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2020/09/21

進行TNBCの1次治療でアテゾリズマブとパクリタキセルの併用療法はPFSを延長できず【ESMO2020】

横山勇生

 進行トリプルネガティブ乳癌(TNBC)の1次治療として、アテゾリズマブパクリタキセルの併用療法は、プラセボとパクリタキセルの投与と比べて、PD-L1発現陽性の患者で有意な無増悪生存期間(PFS)の延長を認めなかったことが明らかとなった。フェーズ3試験であるIMpassion131試験の結果示された。9月21日まで開催されているESMO VIRTUAL CONGRESS 2020で、英Mpount Vemon Cancer CenterのD Miles氏が発表した。

 IMpassion131試験は、進行癌に対して未治療の手術不能局所進行または転移を有するトリプルネガティブ乳患者を対象とした、多施設共同二重盲検無作為化フェーズ3試験。651人が、アテゾリズマブとパクリタキセルの併用療法を受ける群(アテゾリズマブ群)とプラセボとパクリタキセルを投与される群(プラセボ群)に2対1で無作為に割り付けられた。28日間を1サイクルとして、アテゾリズマブ840mgかプラセボが1日目と15日目に、パクリタキセル90mg/m2が1日目、8日目、15日目に投与された。少なくとも最初の2回は、8から10mgのデキサメタゾンが投与された。

 層別因子は、タキサン系抗癌薬の投与歴の有無、腫瘍のPD-L1の状態(腫瘍浸潤免疫細胞で1%未満と以上)、肝転移の有無、地域(北米、西欧/オーストラリア、東欧/アジアパシフィック、南米)だった。


 主要評価項目は、研究グループの評価によるPFS。副次的評価項目は、全生存期間(OS)、奏効率、独立審査委員会の評価によるPFS、患者報告アウトカム、安全性などだった。

 アテゾリズマブ群とプラセボ群の患者背景に大きな差はなかった。腫瘍浸潤免疫細胞でPD-L1発現が1%以上であるPD-L1陽性患者は全体の45%だった。PD-L1陽性患者は、アテゾリズマブ群が191人、プラセボ群が101人、ITTはアテゾリズマブ群が431人、プラセボ群が220人だった。主要評価項目のPFSは、PD-L1陽性患者で達成された場合にITTで検討することになっていた。PFSの主要解析と規定されていたOSの最初の中間解析のデータカットオフは2019年8月19日。副次評価項目は主要評価項目が全て達成された場合に検討することになっていた。OSのアップデート中間解析のデータカットオフは2020年8月19日だった。

 主要評価項目だったPD-L1陽性患者におけるPFSの主要解析の結果、中央値はアテゾリズマブ群が6.0カ月(95%信頼区間:5.6-7.4)、プラセボ群が5.7カ月(95%信頼区間:5.4-7.2)、層別ハザード比0.82(95%信頼区間:0.60-1.12)、p=0.20で有意な差はなかった。PD-L1陽性患者のPFSで、明らかにアテゾリズマブ群が優位なサブグループは少人数のサブグループを除いて認められなかった。

 この結果を受けて正式な解析とはならないが、ITTにおけるPFS中央値はアテゾリズマブ群が5.7カ月(95%信頼区間:5.4-7.2)、プラセボ群が5.6カ月(95%信頼区間:5.4-6.5)、層別ハザード比0.86(95%信頼区間:0.70-1.05)だった。

 研究グループの評価による未確定奏効率は、PD-L1陽性患者でアテゾリズマブ群が63.4%、プラセボ群が55.4%、ITTでアテゾリズマブ群が53.6%、プラセボ群が47.5%だった。

 OSの最初の中間解析の結果は、PD-L1陽性患者で中央値がプラセボ群NE(19.1-NE)、アテゾリズマブ群NE(22.1-NE)、層別ハザード比1.55(95%信頼区間:0.86-2.80)だった。ITTで中央値がプラセボ群22.8カ月(19.1-NE)、アテゾリズマブ群18.9カ月(15.9-NE)、層別ハザード比1.31(95%信頼区間:0.94-1.82)だった。

 OSのアプデートの中間解析の結果は、PD-L1陽性患者で中央値がプラセボ群28.3カ月(19.1-NE)、アテゾリズマブ群22.1カ月(19.2-30.5)、層別ハザード比1.12(95%信頼区間:0.76-1.65)だった。2年OS率はプラセボ群が51%、アテゾリズマブ群が49%だった。ITTで中央値がプラセボ群22.8カ月(17.1-28.3)、アテゾリズマブ群19.2カ月(16.8-22.5)、層別ハザード比1.11(95%信頼区間:0.87-1.42)だった。2年OS率はプラセボ群が45%、アテゾリズマブ群が42%だった。

 アテゾリズマブ群の安全性プロファイルは、それぞれの薬剤で報告されているものと同様だった。

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