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2020/10/13

日本人の移植不適新規診断多発性骨髄腫(NDMM)でD-VMPはVMPよりPFSとOSを延長【日本血液学会2020】

横山勇生=編集委員

 日本人の移植不適新規診断多発性骨髄腫(NDMM)に対して、ボルテゾミブ‐メルファラン‐プレドニゾン併用(VMP)に抗CD38抗体ダラツムマブを加えた4剤併用レジメン(D-VMP)は、VMPよりも無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)を延長することが明らかとなった。D-VMP群とVMP群を比較した無作為化フェーズ3試験であるALCYONE試験のアップデート解析における日本人患者の結果から示された。日本人における新たな安全性の問題は認められなかった。

 10月9日からWEB上で開催されている日本血液学会で、金沢大学の高松博幸氏が発表した。

 ALCYONE試験は、移植不適でECOG PS 0-2、クレアチニンクリアランスが40mL/min、グレード2以上の末梢神経障害がないNDMM患者(706人)を、無作為にVMP群(356人、通常のVMPレジメンを6週間を1サイクルとして最長で9サイクルまで実施)とD-VMP群(350人、VMPに加えてダラツムマブ16mg/kgを1サイクル目は毎週1回、2から9サイクルまでは3週おきに投与。10サイクル目以降は1サイクルを4週間として1日目にダラツムマブ16mg/kgを投与)に1対1で無作為に割り付けて行われた。主要評価項目はPFS。

 D-VMP群でPFSが有意に延長されること、より深い奏効、微小残存病変(MRD)の陰性化の増加が得られることが、観察期間中央値16.5カ月のデータで示され2017年の米国血液学会で発表されていた(関連記事)。観察期間中央値40.1カ月でアップデートされた結果が、2019年の米国血液学会で発表されていた(関連記事)。アップデートの結果、PFS中央値は、D-VMP群が36.4カ月、VMP群が19.3カ月で、ハザード比0.42、p<0.0001でD-VMP群が有意に良かった。42カ月推定PFS値はD-VMP群が48%、VMP群が14%だった。OSは、ハザード比0.60(95%信頼区間:0.46-0.80)、p=0.0003でD-VMP群が有意に良かった。

 今回発表されたのは、ALCYONE試験に参加していた日本人患者(D-VMP群24人、VMP群26人)のアプデート解析時の結果。日本人患者はITTと比べてECOG PS 0が多く、VMP群よりもD-VMP群でPS 0の患者が多かった。また、ISステージIIIの患者はD-VMP群と比べてVMP群で少ない、細胞遺伝学的高リスク患者はD-VMP群と比べてVMP群で少ないという差が背景にあった。データカットオフ時点で全員が投薬中止かVMPレジメンの9サイクル完了となっていた。VMP群の18人(69%)がVMP9サイクル完了、D-VMP群の22人(92%)がダラツムマブ単剤療法に移行した。カットオフ時点で12人(50%)がダラツムマブの単剤療法を継続されていた。

 日本人患者におけるPFS中央値は、D-VMP群がNR、VMP群が20.4カ月、36カ月PFS率はD-VMP群が56%、VMP群が29%だった。ハザード比0.35(95%信頼区間:0.16-0.79)、p=0.0084で有意にD-VMP群で良かった。

 日本人患者における奏効率はD-VMP群が96%、VMP群が92%だったが、CR以上はD-VMP群が54%、VMP群が23%とD-VMP群が高かった。MRD陰性化率(閾値10-5)は、D-VMP群が42%、VMP群が8%とD-VMP群が高く、MRD陰性化が12カ月以上持続したのは、D-VMP群が21%、VMP群が8%とD-VMP群が高かった

 日本人患者におけるOS中央値は、D-VMP群がNR、VMP群が43.9カ月、36カ月OS率はD-VMP群が92%、VMP群が70%だった。ハザード比0.33(95%信頼区間:0.09-1.21)、p=0.0775でD-VMP群で良好な傾向があった。

 日本人患者における投薬中の副作用による中止率は、D-VMP群が8%、VMP群が19%。D-VMP群で感染症により中止になった患者はいなかった。2次がんの発生率は、D-VMP群が0%、VMP群が12%だった。各群1人ずつが副作用で死亡した。グレード3/4の血球減少症はITTよりも日本人で多く認められた。10サイクル以降(ダラツムマブ単剤療法)で多く認められたグレード3の副作用は、血液学的イベント(9%)と感染症(9%)で、グレード4はなかった。


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