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2020/10/14

移植不適格新規診断多発性骨髄腫へのD-Rd療法の効果を日本人でも確認、長期観察で有効性深化【日本血液学会2020】

横山勇生=編集委員

 移植不適格な新規診断多発性骨髄腫(NDMM)に対して、レナリドミドとデキサメタゾン併用療法(Rd療法)に抗CD38抗体ダラツムマブを加えたD-Rd療法は、Rd療法よりも有意に無増悪生存期間(PFS)を延長できることが、無作為化フェーズ3試験であるMAIA試験のより長期間の観察で確認された。また、長期間の観察で奏効の深化、持続的な奏効も認められた。さらに日本人NDMMを対象にD-Rd療法を評価した単群フェー1b試験であるMMY1006試験において、MAIA試験と同等の有効性と安全性が確認された。

 10月9日からWEB上で開催されている日本血液学会で、米Levine Cancer Institute/Carolinas Healthcare systemのSaad Z.Usmani氏が発表した。

 MAIA試験は、自己幹細胞移植を伴う高用量化学療法が不適格な新規診断多発性骨髄腫患者を、Rd療法群とD-Rd療法群に1対1で割り付けて行われた。患者は国際病期分類(ISS、IとIIとIII)、地域(北米とその他)、年齢(75歳未満と75歳以上)で層別化されていた。日本は対象に含まれていなかった。

 薬剤の投与は28日間を1サイクルとして行われた。Rd療法群の患者には1日目から21日目まで毎日レナリドミド25mgが投与され、1日目、8日目、15日目、22日目にデキサメタゾン40mgが投与された。D-Rd療法群の患者にはRd療法群と同じスケジュールで同じ量のレナリドミド、デキサメタゾン投与に加えて、ダラツムマブ16mg/kgが投与された。ダラツムマブは、1サイクル目と2サイクル目は毎週、3サイクル目から6サイクル目は2週間おき、7サイクル目以降は4週間おきに投与された。投薬は、病勢増悪か受容不能な副作用が発現するまで続けられた。

 試験の主要評価項目はPFS。主要な副次評価項目は奏効率、CR以上の率、VGPR以上の率、NGSによる微小残存病変(MRD)陰性化率(感度10-5)、全生存期間(OS)、安全性だった。

 MAIA試験で、14カ国737人がD-Rd療法群(368人)とRd療法群(369人)に割り付けられた。両群間で患者背景に差はなかった。観察期間中央値28カ月のデータは既に発表されている(関連記事)。PFSのハザード比は0.56(95%信頼区間:0.43-0.73)、p<0.0001で有意にD-Rd療法群でPFSが延長していた。30カ月PFS率は、D-Rd群が71%、Rd療法群が56%だった。完全奏効(CR)以上の結果が得られたのは、D-Rd療法群が48%(sCRが30%)、Rd療法群が25%(sCRが13%)だった。MRD陰性化率はD-Rd群が24%、Rd療法群が7%だった。

 今回発表されたのは、観察期間中央値36.4カ月のデータ。PFSのハザード比は0.61(95%信頼区間:0.48-0.78)、p<0.0001で有意にD-Rd療法群でPFSが延長していた。完全奏効(CR)以上の結果が得られたのは、D-Rd療法群が50%(sCRが33%)、Rd療法群が25%(sCRが14%)、MRD陰性化率はD-Rd群が29%、Rd療法群が9%と奏効の深化が認められた。6カ月以上MRD陰性化が持続したのは、D-Rd群が15%、Rd療法群が4%、12カ月以上MRD陰性化が持続したのは、D-Rd群が11%、Rd療法群が2%と長期間の効果の持続性が確認された。

 MMY1006試験は、日本人患者7人を対象にMAIA試験と同一の用法・用量でD-Rd療法が行われた。患者の年齢中央値は70歳(66-81)だった。観察期間中央値11.0カ月で奏効率は100%、CR以上が29%(sCRが14%)だった。観察期間中央値36.4カ月で、奏効率は100%、CR以上が57%(全員がsCR)だった。

 D-Rd群の安全性プロファイルは、MAIA試験とMMY1006試験の両方とも過去に報告されたダラツムマブの試験のものと一致し、安全性に関する新たな問題は認められなかった。ただし、MMY1006試験でMAIA試験よりも多くの血球減少症が認められたが、投薬中止とは関係なかった。MAIA試験のD-Rd群の中止率は39.3%、MMY1006試験は1例のみが中止された。MMY1006試験の観察期間中央値11.0カ月の時点に比べ、観察期間31.8カ月では感染症が微増していた。

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