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2020/09/20

抗PD-(L)1治療で増悪した進行悪性黒色腫に対するレンバチニブ+ペムブロリズマブの奏効率は21.4%、OS13.9カ月【ESMO2020】

中西美荷=医学ライター

 抗PD-(L)1治療で増悪した進行悪性黒色腫患者に対するレンバチニブペムブロリズマブ併用療法の奏効率は、追跡期間12カ月において21.4%だったことが報告された。LEAP-004試験の中間解析により明らかになったもので、9月21日まで開催されているESMO Virtual Congress 2020 において、スペインHospital Clinic BarcelonaのAna Arance氏が報告した。

 抗PD-(L)1治療で増悪した進行悪性黒色腫患者の治療選択肢は限られており、これまでに承認されたレジメンはない。

 レンバチニブとペムブロリズマブの併用は、腫瘍微小環境における相乗効果により、それぞれの単剤での効果を上回る抗腫瘍活性が期待されている。前治療2レジメン以下の転移を有する悪性黒色腫患者21例を対象としたフェーズ1b/2試験では、追跡期間中央値16.0カ月において、24週時点の奏効率(ORR)47.6%、無増悪生存期間(PFS)5.5カ月と報告されている(Taylor MH et al., Poster 391, Society for Immunotherapy of Cancer Annual Meeting 2018)。

 LEAP-004試験は、レンバチニブ+ペムブロリズマブ併用療法についての多施設オープンラベルフェーズ1b/2試験(NCT02501096)のフェーズ2部分の1試験として実施されている。

 対象は、抗PD-(L)1薬(抗CTLA-4薬との併用を含む)を2回以上投与され、最後の投与で増悪(PD)を認めた測定可能病変(盲検での独立審査委員会評価[BICR])を有するステージIII/IVの悪性黒色腫患者。前治療数は問わない。なおここでは、最初のPD確認と4週以上経過後の2度にわたりPDだったものをPDとしている。

 ペムブロリズマブは200mgを3週毎に静脈内投与、レンバチニブは20mgを1日1回経口投与し、PDまたは容認しがたい毒性の発現、あるいは患者/医師の判断による中止まで治療を継続した。

 2019年2月から9月までに登録された103例は、全例が少なくとも1回の被験治療を受けており、全例が解析対象となった。データカットオフは2020年6月10日で、追跡期間中央値12.0カ月(8.7-15.6)において77例(74.8%)が治療を中止しており、最も多かった理由はPD(56例、54.4%)だった。23例(22.3%)が治療継続中である。

 患者の年齢中央値は63(21-85)歳、男性55例(53.4%)、ECOG PS 1が41例(39.8%)。またLDHは>ULNが57例(55.3%)、≧2×ULNが21例(20.4%)で、脳転移(既往含む)15例(14.6%)、標的病変の和の中央値100mm(範囲11-530)など、予後不良の特徴を有する患者集団だった。

 94例(91.3%)が転移病変に対する抗PD-(L)1治療で抵抗性となっていた。BRAF V600変異陽性38例(36.9%)のうち33例がBRAF±MEK阻害薬による治療歴を有していた(術後補助療法のみ1例、転移病変に対する治療のみ31例)。

 前治療ライン数は1/2/3/4/≧5がそれぞれ40例(38.8%)/24例(23.3%)/19例(18.4%)/8例(7.8%)/12例(11.7%)。

 主要評価項目のRECISTv1.1でのBICRによる奏効率(ORR)は21.4%(Clopper-Pearson法の95%正確信頼区間[以下同じ]:13.9-30.5)、病勢コントロール率(DCR)65.0%(95%信頼区間:55.0-74.2)。奏効期間(DOR)中央値は6.3カ月(範囲2.1+から11.1+)で、6カ月時の奏効維持率は72.6%(95%信頼区間:46.2-87.6)だった。

 PDとなった前治療が抗CTLA-4薬+抗PD-(L)1薬だった29例では、それ以外の74例と比較して高い抗腫瘍効果が得られた(ORR 31.0%[95%信頼区間:15.3-50.8]/ DCR 62.1%[95%信頼区間:42.3-79.3] vs ORR 17.6%[95%信頼区間:9.7-28.2]、DCR 66.2%[95%信頼区間:54.3-76.8])。ディスカッサントのBartosz Chmielowski氏(米University of California Los Angeles, Jonsson Comprehensive Cancer Center)は、「例数が29例と少ないため解釈に注意を要する」とした。

 PFSは中央値4.2カ月(95%信頼区間:3.5-6.3)で、6カ月PFS率は41.7%(95%信頼区間:31.8-51.3)、9カ月PFS率は26.2%(95%信頼区間:17.4-35.9)。OSは中央値13.9カ月(95%信頼区間:10.8-未達)で、6カ月OS率は77.3%(95%信頼区間:67.8-84.3)、9カ月OS率は65.4%(95%信頼区間:55.2-73.8)。

 治療関連有害事象(TRAEs)は全グレードが99例(96.1%)に認められ、グレード3-5は46例(44.7%)で、8例(7.8%)が治療中止をやむなくされた。

 レンバチニブ関連の臨床的に重要なAEsの発現は高血圧58.3%、甲状腺機能低42.7%、肝毒性25.2%、蛋白尿23.3%、出血20.4%などで、全般的に軽度で管理可能だった。

 ペムブロリズマブ関連の臨床的に重要なAEsや、レンバチニブ+ペムブロリズマブ併用の安全性プロファイルは既報と一貫性があり、新たに懸念されるシグナルは認められなかった。

 Arance氏は、「PDの厳格な定義や、予後不良の患者集団であることを考えれば、非常に期待が持てる成績だ。レンバチニブ+ペムブロリズマブは、高いアンメットニーズのあるこの集団に対する治療レジメンとなる可能性がある」とした。

 Chmielowski氏も、「この患者集団において21.4%というORRはみごと(impressive)だ。またニボルマブ+イピリムマブあるいはニボルマブ単剤の既治療患者では、後治療開始後のOSがそれぞれ4.3カ月、6.4カ月である(Regan MM et al., Journal of Clinical Oncology 2019 37, 3350-3358)ことを考慮すれば、13.9カ月というOSの成績は、さらに重要だともいえる」と述べ、このレジメンがPD-(L)1治療に抵抗性となった進行悪性黒色腫患者に対する治療選択肢となる可能性を支持した。

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