰性化率はKdD群で有意に高かった。いずれかの時点での最良のMRD陰性化率は、KdD群22.8%、Kd群5.8%、オッズ比5.15、p<0.0001となった。12カ月時点でのMRD陰性化率は、KdD群17.6%、Kd群3.9%、オッズ比5.8(95%信頼区間:2.4-14.0)、p<0.0001となった。

 重要な副次的評価項目であるMRD陰性のCR率も、KdD群で有意に高かった。いずれかの時点での最良のMRD陰性のCR率は、KdD群13.8%、Kd群3.2%、オッズ比4.95、p<0.0001となった。12カ月時点でのMRD陰性のCR率は、KdD群12.5%、Kd群1.3%、オッズ比11.3(95%信頼区間:2.7-47.5)、p<0.0001となった。

 12カ月時でMRD陰性のCR率がKdD群で高いことは、臨床的に重要なサブグループを通して一致していた。

 12カ月時点のCR率は、KdD群(84人)26.9%、Kd群(15人)9.7%で、CRが得られたこれらの患者ではMRD奏効が深いことも示された。カットオフ値でみると、10-4超では、Kd群36.9%、KdD群73.3%、10-4から10-5ではそれぞれ16.7%、13.3%、10-5から10-6では23.8%、13.3%、最も感度が高い10-6未満では22.6%、0%となった。

 12カ月時点から中央値で6カ月の経過観察では、MRD陰性のCRが得られた患者で増悪した患者はいなかった。

 KdD群に割り付けられた患者では、追加の事後解析として、MRD陰性のCRの予後についても探索的な解析が行われた。レナリドミドによる前治療や不応性は、12カ月時点のMRD陰性のCR率の予後因子ではないことが示され、MRD陰性のCR率は未治療で13.2%、治療歴ありで11.4%、難治性で13.1%だった。またボルテゾミブによる前治療については、MRD陰性のCR率は、未治療で24.0%、治療歴ありで11.5%、難治性で6.8%だった。

 Landgren氏は「これらの知見から、レナリドミドに難治性となった患者も含め、再発・難治性多発性骨髄腫患者の治療としてのKdDレジメンの有効性が裏付けられる」とした。

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