武田薬品工業は11月27日、マルチキナーゼ阻害薬カボザンチニブについて、癌化学療法後に増悪した切除不能な肝細胞癌(HCC)への適応拡大が承認されたと発表した。
今回の承認は、海外で行われたフェーズ3試験であるCELESTIAL試験の結果と国内で実施されたフェーズ2試験であるCabozantinib-2003試験の結果に基づく。
CELESTIAL試験は、ソラフェニブ治療歴のある進行HCCに対して、カボザンチニブとプラセボを比較したフェーズ3試験。カボザンチニブ投与群で、プラセボ群と比べて全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)、奏効率が有意に改善した。OS中央値はカボザンチニブ群10.2カ月、プラセボ群8.0カ月、ハザード比0.76(95%信頼区間:0.63-0.92)、p=0.0049、PFS中央値はカボザンチニブ群5.2 カ月、プラセボ群1.9 カ月、ハザード比0.44(95%信頼区間:0.36-0.52)、p<0.0001、奏効率はcabozantinib群4%、プラセボ群0.4%(p=0.0086)だった。
またCabozantinib-2003試験は、1または2ラインの抗癌剤全身治療歴があるChild Pugh Aの日本人HCC患者を対象に行われ、前治療歴に関わらず有効で安全性も認められることが報告されていた(関連記事)。