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2020/10/14

BTK阻害薬acalabrutinibは日本人の再発・難治性CLL/SLL、MCLでも忍容性があり有効性示す【日本血液学会2020】

横山勇生=編集委員

 BTK阻害薬acalabrutinibの100mg1日2回投与は、日本人成人の再発または難治性のB細胞性悪性腫瘍患者に安全で忍容性が認められることが明らかとなった。国内で実施されたフェーズ1試験で、安全性プロファイルは海外の試験結果と同様だった。さらに少人数ではあったが、慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)で認められた奏効率は、海外の試験と同様だった。

 10月9日からWEB上で開催されている日本血液学会で、名古屋医療センターの永井宏和氏が発表した。

 日本は含まれていないが世界規模で実施された無作為化多施設オープンラベルフェーズ3試験であるASCEND試験の結果、再発、難治性のCLLに対するacalabrutinibの単剤投与が、医師選択治療(リツキシマブ+idelalisibまたはリツキシマブ+ベンダムスチン)よりも有意に無増悪生存期間(PFS)を延長できることが既に報告されている(関連記事)。

 国内で実施されたフェーズ1試験は、遺伝子発現パターンで胚中心B細胞型(Germinal center B-cell-like)でないびまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、CLL/SLL、 原発性マクログロブリン血症(WM)を含む再発・難治性のB細胞性悪性腫瘍患者を対象に行われた多施設オープンラベル試験。2017年6月27日から患者登録が開始された。

 パート1で、再発・難治性のB細胞性悪性腫瘍患者を対象に用量確認を行い、acalabrutinib 100mgの単回投与から、28日間を1サイクルとして1日2回acalabrutinib 100mg投与まで行い、用量制限毒性を評価した。パート2は拡大パートとして、再発・難治性のCLL/SLL、MCL患者を対象に28日間を1サイクルとして1日2回acalabrutinib 100mgを投与した。主要評価項目は安全性で、副次評価項目は、薬物動態、抗腫瘍効果、薬力学だった。

 パート1は標準的な治療法がない患者、パート2はCLL/SLLについては1レジメン以上の治療歴があり活動性病変のある患者、MCLについては1レジメン以上の治療歴があり部分奏効が得られなかったまたは病勢進行した患者を対象とした。

 パート1とパート2合わせて25人が登録された。患者の年齢中央値は71.0歳、男性が19人(76.0%)だった。両パート合わせ、CLL/SLL患者は9人、MCL患者は13人だった。

 データカットオフは2020年3月4日。試験の結果、用量制限毒性は認められず、重篤な副作用は6人(24.0%)で発現した。肺炎が3人、大腸癌が1人、貧血が1人、上腹部痛が1人だった。治療関連と考えられた重篤な副作用が発現したのは4人(16.0%)で、肺炎が2人、貧血、上腹部痛が1人ずつだった。副作用による死亡は認められず、MCLの2人が病勢進行により死亡した。

 多く認められた副作用は、鼻咽頭炎が9人(36.0%)、頭痛が8人(32.0%)、紫斑が6人(24.0%)だった。パート1の単回投与においては、副作用は認められなかった。

 抗腫瘍効果は、CLL/SLL患者で9人中8人に認められ、奏効率は88.9%(80%信頼区間:63.2-98.8)、リンパ球増加症を伴うPR(PRL)を含めれば100.0%(80%信頼区間:77.4-100.0)だった。MCL患者で13人中8人に抗腫瘍効果が認められ、奏効率は61.5%(80%信頼区間:40.2-79.9)だった。無増悪生存期間中央値は、CLL/SLL患者においては未到達、MCL患者においては6.8カ月。acalabrutinibの投与期間中央値は、CLL/SLL患者においては19.8カ月、MCL患者においては7.4カ月だった。

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