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2020/10/12

日本人の再発・難治性B細胞リンパ腫にCAR-T細胞療法Axi-Celは有効で安全性も管理可能【日本血液学会2020】

横山勇生=編集委員

 日本人の再発または難治性のB細胞リンパ腫にCAR-T細胞療法薬であるaxicabtagene ciloleucel(Axi-Cel)が有効で安全性も管理可能なことが明らかとなった。日本人を対象に行われたフェーズ2試験(Japic-CTI-183914)で、ZUMA-1試験と同等の有効性が認められた。10月9日からWEB上で開催されている日本血液学会で、国立がん研究センター中央病院の伊豆津宏二氏が発表した。

 Axi-Celは抗CD19 CAR-T細胞療法薬。axi-celを評価したフェーズ1/2試験であるZUMA-1試験の結果、単回投与後の奏効率83%、完全奏効(CR)率58%、観察期間中央値39.1カ月で全生存期間(OS)中央値が25.8カ月、3年OS率が47%だったことが報告されている。ZUMA-1試験とフェーズ2試験の結果を基に、3月に日本で承認申請が行われている(関連記事)。

 実施されたフェーズ2試験は、20歳以上でECOG PS 0/1、組織学的に確認されたアグレッシブB細胞非ホジキンリンパ腫で、化学療法抵抗性または自家幹細胞移植(ASCT)後に再発した、抗CD20抗体とアントラサイクリン系抗癌薬を含む化学療法の投与歴がある患者を対象に行われた。患者にはAxi-Cel(2×106個のCAR-T細胞)が1回投与された。主要評価項目は、研究グループによるIWG2007 Criteriaに基づく奏効率と安全性、副次評価項目は、中央画像診断評価による奏効率、CR/PR率、奏効期間(DOR)、奏効までの期間(TTR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、薬物動態だった。

 データカットオフは2019年10月23日、観察期間中央値は5.5カ月だった。全部で16人が投与を受け、アナフィラキシー反応のために投与が中断された1人を除く15人をmITTとした。2人が死亡のため試験中止となり、14人で試験が継続されていた。

 16人の患者背景は、ZUMA-1試験の患者背景に比べ、PS 0が多い、病期I/IIが多いなどの差はあった。16人中、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)が14人、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫(PMBCL)が1人、形質転換濾胞性リンパ腫(TFL)が1人、年齢中央値は58歳(44-70)、65歳以上が31.3%、治療歴数3以上が75.0%だった。

 試験の結果、奏効率は86.7%(95%信頼区間:59.5-98.3)だった。10人を対象に行われた中間解析(データカットオフが2019年7月15日)で、奏効率は90.0%(90%信頼区間:60.6-99.5)で90%信頼区間の下限値が当初に規定した26%を上回り、主要評価項目は達成された。また、奏効率はZUMA-1試験の結果と同等だった。CRは26.7%、PRは60.0%だった。DOR中央値は5.6カ月(95%信頼区間:2.2-NE)だった。PFS中央値は6.5カ月(95%信頼区間:2.9-NE)、OS中央値は未到達(95%信頼区間:6.9-NE)だった。

 投与された抗CD19 CAR-T細胞の血中濃度は15日目までに最大となり、その後は減少していった。

 治療中に起きた副作用として、全グレード、グレード3/4 のものが全員で発現した。移植前化学療法に関連した副作用(全グレード、グレード3/4)、Axi-Celに関連した副作用(全グレード、グレード3/4)が全員に発現した。しかし、病勢増悪を除く致死的な副作用は認められなかった。重篤な副作用は13人(81.3%)で発現、サイトカイン放出症候群(CRS)は13人(81.3%)で起きた。神経学的なイベントや腫瘍崩壊症候群は認められなかった。多く認められた副作用は、好中球減少症、リンパ球減少症、血小板減少症などだった。CRSの発現までの中央値は2.0日(1-11)で、解消までの期間の中央値は16.5日。トシリズマブ投与を受けたのは11人(68.8%)、ステロイド投与を受けたのは9人(56.3%)だった。

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