このページの本文へ

がんナビ

がんナビについて

がん患者さんとその家族のために、がんの治療や患者さんの日々の生活をナビゲートします。

がん種から情報を探す

  • 乳がん
  • 肝がん
  • 大腸がん
  • 腎がん
  • 胃がん
  • 肺がん
  • 食道がん
  • 前立腺がん
  • 子宮頸がん
  • 膵がん
  • 卵巣がん
  • その他のがん

News ニュース

ニュース一覧へ

新着一覧へ

ニュース

2020/09/20

ALK転座陽性進行NSCLCの1次治療でロルラチニブはクリゾチニブよりも有意にPFSを延長【ESMO2020】

横山勇生=編集委員

 ALK転座陽性進行非小細胞肺癌(NSCLC)に対する1次治療として、ロルラチニブクリゾチニブよりも有意に無増悪生存期間(PFS)を延長することが明らかとなった。フェーズ3試験であるCROWN試験の結果示された。9月21日まで開催されているESMO VIRTUAL CONGRESS 2020で、オーストラリアPeter MacCallum Cancer CentreのSolomon B氏が中間解析の結果を発表した。

 CROWN試験は無作為化オープンラベルフェーズ3試験。2017年5月から2019年2月までに23カ国104施設で登録された未治療のALK転座陽性進行NSCLC患者296人を、ロルラチニブ単剤を投与する群(ロルラチニブ群、149人)とクリゾチニブ単剤を投与する群(クリゾチニブ群、147人)に1対1に無作為に割り付けて行われている。治療済または無治療の症状がない脳転移を有する患者の参加が認められていた。ロルラチニブ群の患者には1日1回ロルラチニブ100mg、クリゾチニブ群の患者には1日2回クリゾチニブ250mgが投与された。層別因子は脳転移の有無と人種(アジア人と非アジア人)だった。クロスオーバーは認められていなかった。

 主要評価項目は、盲検下独立中央判定によるPFS。副次評価項目は、研究グループの評価によるPFS、盲検下独立中央判定と研究グループの評価による奏効率、盲検下独立中央判定による頭蓋内奏効率、頭蓋内増悪までの時間、奏効期間、頭蓋内奏効期間、全生存期間(OS)、安全性、QOLなどだった。

 中間解析のデータカットオフは2020年3月20日。ロルラチニブ群の103人、クリゾチニブ群の31人で投薬が継続されていた。PFSの観察期間中央値は、ロルラチニブ群が18.3カ月、クリゾチニブ群が14.8カ月だった。患者背景に差はなく、ベースラインで脳転移があったのは、ロルラチニブ群が26人、クリゾチニブ群が27人だった。

 試験の結果、盲検下独立中央判定によるPFS中央値は、ロルラチニブ群がNE(95%信頼区間:NE-NE)、クリゾチニブ群が9.3カ月(95%信頼区間:7.6-11.1)、ハザード比0.28(95%信頼区間:0.19-0.41)、p<0.001で有意にロルラチニブ群で良かった。12カ月PFS率は、ロルラチニブ群が78%(95%信頼区間:70-84)、クリゾチニブ群が39%(95%信頼区間:30-48)だった。PFSは、脳転移の有無も含めて全てのサブグループで有意にロルラチニブ群が良かった。

 研究グループの評価によるPFS中央値は、ロルラチニブ群がNE(95%信頼区間:NE-NE)、クリゾチニブ群が9.1カ月(95%信頼区間:7.4-10.9)、ハザード比0.21(95%信頼区間:0.14-0.31)、p<0.001で有意にロルラチニブ群で良かった。12カ月PFS率は、ロルラチニブ群が80%(95%信頼区間:73-86)、クリゾチニブ群が35%(95%信頼区間:27-43)だった。

 盲検下独立中央判定による奏効率は、ロルラチニブ群が76%(95%信頼区間:68-83)、クリゾチニブ群が58%(95%信頼区間:49-66)で、オッズ比は2.25(95%信頼区間:1.35-3.89)だった。完全奏効はロルラチニブ群の3%で認められたが、クリゾチニブ群では認められなかった。奏効期間中央値は、ロルラチニブ群がNE(95%信頼区間:NE-NE)、クリゾチニブ群が11.0カ月(95%信頼区間:9.0-12.9)だった。研究グループによる評価でも同様だった。

 盲検下独立中央判定による頭蓋内奏効率は、ベースラインで測定可能または測定不能な脳転移があった患者で、ロルラチニブ群(38人)が66%(95%信頼区間:49-80)、クリゾチニブ群(40人)が20%(95%信頼区間:9-36)で、オッズ比は8.41(95%信頼区間:2.59-27.23)だった。頭蓋内完全奏効が得られたのは、ロルラチニブ群が61%、クリゾチニブ群が15%だった。奏効期間中央値は、ロルラチニブ群がNE(95%信頼区間:NE-NE)、クリゾチニブ群が9.4カ月(95%信頼区間:6.0-10.2)だった。

 ベースラインで測定可能な脳転移があった患者での頭蓋内奏効率は、ロルラチニブ群(17人)が82%(95%信頼区間:57-960)、クリゾチニブ群(13人)が23%(95%信頼区間:5-54)で、オッズ比は16.83(95%信頼区間:1.95-163.23)だった。頭蓋内完全奏効が得られたのは、ロルラチニブ群が71%、クリゾチニブ群が8%だった。奏効期間中央値は、ロルラチニブ群がNE(95%信頼区間:NE-NE)、クリゾチニブ群が10.2カ月(95%信頼区間:9.4-11.1)だった。

 盲検下独立中央判定による頭蓋内の増悪までの期間の中央値は、ロルラチニブ群(149人)がNE(95%信頼区間:NE-NE)、クリゾチニブ群(147人)が16.6カ月(95%信頼区間:11.1-NE)。ハザード比0.07(95%信頼区間:0.03-0.17)、p<0.001で有意にロルラチニブ群が良かった。

 OSはイマチュアの状態で、OSイベントはロルラチニブ群で15件、クリゾチニブ群で19件起きていた。両群ともに中央値はNEで、ハザード比は0.72(95%信頼区間:0.41-1.25)だった。

 ロルラチニブの安全性プロファイルは、既に報告されているものと同様だった。グレード3/4の副作用は、ロルラチニブ群で多く認められたが、多くは無症候性のものだった。

 ベースラインからのQOLの変化は、全体的にロルラチニブが良好だった。

この記事を友達に伝える印刷用ページ