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2020/09/22

RET遺伝子変異陽性の甲状腺髄様癌にRET阻害薬pralsetinibは治療ラインに関わらず有望な効果【ESMO2020】

八倉巻尚子=医学ライター

 RET遺伝子変異陽性の進行甲状腺髄様癌(MTC)で、カボザンチニブやバンデタニブ治療歴のある患者、標準治療が適応にならない未治療の患者において、RET阻害薬であるpralsetinibBLU-667)は、RET遺伝子変異の種類に関わらず有望で持続的な効果を示し、優れた忍容性もあることが、pralsetinibの治験であるフェーズ1/2試験のARROW試験で明らかになった。9月19日から21日まで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO Virtual Congress 2020)で、米国University of Texas MD Anderson Cancer CenterのMimi Hu氏らが発表した。

 ARROW試験(NCT03037385)は、RET遺伝子異常(RET遺伝子変異、RET融合遺伝子)を有し、他のドライバー変異のない進行固形癌(甲状腺髄様癌、非小細胞肺癌など)を対象に、11カ国84施設で実施された。フェーズ2試験の部分でpralsetinibは400mgが1日1回経口投与された。主要評価項目は、RECISTv1.1に基づく独立中央判定での奏効率(ORR)と奏効期間(DOR)、安全性であった。

 今回はRET遺伝子変異陽性の進行甲状腺髄様癌(MTC)における結果が報告された。患者は2019年7月11日までに登録され、データカットオフ日は2020年2月13日だった。

 解析対象となった全患者は92人で、カボザンチニブおよび/またはバンデタニブ治療歴のある患者は61人、標準治療が適応とならない未治療の患者は22人だった。全患者において、脳転移の既往のある患者は10%だった。RET遺伝子変異の種類別には、M918T変異が61%、システインリッチ領域の変異が29%、ゲートキーパー遺伝子変異であるV804X/L変異が3%、そのほかが7%であった。

 カボザンチニブおよび/またはバンデタニブ治療歴のある患者において、奏効率(ORR)は60%(95%信頼区間:46-74)だった。CRは2%、PRは58%、SDが36%、PDは2人(4%)のみだった。病勢制御率(DCR)は96%(95%信頼区間:87-100)となった。RET遺伝子変異の種類別にどのタイプの患者でも腫瘍縮小が認められた。

 奏効期間(DOR)の中央値は到達していない(95%信頼区間:評価できず[NR]-NR)。奏効のあった患者の94%は治療を継続している。無増悪生存期間(PFS)の中央値も到達しておらず(95%信頼区間:NR-NR)、投与から1年以内の時点で75%の患者は治療を続けていた。

 未治療の患者において、ORRは74%(95%信頼区間:49-91)だった。CRは5%、PRは68%、SDが26%、PDは0%だった。DCRは100%(95%信頼区間:82-100)であった。RET遺伝子変異のいずれのタイプの患者でも腫瘍縮小が確認された。

 未治療の患者でもDOR中央値は到達していない(95%信頼区間:7.4-NR)。奏効のあった患者の93%は治療を継続している。PFS中央値も到達していない(95%信頼区間:NR-NR)。1年以内の時点で82%の患者は治療を続けていた。

 安全性について、すべての癌種の患者(438人)において、pralsetinibは優れた忍容性を示した。治療関連有害事象(TRAE) は主にグレード1-2で、可逆的であった。TRAEのため治療を中止した患者は4%だった。用量強度の中央値は92%(18-100%)であった。主なTRAEは、AST上昇(34%)、貧血(24%)、ALT上昇(23%)、高血圧(22%)、便秘(23%)、白血球数減少(18%)、好中球減少症(18%)などが見られた。主なグレード3以上のTRAEは、貧血(8%)、高血圧(11%)、好中球減少症(10%)だった。

 以上の結果から、RET遺伝子変異陽性の進行甲状腺髄様癌患者において、治療ライン、およびゲートキーパー遺伝子変異であるV804Xを含め、RET遺伝子変異の種類に関わらず、pralsetinibは有望で持続的な臨床効果を示し、優れた忍容性も示されたとした。米国でpralsetinibは承認申請が行われている。

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