このページの本文へ

がんナビ

がんナビについて

がん患者さんとその家族のために、がんの治療や患者さんの日々の生活をナビゲートします。

がん種から情報を探す

  • 乳がん
  • 肝がん
  • 大腸がん
  • 腎がん
  • 胃がん
  • 肺がん
  • 食道がん
  • 前立腺がん
  • 子宮頸がん
  • 膵がん
  • 卵巣がん
  • その他のがん

News ニュース

ニュース一覧へ

新着一覧へ

ニュース

2020/09/21

進行TNBCへのアテゾリズマブとnab-パクリタキセルの併用療法はPD-L1陽性患者でOSを延長【ESMO2020】

横山勇生=編集委員

 未治療の局所進行または転移を有するトリプルネガティブ乳癌(mTNBC)で、PD-L1陽性の患者に対し、抗PD-L1抗体アテゾリズマブnab-パクリタキセルの併用療法は、腫瘍浸潤免疫細胞(IC)でPD-L1が1%以上発現(PD-L1陽性)している患者で全生存期間(OS)が延長することが明らかとなった。フェーズ3試験であるIMpassion130試験のOSに関する最終解析の結果示された。ただし、ITTにおけるOSの有意な延長は認められず、PD-L1陽性患者における結果は、正式な解析で得られたものではない。

 9月21日まで開催されているESMO VIRTUAL CONGRESS 2020で、米University of Pittsburgh Medical Center Hillman Cancer CenterのLeisha A.Emens氏が発表した。

 IMpassion130試験は、進行乳癌に対して未治療の進行TNBCで、PD-L1の測定のための腫瘍組織が入手可能な患者を対象に、アテゾリズマブとnab-パクリタキセル併用群(アテゾリズマブ群)とプラセボとnab-パクリタキセル併用群(プラセボ群)を比較した。治療は28日を1サイクルとし、アテゾリズマブ840mg(アテゾリズマブ群)またはプラセボ(プラセボ群)を1日目と15日目に投与し、nab-パクリタキセル100mg/m2を1日目、8日目、15日目に併用、増悪または受容不能な毒性の発現まで継続した。層別化は、前治療でのタキサンの使用、肝転移、腫瘍浸潤免疫細胞におけるPD-L1の発現で行われた。主要評価項目は、ITT解析対象およびPD-L1陽性の患者のRECISTv1.1による無増悪生存期間(PFS)、OSだった。

 PFSについてはすでに結果が報告されている。ITT解析対象におけるPFSのハザード比は0.80(95%信頼区間:0.69-0.92、p=0.002)、PD-L1陽性(両群ともに41%)の患者におけるハザード比は0.62(95%信頼区間:0.49-0.78、p<0.001)となり、アテゾリズマブ群で有意に延長した(P. Schmid, et al. NEJM 2018;379:2108-21)。

 OSの解析は、ITTで有意な延長が認められた場合にPD-L1陽性患者で行うことと規定されていた。最終解析のデータカットオフは2020年4月14日で、全体の観察期間中央値は、18.8カ月だった。

 ITT解析対象で、OS中央値は、アテゾリズマブ群21.0カ月(95%信頼区間:19.0-23.4)、プラセボ群18.7カ月(95%信頼区間:16.9-20.8)、ハザード比0.87(95%信頼区間:0.75-1.02)、p=0.077で有意な差は認められなかった。3年OS率は、アテゾリズマブ群28%、プラセボ群25%だった。

 PD-L1陽性の患者では、OS中央値はアテゾリズマブ群25.4カ月(95%信頼区間:19.6-30.7)、プラセボ群17.9カ月(95%信頼区間:13.6-20.3)、ハザード比0.67(95%信頼区間:0.53-0.86)となり、改善が認められた。3年OS率は、アテゾリズマブ群36%、プラセボ群22%だった。

 一方、PD-L1陰性の患者のOS中央値は、アテゾリズマブ群19.7カ月、プラセボ群19.7カ月、ハザード比1.02(95%信頼区間:0.84-1.24)だった。

 PD-L1陽性患者のOSは、多くのサブグループでアテゾリズマブ群が優位だった。

 後治療が1レジメン以上行われた患者は、アテゾリズマブ群61%、プラセボ群65%だった。最も多く使用されたのは、カペシタビンやゲムシタビンなどの代謝拮抗薬で、アテゾリズマブ群の42%、プラセボ群の45%に使用されていた。次は白金化合物で、両群ともに27%に使用されていた。

 アテゾリズマブ+nab-パクリタキセルの忍容性は良好で、累積毒性や新たな安全性の問題は認められなかった。

この記事を友達に伝える印刷用ページ