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2020/12/07

再発または難治性の小児ALL/LBLにベネトクラクスとnavitoclax、化学療法の併用が有効な可能性【ASH2020】

横山勇生=編集委員

 ブリナツモマブ、イノツズマブ、CAR-T細胞療法など多くの治療を受けた再発または難治性の小児の急性リンパ性白血病/リンパ芽球性リンパ腫(ALL/LBL)に、BCL-2阻害薬ベネトクラクスとBCL-2/BCL-XL/BCL-W阻害薬navitoclax、化学療法の併用が有効な可能性が明らかとなった。フェーズ1試験で忍容性が認められ、有望な抗腫瘍効果が確認された。

 12月5日から8日までバーチャル形式で開催されている第62回米国血液学会(ASH2020)で、米St. Jude Children's Research HospitalのJeffrey E. Rubnitz氏が発表した。

 多くの治療を受けた再発または難治性の小児・成人のALL/LBLを対象としたフェーズ1試験で、ベネトクラクスとnavitoclax、化学療法の併用に忍容性が認められ有望な抗腫瘍効果が確認されたことは、今年の欧州血液学会で発表されていた(関連記事)。今回発表されたのは、フェーズ1試験の小児に特化した内容。

 フェーズ1試験の小児の適格基準は、4歳以上18歳未満で体重が20㎏以上の再発または難治性のALL/LBL患者。ベネトクラクスは1日1回400mg(体重で調整)を投与した。navitoclaxは体重が45kg以上の患者には1日1回、25mg、50mg、100mgのいずれかを、45kg未満の患者には25mgか50mgのいずれかを投与した。患者には医師選択化学療法(ペグ-アスパラギナーゼ、ビンクリスチン、デキサメタゾンのうちいずれか)も行われた。主要評価項目は安全性と薬物動態、副次評価項目は有効性で、CR率、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、幹細胞移植またはCAR-T細胞療法への移行率だった。探索的な項目として微小残存病変(MRD)とバイオマーカーの評価も行われた。

 また、安全性の拡大コホートとして、ベネトクラクス21日間と、navitoclax 50mg(体重が45kg未満の患者には25mg)を21日間投与し7日間休薬するスケジュールでの評価も行われた。

 2020年6月23日までに18人の小児が登録された(12人が用量漸増フェーズ、6人が安全性拡大コホート)。B-ALLが13人、T-ALLが3人、LLが2人だった。用量漸増フェーズで6人が25mg、5人が50mg、1人が100mgのnavitoclaxの投与を受けた。患者背景は、年齢中央値が10歳(6-16)、56%が男性、治療歴数中央値が2(1-6)、試験までの期間の中央値は10.4カ月(3.6-15.2)だった。

 小児患者全員が治療中に副作用を経験した。多く認められたのは発熱性好中球減少症(50%)、嘔吐(44%)、高血糖(39%)、低カリウム血症(39%)だった。投薬中のグレード3/4の副作用は89%で発現、多く認められたのは、発熱性好中球減少症(50%)、好中球減少症(33%)、血小板減少症(33%)、貧血(28%)だった。ベネトクラクスに関連したグレード3/4の副作用を発現したのが56%、navitoclaxに関連したグレード3/4の副作用を発現したのも56%だった。用量制限毒性が2件起き、血球数回復遅延と敗血症だった。小児で腫瘍崩壊症候群を起こした患者はなく、グレード5もなかった。

 抗腫瘍効果は、小児の56%(18人中10人)でCR(完全寛解)/CRi(血液の回復は不十分な完全寛解)/CRp(血小板の回復が不十分な完全寛解)が得られた。10人中7人はMRD検出不能となった。奏効期間中央値は3.5カ月(95%信頼区間:0.7-10.4)、OS中央値は11.4カ月(95%信頼区間:2.9-NE)だった。18人中8人(44%)が幹細胞移植(5人)かCAR-T細胞療法(3人)へ移行した。

 BCL2遺伝子とBCL21遺伝子の発現は、非奏効の患者に比べて奏効した患者でわずかに高かった。現在、ベネトクラクスとnavitoclax、化学療法の併用を評価するフェーズ2試験が行われている。

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