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2020/09/22

既治療の進行悪性胸膜中皮腫に対するニボルマブは組織型やPD-L1発現状況にかかわらず有効で3年後もOS、安全性は良好【ESMO2020】

中西美荷=医学ライター

 日本において進行または転移性悪性胸膜中皮腫の2次治療以降にニボルマブが承認される根拠となったMERIT試験の追跡期間3年の成績から、長期OSベネフィットが得られることが示唆された。9月19日から21日までWEB開催されたESMO Virtual Congress 2020 において、近畿大学医学部の林秀敏氏が報告した。

 悪性胸膜中皮腫(MPM)は希少かつ予後不良の悪性疾患で、標準治療はシスプラチンとペメトレキセドの併用療法とされるが、この治療で進行した患者に対する治療選択肢は限られている。こうした患者にニボルマブが2018年8月に承認された。

 MERIT試験は、プラチナ製剤とペメトレキセドの併用療法を含む2レジメンまでの化学療法を受けた切除不能の進行または転移性悪性胸膜中皮腫の日本人患者を対象として行われた、単群オープンラベルフェーズ2試験。登録基準は組織学的なMPMの確定診断、測定可能病変あり、ECOG PS 0-1で、PD-L1の発現状況は問わないものとした。ニボルマブ240mgは、病勢進行または許容できない毒性が発現するまで2週毎に静脈内投与した。

 2年追跡結果では、mRECIST基準の独立審査委員会判定による奏効率(ORR)が29.4%(10/34例)で、主要評価項目を達成した。病勢コントロール率(DCR)は67.6% (23例)、奏効期間(DOR)中央値は11.1カ月だった。また追跡期間中央値16.8カ月の効果および安全性のプロファイルはともに良好だった(Okada M et al., Clin Cancer Res 2019; Sep 15; 25:5485-92)。

 今回報告されたのは、2019年11月12日をデータカットオフとする3年追跡結果(最短の追跡期間36カ月)である。

 OS中央値は17.3カ月、PFS中央値は5.0カ月で、8例が3年生存を達成し、データカットオフ時点では7例が生存。3年OS率は23.5%(95%信頼区間:11.1-38.6)、3年PFS率は12.7%(95%信頼区間:3.7-27.6)となった。

 PD-L1発現(1%以上)例と非発現例(1%未満)でOSおよびPFSに有意な差は認められなかった。発現例 vs 非発現例でOS中央値は18.1カ月 vs 11.6カ月、3年OS率は15.0% vs 33.3%。PFS中央値は7.2カ月 vs 2.9カ月、3年PFS率は非発現例で16.7%。

 悪性胸膜中皮腫の組織型には上皮型、肉腫型、線維形成型、二相型があり、上皮型以外は特に予後不良とされる。MERIT試験では、上皮型27例、肉腫型3例、二相型4例が登録されていた。上皮型 vs 二相型で、OS中央値は15.7カ月 vs 26.6カ月、3年OS率は18.5% vs 42.9%、PFS中央値は3.9カ月 vs 18.2カ月、3年PFS率は上皮型で9.6%。林氏は「ニボルマブは組織型にかかわらず有効」とした。

 治療関連有害事象(TRAEs) は全グレードで26例(76.5%)に認められ、うち11例(32.4%)はグレード3-4だった。新たな安全性のシグナルや治療関連死は認められなかった。

 林氏は、「ニボルマブは、既治療の悪性胸膜中皮腫患者に対して長期OSベネフィットをもたらした。PD-L1発現例では非発現例と比較して奏効率が高かったが、事後解析から、PD-L1の発現状況によるOS、PFSに差はないことが明らかになった。安全性プロファイルも管理可能なものだった」とした。

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