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2020/11/16

nab-パクリタキセルが既治療の進行・再発NSCLCに対する標準治療の1つに【日本肺癌学会2020】

横山勇生=編集委員

 nab-パクリタキセルが既治療の進行・再発非小細胞肺癌(NSCLC)に対する標準治療の1つとなることが明らかとなった。既治療の進行・再発非小細胞肺癌を対象に、国内で実施されたドセタキセルとnab-パクリタキセルの無作為化比較フェーズ3試験であるJ-AXEL試験の結果、ドセタキセルに対するnab-パクリタキセルの全生存期間(OS)における非劣性が証明された。nab-パクリタキセルの効果は、REVEL試験におけるドセタキセル+ラムシルマブ群の結果に匹敵する結果だった。

 11月12日から14日まで岡山市で開催された第61回日本肺癌学会学術集会で、九州大学の米嶋康臣氏が発表した。毎週通院すること、末梢神経障害に注意が必要なことから、ドセタキセル+ラムシルマブが使えない患者などに利用できるという。

 J-AXEL試験は、既治療(2レジメン以内)のステージIIIb/IV/術後再発NSCLC患者を、ドセタキセル群(3週おきに1日目に60mg/m2を投与)とnab-パクリタキセル群(3週間おきに1日目、8日目、15日目に100mg/m2を投与)に1対1に割り付けて行われた。EGFR遺伝子変異陽性/ALK陽性患者については、TKI治療が終了していることが参加の条件だった(EGFR-TKI、ALK-TKI、ICIの使用はレジメンに加えないこととなっていた)。層別因子は、性別、PS、病期、組織型、EGFR、前レジメン数、ICI治療歴だった。主要評価項目はOS。副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)、奏効割合、グレード3以上の発熱性好中球減少症の発生割合、有害事象発生割合、QOLだった。

 非劣勢マージンの上限は、ハザード比1.25とした。非劣勢が証明された場合には優越性を検証することになっていた。

 試験には82施設から503人が登録された。ドセタキセル群に251人(投与を受けたのは249人)、nab-パクリタキセル群に252人(投与を受けたのは245人)が割り付けられ、両群間の患者背景に差はなかった。最終カットオフは2020年3月だった。

 試験の結果、OS中央値はドセタキセル群が13.6カ月(95%信頼区間:10.9-16.5)、nab-パクリタキセル群が16.2カ月(95%信頼区間:14.4-19.0)、2年OS率はドセタキセル群が30.5%(95%信頼区間:24.9-36.2)、nab-パクリタキセル群が34.3%(95%信頼区間:28.5-40.2)でハザード比0.85(95.2%信頼区間:0.68-1.07)だった。ハザード比の上限1.07は1.25を下回ったことから、非劣性が証明された。しかし、p=0.163で優越性は証明されなかった。カプランマイヤー曲線は、全体的にnab-パクリタキセル群が上にあった。

 PFS中央値は、ドセタキセル群が3.4カ月(95%信頼区間:2.9-4.1)、nab-パクリタキセル群が4.2カ月(95%信頼区間:3.9-5.0)、1年PFS率がドセタキセル群が8.4%(95%信頼区間:5.2-12.6)、nab-パクリタキセル群が12.2%(95%信頼区間:8.3-16.9)でハザード比0.76(95%信頼区間:0.63-0.92)、p=0.0042で有意にnab-パクリタキセル群で延長していた。nab-パクリタキセル群のPFS延長効果は組織型別でも認められた。

 OSのハザード比0.85はドセタキセル+ラムシルマブによるREVEL試験の0.86、PFSのハザード比0.76はREVEL試験の0.76と同等だった。

 奏効割合は、ドセタキセル群が15.4%(95%信頼区間:10.9-20.7)、nab-パクリタキセル群が29.9%(95%信頼区間:24.0-36.2)で有意にnab-パクリタキセル群が高かった(p=0.0002)。組織型別でも同様だった。

 サブグループ解析は、OS、PFSともに全般的にnab-パクリタキセル群が優位だった。

 有害事象は、白血球減少、好中球減少、発熱性好中球減少症は有意にドセタキセル群で多く、末梢神経障害は有意にnab-パクリタキセル群で多かった。

 QOLは、肺癌の症状に関する7項目で評価するFACT-LCSで両群間に差はなかった。末梢神経障害に関する11項目で評価するFACT/GCG-Ntxは有意にnab-パクリタキセル群で不良だった。

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