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2020/09/22

高リスクHR陽性早期乳癌の術後補助療法でアベマシクリブと内分泌療法の併用がiDFSを有意に延長【ESMO2020】

横山勇生=編集委員

 高リスクのホルモン受容体(HR)陽性HER2陰性早期乳癌の術後補助療法として、CDK4/6阻害薬アベマシクリブと標準的な内分泌療法の併用が、内分泌療法のみよりも有意に浸潤癌のない生存期間(iDFS)を延長できることが明らかとなった。また、遠隔無再発生存期間(DRFS)も有意に延長した。フェーズ3試験であるmonarchE試験の、事前に規定された中間解析の結果示された。9月19日から21日まで開催されたESMO VIRTUAL CONGRESS 2020で、英The Royal Marsden NHS Foundation TrustのStephen R.D.Johnson氏によって発表された。

 monarchE試験は、2017年7月から2019年8月までに高リスクリンパ節転移陽性HER2陰性早期乳癌患者5637人を登録して行われた多施設無作為化オープンラベルフェーズ3試験。38カ国603施設が参加した。遠隔転移のない早期乳癌切除を受けた女性(閉経状態に関わらず)と男性で、腋窩リンパ節陽性が4個以上、または陽性が1から3個で高リスクの特徴(腫瘍の大きさが5cm以上、組織学的グレード分類3、中央判定ki-67値が20%以上)を1つでも有する患者を高リスクと定義していた。また、対象患者は術後/術前化学療法の有無に関わらずとされていた。

 患者は術後補助療法として標準的な内分泌療法に加えて、アベマシクリブを1日2回150mg投与する群(アベマシクリブ群、2808人)と内分泌療法のみの群(内分泌療法のみ群、2829人)に1対1で割り付けられた。アベマシクリブの投薬は中止規定の範囲にあてはまるか最長で2年までとされた。全ての患者は医学的に適切とみなされれば、標準的な内分泌療法を少なくとも5年間行われた。層別因子は前化学療法、閉経状態、地域だった。

 主要評価項目はiDFS。副次評価項目は、DRFS、全生存期間(OS)、安全性、患者報告アウトカム、薬物動態だった。標準的内分泌療法は、医師の選択になっていた。

 中間解析の観察期間中央値は、両群とも15.5カ月まで。患者の12.5%が2年間の投薬を終了し、70%以上が2年間の投薬中という早い段階だった。両群の患者背景に差はなかった。アベマシクリブ群の59.8%、内分泌療法群の59.3%がリンパ節転移4個以上だった。リンパ節転移1から3個の患者で、高リスクの特徴として最も多かったのは組織学的グレード分類3で、アベマシクリブ群が22.4%、内分泌療法のみ群が21.8%だった。アベマシクリブ群の内分泌療法は、タモキシフェンが30.7%、アロマターゼ阻害薬が69.1%、内分泌療法のみ群の内分泌療法は、タモキシフェンが32.1%、アロマターゼ阻害薬が67.5%だった。

 試験の結果、iDFSイベントはアベマシクリブ群で136件、内分泌療法群で187件発生していた。ハザード比0.747(95%信頼区間:0.598-0.932)、p=0.0096でアベマシクリブ群で有意にリスクが減少していた。2年iDS率は、アベマシクリブ群が92.2%、内分泌療法群が88.7%だった。多くのサブグループで、アベマシクリブ群が優位だった。術前に化学療法を受けた患者、術後に化学療法を受けた患者のどちらもアベマシクリブ群が優位だった。閉経前、閉経後の患者のどちらもアベマシクリブ群が優位だった。

 DRFSイベントはアベマシクリブ群で106件、内分泌療法群で152件発生していた。ハザード比0.717(95%信頼区間:0.559-0.920)、p=0.0085でアベマシクリブ群で有意にリスクが減少していた。2年DRFS率は、アベマシクリブ群が93.6%、内分泌療法群が90.3%だった。アベマシクリブ群のDRFSイベントリスク減少効果は、事前に規定された全てのサブグループで認められた。遠隔再発部位が骨だったのは、アベマシクリブ群が32件、内分泌療法のみ群が81件、肝臓だったのはアベマシクリブ群が29件、内分泌療法のみ群が42件と、特に骨と肝臓の再発が抑制されていた。

 アベマシクリブ群の投薬期間中央値は、アベマシクリブが14.0カ月、内分泌療法が14.9%だった。内分泌療法のみ群の投薬期間中央値は15.2カ月だった。アベマシクリブ群で、463人(16.6%)が副作用のためにアベマシクリブ投与を中止、306人は内分泌療法を継続した。内分泌療法のみ群で副作用で中止したのは21人(0.8%)だった。

 アベマシクリブ群の安全性プロファイルは、アベマシクリブで従来報告されているものと一致していた。アベマシクリブ群で下痢、倦怠感、好中球減少症などが多く発現していた。静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism:VTE)は、アベマシクリブ群の2.3%、内分泌療法群の0.5%に発現した。間質性肺炎はアベマシクリブ群の2.7%、内分泌療法群の1.2%、発熱性好中球減少症は、アベマシクリブ群の0.3%、内分泌療法群の0.1%未満に発現した。アベマシクリブ群で、下痢で投薬中止となったのは4.8%だった。

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