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2020/09/23

早期TNBCでPD-L1の発現状態に関わらずアテゾリズマブと化学療法の併用は有意にpCR率を高める【ESMO2020】

横山勇生=編集委員

 早期のトリプルネガティブ乳癌(TNBC)において、PD-L1の発現状態に関わらず抗PD-L1抗体アテゾリズマブとnab-パクリタキセルを含む化学療法の併用が、プラセボと化学療法の併用よりも有意に病理学的完全奏効(pCR)率を高めることが明らかとなった。フェーズ3試験であるIMpassion031試験の結果示された。9月19日から21日まで開催されたESMO VIRTUAL CONGRESS 2020で、ドイツLMU University HospitalのNadia Harbeck氏が発表した。

 IMpassion031試験は、早期トリプルネガティブ乳癌の術前療法として、アテゾリズマブと化学療法の併用と、プラセボと化学療法の併用を比較した多施設無作為化二重盲検国際フェーズ3試験。腫瘍径が2cm超でcT3-cT4、cN0-cN3、cM0でPD-L1の発現状態が分かっている患者を、アテゾリズマブと化学療法の併用群(アテゾリズマブ群)と、プラセボと化学療法の併用群(プラセボ群)に1対1で割り付けて行われた。

 無作為化後、まず12週間、アテゾリズマブ840mgかプラセボの2週おき投与とnab-パクリタキセル 125mg/m2の週1回投与を行い、その後の8週間は、アテゾリズマブ840mgかプラセボの2週おき投与とドキソルビシン60mg/m2とシクロホスファミド600mg/m2の2週おき投与を行って、手術を施行した。アテゾリズマブ群には、術後3週おきにアテゾリズマブ1200mgが11回投与された。層別因子は病期(ステージIIとIII)、PD-L1発現(IC1%未満と1%以上)だった。

 主要評価項目は、ITTとPD-L1発現陽性患者におけるpCR率(ypT0/is ypN0)。PD-L1発現陽性は、腫瘍浸潤免疫細胞(IC)における発現が1%以上とした。副次評価項目は、ITTとPD-L1発現陽性患者における無イベント生存期間(EFS)、無病生存期間(DFS)、全生存期間(OS)、安全性、患者報告アウトカム(PRO)だった。

 試験には333人が登録され、アテゾリズマブ群に165人、プラセボ群に168人が割り付けられた。両群の患者背景に差はなかった。PD-L1発現陽性患者は、アテゾリズマブ群47.3%、プラセボ群45.2%だった。

 データカットオフは2020年4月3日。観察期間中央値は、アテゾリズマブ群が20.6カ月、プラセボ群が19.8カ月だった。投薬を受けなかったまたは投薬を中止して手術を受けなかったのは、アテゾリズマブ群が11人(6.7%)、プラセボ群が15人(8.9%)だった。

 試験の結果、ITTにおけるpCR率は、アテゾリズマブ群が57.6%、プラセボ群が41.1%で、差は16.5%(95%信頼区間:5.9-27.1)、p=0.0044で有意にアテゾリズマブ群で高かった。PD-L1陽性患者におけるpCR率は、アテゾリズマブ群が68.8%、プラセボ群が49.3%で、差は19.5%(95%信頼区間:4.2-34.8)だった。差はあったもののp=0.021で、事前に規定された統計学的有意となるp=0.0184を下回ることはできなかった。PD-L1陰性患者におけるpCR率は、アテゾリズマブ群が47.7%、プラセボ群が34.4%で、差は13.3%(95%信頼区間:-0.9-27.5)だった。

 ITTにおけるpCR率はPD-L1発現も含めて、いずれのサブグループでもアテゾリズマブ群が優位だった。

 ITTにおけるEFS、DFS、OSはいずれもイマチュアの状態だったが、EFSの層別ハザード比が0.76(95%信頼区間:0.40-1.44)、DFSの層別ハザード比が0.74(95%信頼区間:0.32-1.70)、OSの層別ハザード比が0.69(95%信頼区間:0.25-1.87)でアテゾリズマブ群で良い傾向があった。

 安全性プロファイルは、それぞれの薬剤で認められているものと同様だった。治療関連のグレード3/4の副作用発現率は、アテゾリズマブ群が56.7%、プラセボ群が53.3%で同等だった。副作用で投薬中止となったのは、アテゾリズマブ群が22.6%、プラセボ群が19.8%で同等だった。治療関連の重篤な副作用はアテゾリズマブ群で多く発現し、アテゾリズマブ群が22.6%、プラセボ群が19.8%だった。

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