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2020/11/21

進行卵巣癌の1次治療後の維持療法でベバシズマブとオラパリブの併用は日本人患者でも有効【ESMO Asia2020】

横山勇生=編集委員

 進行卵巣癌に対する1次治療後の維持療法として、ベバシズマブPARP阻害薬オラパリブを併用投与する方が、標準療法であるベバシズマブ単剤を投与する場合よりも、無増悪生存期間(PFS)を延長できることが日本人患者でも明らかとなった。無作為化二重盲検フェーズ3試験であるPAOLA-1試験(ENGOT-ov25)に参加した日本人患者群の解析の結果示された。日本人における有効性と安全性は全体集団と同様な結果だった。

 11月20日から22日までWEB上で開催されているESMO ASIA VIRTUAL CONGRESS 2020(ESMO Asia2020)で、埼玉医科大学の藤原恵一氏が発表した。

 PAOLA-1試験は、新規診断でFIGO Stage III-IVの高グレード漿液性癌、類内膜癌、卵管癌、腹膜癌患者で、白金系抗癌薬とタキサン系抗癌薬の化学療法とベバシズマブの併用療法によって完全奏効または部分奏効が得られた患者、病勢進行の証拠がない患者を対象に実施された無作為化二重盲検フェーズ3試験。患者はベバシズマブにオラパリブを加えた群(オラパリブ併用群、全体で537人)と、標準的な維持療法であるベバシズマブとプラセボを投与した群(プラセボ群、全体で269人)に2対1で無作為に割り付けられ、有効性と安全性の評価が行われた。 オラパリブは1日2回300mgが投与され、ベバシズマブは3週間を1サイクルとして15mg/kgが投与された。オラパリブは最長で24カ月まで、ベバシズマブは15カ月間投与された。患者は1次治療における効果とBRCA変異の状態で層別化されていた。

 主要評価項目は、研究グループの評価による無作為化から増悪または死亡までの期間(PFS)。副次評価項目は、全生存期間(OS)、無作為化から2度目の増悪または死亡までの期間(PFS2)、最初の次治療開始か死亡までの期間(TFST)、2度目の次治療開始か死亡までの期間(TSST)、安全性、患者報告アウトカムなどだった。

 試験全体の結果は、昨年の欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)で発表され、研究グループの評価によるPFS中央値はオラパリブ併用群が22.1カ月、プラセボ群が16.6カ月でハザード比0.59(95%信頼区間:0.49-0.72)、p<0.0001で有意にオラパリブ併用群で延長していた(関連記事)。

 今回発表されたのは、PAOLA-1試験に参加した日本人患者24人の結果。オラパリブ併用群に15人、プラセボ群に9人が割り付けられていた。オラパリブ併用群に割り付けられた15人の患者背景は、年齢中央値が61歳(44-71)、腫瘍のBRCA変異があったのは3人(20%)、相同組換え修復異常(HRD)があったのは10人(67%)だった。プラセボ群に割り付けられた9人の患者背景は、年齢中央値が59歳(44-70)、腫瘍のBRCA変異があったのは2人(22%)、相同組換え修復異常(HRD)があったのは6人(67%)だった。

 PFSの観察期間中央値は、オラパリブ併用群が27.7カ月、プラセボ群が24.0カ月で、投薬中止となったのは、オラパリブ併用群が9人(60%)、プラセボ群が7人(78%)だった。中止となった患者で病勢増悪によるものはオラパリブ併用群が5人、プラセボ群が6人だった。

 研究グループの評価による日本人患者のPFS中央値はオラパリブ併用群が27.4カ月、プラセボ群が19.4カ月でハザード比0.34(95%信頼区間:0.11-1.00)で、日本人患者群においても全体と同様な延長効果が認められた。盲検下独立中央判定による日本人患者のPFS中央値もオラパリブ併用群が27.2カ月、プラセボ群が18.3カ月でハザード比0.40(95%信頼区間:0.13-1.23)だった。

 日本人患者で投薬中にグレード3以上の副作用が発現したのは、オラパリブ併用群が73%、プラセボ群が33%だった。安全性に関するデータも一般的に全体と同様だった。骨髄異形成症候群(MDS)、急性骨髄性白血病、新しい癌、肺炎の発生は認められなかった。

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