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2020/09/19

HER2低発現の既治療進行胃癌に抗HER2抗体薬剤複合体T-DXdが有効な可能性【ESMO2020】

横山勇生=編集委員

 HER2低発現の既治療進行胃・胃食道接合部腺癌に対して、抗HER2抗体薬剤複合体製剤トラスツズマブ デルクステカンT-DXd、DS-8201)が有効な可能性が明らかとなった。多施設オープンラベルフェーズ2試験であるDESTINY-Gastric01試験のHER2低発現患者の探索コホートで有望な結果が得られた。9月21日まで開催されているESMO VIRTUAL CONGRESS 2020で、がん研有明病院の山口研成氏が発表した。

 DESTINY-Gastric01試験は、2つ以上の前治療を受けたHER2陽性の再発・進行胃癌または胃食道接合部腺癌患者を対象に、日本と韓国で行われたフェーズ2試験。主要コホートで、HER2高発現患者(保存検体でIHC3+またはIHC2+/IHC+)においては、T-DXd群で医師選択治療群(イリノテカンかパクリタキセル)よりも高い奏効率が得られ、全生存期間(OS)も有意に良い結果が得られたことが今年の米国臨床腫瘍学会(ASCO2020)で報告されている(関連記事)。

 ASCO2020で発表された主要コホートの結果は、確定奏効率がT-DXd群が42.9%、医師選択治療群が12.5%。確定病勢コントロール率(DCR)は、T-DXd群が85.7%。奏効期間(DOR)中央値は、T-DXd群が11.3カ月、医師選択治療群が3.9カ月だった。OS中央値は、T-DXd群が12.5カ月、医師選択治療群が8.4カ月、無増悪生存期間(PFS)中央値は、T-DXd群が5.6カ月、医師選択治療群が3.5カ月だった。

 今回発表されたのは、HER2が低発現であった探索的なコホートの結果。コホート1(保存検体でIHC2+/ISH-)とコホート2(保存検体でIHC+)に分けられていた。患者には、3週おきに6.4mg/kgのT-DXdが投与された。HER2治療歴のある患者は対象からはずされていた。主要評価項目は、独立中央判定による奏効率だった。

 コホート1で20人、コホート2で24人がT-DXdの投薬を受けた。コホート1の80.0%、コホート2の79.2%が日本人で、治療歴数中央値は2だった。

 データカットオフ時点(2019年11月8日)で投与が継続されていた患者は、コホート1は存在せず、コホート2は2人(8.3%)だった。

 コホート1の確定奏効率は26.3%(19人中5人、全員PR)で、12人は病勢安定となり確定DCRは89.5%だった。DOR中央値は7.6カ月、PFS中央値は4.4カ月(95%信頼区間:2.7-7.1)、OS中央値は7.8カ月(95%信頼区間:4.7-NE)だった。

 コホート2の確定奏効率は9.5%(21人中2人、全員PR)で、確定DCRは71.4%だった。DOR中央値は12.5カ月、PFS中央値は2.8カ月(95%信頼区間:1.5-4.3)、OS中央値は8.5カ月(95%信頼区間:4.3-10.9)だった。

 安全性プロファイルは、主要コホートのものと同様だった。副作用で多く認められたのは、食欲減少(コホート1が65.0%、コホート2が75.0%)、吐気(55.0%、79.0%)、好中球数減少(45.0%、50.0%)などだった。T-DXd関連の間質性肺疾患が各コホートで1例ずつ認められたが、グレード1とグレード2だった。薬剤関連死はなかった。

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