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2020/09/21

AI投与後のHR陽性進行乳癌でPIK3CA変異陽性患者のOSをalpelisibとフルベストラント併用が延長【ESMO2020】

横山勇生=編集委員

 アロマターゼ阻害薬(AI)投与(CDK4/6阻害薬を併用または非併用)後のホルモン受容体(HR)陽性HER2陰性閉経後または男性の進行乳癌で、PIK3CA変異を有する患者に対して、PI3Kα特異的阻害薬であるalpelisibフルベストラントを併用することは、統計学的に有意ではなかったがフルベストラントのみを投与するよりも全生存期間(OS)を7.9カ月延長できることが明らかとなった。alpelisibとフルベストラントの併用投与群とプラセボとフルベストラント投与群とを比較したフェーズ3試験であるSOLAR-1試験の結果示された。

 OSのサブグループ解析の結果、alpelisibとフルベストラントの併用によるOS改善効果は、肝転移かつ/または肺転移患者、循環腫瘍DNA(ctDNA)でPIK3CA変異が認められた患者で高かった。9月21日まで開催されているESMO VIRTUAL CONGRESS 2020で、フランスGustave RoussyのFabrice Andre氏が発表した。

 SOLAR-1試験は、世界規模で行われた無作為化二重盲検プラセボ対照フェーズ3試験。AI投与(CDK4/6阻害薬を併用または非併用)後のHR陽性HER2陰性閉経後または男性の進行乳癌で、ECOG PSが1以下の患者を対象に行われた。腫瘍組織の評価でPIK3CA変異があった患者と変異がなかっ患者を分け、それぞれalpelisibとフルベストラントの併用投与群(alpelisib群)とプラセボとフルベストラント投与群(プラセボ群)に1対1に割り付けた。患者にはalpelisib 300mgかプラセボが1日1回投与された。フルベストラントは500mgが1サイクル目のみ1日目と15日目に筋肉内投与され、その後は28日を1サイクルとして1日目に投与された。

 主要評価項目は、PIK3CA変異を有する患者における無増悪生存期間(PFS)(各施設での評価)。鍵となる副次評価項目は、PIK3CA変異を有する患者での全生存期間(OS)、その他の副次評価項目は、奏効率/クリニカルベネフィット率、安全性、QOLだった。

 OSの解析は、主要評価項目であるPIK3CA変異を有する患者におけるPFSが達成された際に実施することとなっていた。試験の結果、alpelisib群で有意にPFSが延長できたことが既に報告されている(関連記事)。

 OSが有意に改善することを示すには、p値が0.0161になることが必要だった。OSの解析のためのデータカットオフは2020年4月23日。181件の死亡イベントが発生していた。データカットオフ時点で、alpelisib群21人(12.4%)、プラセボ群7人(4.1%)で投薬が継続されていた。

 解析の結果、OS中央値はalpelisib群が39.3カ月(95%信頼区間:34.1-44.9)、プラセボ群が31.4カ月(95%信頼区間:26.8-41.3)、ハザード比0.86(95%信頼区間:0.64-1.15)、p=0.15だった。alpelisib群で7.9カ月延長していたが、統計学的に有意ではなかった。骨転移のみ、肝転移かつ/または肺転移がない患者などのサブグループを除く、多くのサブグループでOSはalpelisib群が優位だった。

 肝転移かつ/または肺転移がある患者におけるOS中央値は、alpelisib群(84人)が37.2カ月(95%信頼区間:28.7-43.6)、プラセボ群(86人)が22.8カ月(95%信頼区間:19.0-26.8)、ハザード比0.68(95%信頼区間:0.46-1.00)だった。血漿中ctDNAでPIK3CA変異陽性患者におけるOS中央値は、alpelisib群(92人)が34.4カ月(95%信頼区間:28.7-44.9)、プラセボ群(94人)が25.2カ月(95%信頼区間:20.7-29.6)、ハザード比0.74(95%信頼区間:0.51-1.08)だった。

 最初の化学療法までの期間の中央値は、alpelisib群(169人)が23.3カ月(95%信頼区間:15.2-28.4)、プラセボ群(172人)が14.8カ月(95%信頼区間:10.5-22.6)、ハザード比0.72(95%信頼区間:0.54-0.95)で、alpelisib群が8.5カ月長かった。

 PFS2中央値は、alpelisib群が22.8カ月(95%信頼区間:18.5-26.3)、プラセボ群が18.2カ月(95%信頼区間:12.8-22.2)、ハザード比0.80(95%信頼区間:0.62-1.03)だった。

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