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2020/12/07

ダラツムマブの皮下投与製剤を用いたD-PdはPdよりも再発・難治性多発性骨髄腫のPFSを有意に延長【ASH2020】

横山勇生=編集委員

 再発・難治性の多発性骨髄腫(MM)に対して、抗CD38抗体ダラツムマブの皮下投与製剤とポマリドミドデキサメタゾンの併用療法(D-Pd)は、ポマリドミドとデキサメタゾンの併用療法(Pd)よりも増悪または死亡のリスクを37%減少させることが明らかになった。両療法を比較したフェーズ3試験であるAPOLLO試験の結果示された。

 12月5日から8日までバーチャル形式で開催されている第62回米国血液学会(ASH2020)で、ギリシャNational and Kapodistrian University of AthensのMeletios A. Dimopoulos氏が発表した。

 APOLLO試験は、レナリミドやプロテアソーム阻害薬による1ライン以上の治療歴を有する再発・難治性多発性骨髄腫を対象に行われたオープンラベル多施設フェーズ3試験。患者はPd群とD-Pd群に無作為に1対1で割り付けられた。層別因子はISS(International Staging System)による病期(I、II、III)と前治療ライン数(1、2-3、4以上)だった。

 すべての患者は、28日間を1サイクルとして1日目から21日まで毎日1回ポマリドミド4mg、1日目、8日目、15日目、22日目にデキサメタゾン40mg(75歳以上の場合は20mg)の投与を受けた。D-Pd群の患者には、1サイクル目と2サイクル目は毎週、3サイクル目から6サイクル目は2週おき、7サイクル目以降は4週おきにダラツムマブ皮下投与製剤1800mgが投与された。投薬は病勢進行か受容不能な副作用の発現まで続けられた。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)。主な副次評価項目は、奏効率、VGPR以上の割合、完全奏効以上の割合、微小残存病変(MRD)陰性化率、全生存期間(OS)、安全性などだった。

 試験には欧州の12カ国から304人が参加し、D-Pd群に151人、Pd群に153人が割り付けられた。年齢中央値はD-Pd群が67歳(42-86)で65歳未満が42%、Pd群が68歳(35-90)で65歳未満が39%だった。細胞遺伝学的に高リスクだったのはD-Pd群が38%、Pd群が32%だった。前治療ライン数1はD-Pd群が11%、Pd群が12%。前治療ライン数中央値は両群ともに2(1-5)だった。レナリドミド抵抗性だったのはD-Pd群が79%、Pd群が80%、プロテアソーム阻害薬に抵抗性だったのはD-Pd群が47%、Pd群が49%、両方に抵抗性だったのは両群ともに42%だった。治療期間中央値は、D-Pd群が11.5カ月、Pd群が6.6カ月だった。ダラツムマブ皮下投与製剤の投与時間の中央値は5分(1-22分)だった。

 観察期間中央値16.9カ月で、主要評価項目であるPFSの中央値は、D-Pd群が12.4カ月、Pd群が6.9カ月、ハザード比は0.63(95%信頼区間:0.47-0.85)、p=0.0018で有意にD-Pd群で良い結果だった。D-Pdによって増悪または死亡のリスクが37%減少していた。また、レナリドミド抵抗性患者のPFS中央値は、D-Pd群が9.9カ月、Pd群が6.5カ月だった。PFSのサブグループはほとんど全てでD-Pd群が優位だった。

 奏効率は、D-Pd群が69%、Pd群が46%でオッズ比2.68(95%信頼区間:1.65-4.35)、p<0.0001で有意にD-Pd群で高かった。CR以上の効果が認められた割合は、D-Pd群が25%(sCRが9%)、Pd群が4%(sCRが1%)、VGPR以上の効果が認められた割合は、D-Pd群が51%、Pd群が20%だった。MRD陰性化率は、D-Pd群が9%、Pd群が2%で有意にD-Pd群で高かった(p=0.0102)。

 D-Pd群の安全性プロファイルは、ダラツムマブの皮下投与製剤とPd療法で報告されているものと一致していた。ダラツムマブ皮下注射製剤によるインフュージョンリアクションの発現率は5%と低く、すべてグレード1/2だった。また2%で局所の接種部位反応(すべてグレード1)が認められた。投薬中に認められた重篤な副作用で多かったのは肺炎(D-Pd群15%、Pd群8%)と下気道感染症(12%、9%)だった。投薬中の副作用で投与中止となった割合はD-Pd群で2%、Pd群で3%と同等だった。

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