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2020/10/12

日本人の再発・難治性多発性骨髄腫へのダラツムマブ皮下投与製剤は有効で安全【日本血液学会2020】

横山勇生=編集委員

 日本人の再発・難治性多発性骨髄腫(RRMM)において、抗CD38モノクローナル抗体ダラツムマブ皮下投与製剤は有効で安全であることが明らかとなった。皮下投与製剤の静脈内投与製剤に対する非劣性を示したランダム化オープンラベルフェーズ3試験であるCOLUMBA試験に参加した、アジア人と日本人の解析の結果示された。9月10日からWEBで開催されている日本血液学会で、名古屋市立大学の飯田真介氏が発表した。

 皮下投与製剤は、ダラツムマブとボルヒアルロニダーゼ アルファ(rHuPH20)を配合したもの。静注製剤と比べて薬剤投与に必要な時間が大幅に短縮され、また固定用量よる薬剤調製手順が簡略化されることで、医療従事者や患者の負担軽減が期待されている。

 COLUMBA試験では、プロテアソーム阻害薬(PI)と免疫調整薬(IMiD)を含め3ライン以上の治療歴がある、あるいはPIとIMiDの両方に抵抗性のRRMM患者を対象に、ダラツムマブの皮下投与と静脈内投与の有効性、薬物動態、安全性が比較された。皮下投与群ではダラツムマブ1800mgを投与し、静脈内投与群ではダラツムマブ16mg/kgを投与した。治療は1サイクルを28日として、1-2サイクル目は週1回投与し、3-6サイクル目は2週おきに、その後は4週おきに投与した。

 主要評価項目は奏効率(ORR)と、3サイクル目1日目のダラツムマブ投与前の最大トラフ濃度とした。COLUMBA試験の観察期間中央値13.7カ月(0.03-19.4)のアップデートの結果、ダラツムマブのORRは静脈内投与群で39.4%、皮下投与群で43.3%だった。VGPR以上が静脈内投与群で20.8%、皮下投与群で21.7%、CR以上が静脈内投与群で4.6%、皮下投与群で3.0%だった。相対リスクが1.10(95%信頼区間:0.90-1.35)、p<0.0001となり、非劣性が示された。トラフ値濃度に関しては皮下投与群/静脈内投与群の比率が110.30%(90%信頼区間:98.08-124.05)であり、非劣性の基準を満たしていた。

 試験全体では522人がランダム化され、静脈内投与群のアジア人は37人、皮下投与群のアジア人は30人、静脈内投与群の日本人は24人、皮下投与群の日本人は18人だった。日本人コホートの患者背景は、一般的に全体と同様だったが、体重が少ないことと細胞学的リスクの割合が少し異なっていた。

 日本人患者における投与時間は静脈内投与群で1回目は7.0時間、2回目は4.3時間だった。一方皮下投与群では1回目が4分、2回目が4分だった。日本人の治療期間中央値は、皮下投与群が6.5カ月、静脈内投与群が6.4カ月だった。両群とも投与完了したサイクルの中央値は8だった。日本人における投与時間と投与期間は、アジア人、患者全体と一致していた。

 アジア人全体のORRは、静脈内投与群で43%、皮下投与群で67%だった。アジア人で体重が55kg以下の患者のORRは、静脈内投与群(17人)で41%、皮下投与群(12人)で50%、体重が65kg以下の患者のORRは、静脈内投与群(31人)で36%、皮下投与群(24人)で67%、体重が65kg超85kg未満の患者のORRは、静脈内投与群(5人)で100%、皮下投与群(6人)で60%だった。

 日本人全体のORRは、静脈内投与群で54%、皮下投与群で61%だった。日本人で体重が55kg以下の患者のORRは、静脈内投与群(12人)で50%、皮下投与群(11人)で46%、体重が65kg以下の患者のORRは、静脈内投与群(19人)で42%、皮下投与群(17人)で59%、体重が65kg超85kg未満の患者のORRは、静脈内投与群(5人)で100%、皮下投与群(1人)で100%だった。相対リスクが1.13(95%信頼区間:0.64-1.93)で体重のサブグループでも非劣性だった。

 3サイクル1日目の最大トラフ値濃度に関しては、アジア人、日本人のどちらも、患者全体と一致して皮下投与群は静脈内投与と非劣性だった。

 日本人患者の無増悪生存期間(PFS)中央値は、静脈内投与群で9.3カ月、皮下投与群で8.3カ月、ハザード比0.89(95%信頼区間:0.36-2.16)、p=0.7870、アジア人のPFS中央値は、静脈内投与群で6.6カ月、皮下投与群で11.1カ月、ハザード比0.62(95%信頼区間:0.32-1.22)、p=0.1612でいずれも静脈内投与と皮下投与は同等だった。

 日本人とアジア人における皮下投与群の安全性プロファイルは静脈内投与群と同等だった。注入に伴う反応(IRR:Infusion related reaction)のほとんどは軽度で、グレード3/4のものはなかった。日本人患者においては、IRRの発現率は皮下投与群と静脈内投与群で同じだった。

 日本人患者における体重別の副作用については、皮下投与群と静脈内投与群で一般的に同等だったが、皮下投与群におけるグレード3/4の貧血の発現はCOLUMBA試験全体と比べると高かった。グレード3/4の好中球減少症、白血球減少症の発現率は、日本人の55kg以下の患者と65kg以下の患者でCOLUMBA試験全体と比べると高かったが、アジア人で同様の傾向だった。投薬中止につながった投薬中の副作用は認められなかった。

 日本人における治療の満足度スコアは、皮下投与群と静脈内投与群で同様だった。

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