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2020/09/23

進行胃癌の1次治療でニボルマブと化学療法の併用が化学療法のみよりOSとPFSを有意に延長【ESMO2020】

横山勇生=編集委員

 HER2が陽性でない進行胃・食道胃接合部癌、食道腺癌の1次治療として、抗PD-1抗体ニボルマブと化学療法の併用療法が、化学療法のみの場合よりも全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)を有意に延長できることが明らかとなった。フェーズ3試験であるCheckMate-649試験の結果示された。9月19日から21日まで開催されたESMO VIRTUAL CONGRESS 2020で、ドイツJohannes-Gutenberg University ClinicのMarkus Moehler氏が発表した。

 CheckMate-649試験は、未治療のHER2が陽性でない進行胃・食道胃接合部癌、食道腺癌(HER2は不明)患者を対象に実施されている無作為化多施設オープンラベルフェーズ3試験。ニボルマブ+化学療法群、ニボルマブ+抗CTLA-4抗体イピリムマブ群と、化学療法のみ群を比較した。

 ニボルマブ+化学療法群は、3週おきにXELOX(カペシタビンとオキサリプラチン)とニボルマブ360mgを投与される患者と、2週おきにFOLFOXとニボルマブ240mgを投与される患者で構成されている。ニボルマブ+イピリムマブ群の患者には、3週おきにニボルマブ1mg/kgとイピリムマブ3mg/kgが4サイクル投与され、その後は2週おきにニボルマブ240mgが3週おきに投与された。化学療法のみ群の患者には 、3週おきにXELOXか2週おきにFOLFOXが投与された。投薬は最長で2年間か、病勢進行、受容不能な副作用発現、同意の撤回まで継続された。

 今回発表されたのは、ニボルマブ+化学療法群(789人)と化学療法のみ群(792人)を比較した部分の結果。主要評価項目は、ニボルマブ+化学療法群の化学療法のみ群に対する、PD-L1陽性(CPS5以上)の患者でのOSと盲検下独立中央審査によるPFSだった。鍵となる副次評価項目は、PD-L1陽性(CPS1以上)と全無作為化患者でのOSだった。両群合わせて1581人のうち、955人(60%)がPD-L1発現がCPS5以上だった。

 両群の患者背景に差はなかった。年齢中央値は、ニボルマブ+化学療法群が63歳(18-88)、化学療法のみ群が62歳(23-90)、男性はニボルマブ+化学療法群が70%、化学療法のみ群が72%、アジア人はニボルマブ+化学療法群が25%、化学療法のみ群が24%、MSSがニボルマブ+化学療法群が89%、化学療法のみ群が88%、化学療法がFOLFOXは、ニボルマブ+化学療法群が51%、化学療法のみ群が52%だった。全体の39%が後治療を受けており、ニボルマブ+化学療法群が38%、化学療法のみ群が41%だった。後治療が免疫療法だったのは、ニボルマブ+化学療法群が2%、化学療法のみ群が8%だった。

 データカットオフは2020年5月27日。最短観察期間は12.1カ月だった。試験の結果、CPS5以上の患者におけるOS中央値は、ニボルマブ+化学療法群(473人)が14.4カ月(95%信頼区間:13.1-16.2)、化学療法のみ群(482人)が11.1カ月(95%信頼区間:10.0-12.1)、ハザード比0.71(98.4%信頼区間:0.59-0.86)、p<0.0001で有意にニボルマブ+化学療法群が良かった。12カ月OS率は、ニボルマブ+化学療法群が57%、化学療法のみ群が46%だった。カプランマイヤー曲線は最初から離れ、交差することはなかった

 CPS1以上の患者におけるOS中央値は、ニボルマブ+化学療法群(641人)が14.0カ月(95%信頼区間:12.6-15.0)、化学療法のみ群(655人)が11.3カ月(95%信頼区間:10.6-12.3)、ハザード比0.77(99.3%信頼区間:0.64-0.92)、p=0.0001で有意にニボルマブ+化学療法群が良かった。12カ月OS率は、ニボルマブ+化学療法群が56%、化学療法のみ群が47%だった。

 全無作為化患者におけるOS中央値は、ニボルマブ+化学療法群(789人)が13.8カ月(95%信頼区間:12.6-14.6)、化学療法のみ群(792人)が11.6カ月(95%信頼区間:10.9-12.5)、ハザード比0.80(99.3%信頼区間:0.68-0.94)、p=0.0002で有意にニボルマブ+化学療法群が良かった。12カ月OS率は、ニボルマブ+化学療法群が55%、化学療法のみ群が48%だった。

 CPS5以上の患者のOSのサブグループ解析の結果は、地域、化学療法レジメンの種類など全てでニボルマブ+化学療法群が優位だった。

 またPFSは、CPS5以上の患者における中央値は、ニボルマブ+化学療法群が7.7カ月(95%信頼区間:7.0-9.72)、化学療法のみ群が6.0カ月(95%信頼区間:5.6-6.9)、ハザード比0.68(98%信頼区間:0.56-0.81)、p<0.0001で有意にニボルマブ+化学療法群が良かった。

 CPS1以上の患者におけるPFS中央値は、ニボルマブ+化学療法群が7.5カ月(95%信頼区間:7.0-8.4)、化学療法のみ群が6.9カ月(95%信頼区間:6.1-7.0)、ハザード比0.74(95%信頼区間:0.65-0.85)でニボルマブ+化学療法群が良かった。

 全無作為化患者におけるPFS中央値は、ニボルマブ+化学療法群が7.7カ月(95%信頼区間:7.1-8.5)、化学療法のみ群が6.9カ月(95%信頼区間:6.6-7.1)、ハザード比0.77(95%信頼区間:0.68-0.87)でニボルマブ+化学療法群が良かった。

 CPS5以上の患者の奏効率は、ニボルマブ+化学療法群が60%(95%信頼区間:55-65)、化学療法のみ群が45%(95%信頼区間:40-50)で、有意にニボルマブ+化学療法群が高かった(p<0.0001)。完全奏効は、ニボルマブ+化学療法群の12%、化学療法のみ群の7%に認められた。

 CPS5以上の奏効期間中央値は、ニボルマブ+化学療法群が9.5カ月(95%信頼区間:8.0-11.4)、化学療法のみ群が7.0カ月(95%信頼区間:5.7-7.9)だった。

 ニボルマブ+化学療法群で、安全性に関する新たな問題は認められなかった。全患者における治療関連副作用発現率(全グレード)は、ニボルマブ+化学療法群が94%、化学療法のみ群が89%、グレード3-4の治療関連副作用発現率は、ニボルマブ+化学療法群が59%、化学療法のみ群が44%だった。治療関連副作用で投薬中止となったのは、ニボルマブ+化学療法群が36%、化学療法のみ群が24%だった。治療関連死は、ニボルマブ+化学療法群が2%、化学療法のみ群が1%未満だった。免疫関連の可能性があるグレード3/4の治療関連副作用は5%以下で、グレード5はなかった。

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