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2020/09/18

EGFR変異陽性進行NSCLCへのエルロチニブとラムシルマブ併用療法の効果は変異型に関わらず全体と同等【ESMO2020】

横山勇生=編集委員

 EGFR変異陽性進行非小細胞肺癌(NSCLC)に対する1次治療として、エルロチニブラムシルマブの併用療法の効果は、変異型がエクソン19欠失型(del19)とエクソン21のL858R型(L858R)のどちらも、全体(ITT)と変わらず同等の有効性を示すことが明らかとなった。フェーズ3試験であるRELAY試験の変異型別の効果と安全性に関する解析の結果示された。

 9月21日まで開催されているESMO VIRTUAL CONGRESS 2020で、近畿大学の中川和彦氏によって発表された。

 RELAY試験は、del19またはL858R変異がある未治療の進行NSCLC患者で、脳転移のない全身状態が良い(ECOG PS 0-1)未治療の患者を、エルロチニブ+ラムシルマブ投与群(併用群)とエルロチニブ+プラセボ投与群(プラセボ群)に1対1で割り付けて行われたフェーズ3試験。エルロチニブは毎日150mgが投与され、ラムシルマブは2週おきに10mg/kgが投与された。患者は、地域(東アジアとその他)、EGFR変異の型(del19とL858R)で層別化されていた。

 主要評価項目は、研究グループによる評価に基づくPFSだった。副次評価項目は、安全性、毒性プロファイル、全生存期間(OS)、奏効率、病勢コントロール率(DCR)、奏効期間(DOR)など。

 試験の結果、患者全体(ITT)を対象とした解析で、併用投与群で有意にPFSが延長していたことがすでに報告されている(関連記事)。PFS中央値は、併用群が19.4カ月、プラセボ群が12.4カ月で、ハザード比が0.591(95%信頼区間:0.461-0.760)、p<0.0001だった。

 今回発表されたのは、変異型別の結果。L858Rの患者は、del19の患者に比べて高齢者、アジア人、女性、骨転移の患者が多かった。その他の患者背景に差はなかった。

 del19の患者でのPFS中央値は、併用群(123人)が19.6カ月、プラセボ群(120人)が12.5カ月で、ハザード比0.651(95%信頼区間:0.469-0.903)、p=0.0098だった。1年PFS率は、併用群が74%、プラセボ群が54%。 L858Rの患者でのPFS中央値は、併用群(99人)が19.4カ月、プラセボ群(105人)が11.2カ月で、ハザード比0.618(95%信頼区間:0.437-0.874)、p=0.0060だった。1年PFS率は、併用群が70%、プラセボ群が47%。

 奏効率は、del19患者は併用群が79%、プラセボ群が83%、L858R患者は併用群が74%、プラセボ群が66%だった。治療の種類に関わらず、L858R患者の方が奏効率は低く、L858R患者のプラセボ群が最も低かった。

 DCRは、del19患者は併用群が96%、プラセボ群が96%、L858R患者は併用群が95%、プラセボ群が95%で、治療の種類に関わらず、L858R患者の方が病勢安定(SD)が得られた患者は多かった。

 del19患者のDOR中央値は、併用群が18.2カ月、プラセボ群が11.0カ月で、ハザード比0.542(95%信頼区間:0.380-0.772)だった。L858R患者のDOR中央値は、併用群が16.2カ月、プラセボ群が11.1カ月で、ハザード比0.731(95%信頼区間:0.493-1.083)だった。どちらの変異型でもDORは併用群で良好で、併用群のDORはdel19患者の方が長かった。

 無作為化から2度目の増悪または死亡までの期間(PFS2)が探索的な事後解析として行われた。PFS2のデータはイマチュアだったが、del19患者のPFS2の中央値は、併用群が33.1カ月(95%信頼区間:28.1-NR)、プラセボ群がNRで、ハザード比0.926(95%信頼区間:0.577-1.485)だった。L858R患者のPFS2の中央値は、併用群がNR(95%信頼区間:26.6-NR)、プラセボ群が26.3カ月(95%信頼区間;22.4-NR)で、ハザード比0.600(95%信頼区間:0.371-0.969)だった。PFS2イベントは、L858R患者の方で多く起きていたが、ラムシルマブの併用によるPFS2の改善効果はL858R患者で認められていた。

 化学療法までの期間(TTCT)も探索的な事後解析として行われた。del19患者のTTCTの中央値は、併用群が28.6カ月(95%信頼区間:26.2-33.7)、プラセボ群がNR(95%信頼区間:25.3-NR)で、ハザード比1.034(95%信頼区間:0.682-1.567)。L858R患者のTTCTの中央値は、併用群がNR(95%信頼区間:26.0-NR)、プラセボ群が26.3カ月(95%信頼区間:18.7-30.7)で、ハザード比0.554(95%信頼区間:0.352-0.872)だった。ラムシルマブの併用によるTTCTの改善効果はL858R患者で認められていた。

 OSはイマチュアの状態だった。

 ベースラインで同時に起きていた変異で、どちらの群でも同様に多かったのはTP53変異とその他のEGFR変異だった。PIK3CA変異はdel19患者で多く、ERBB2変異はL858R患者で多かった。TP53変異があった患者においては、del19患者とL858R患者のどちらでも併用群のPFSがプラセボ群よりも良好だった。TP53変異がなかった患者においては、L858R患者で併用群のPFSがプラセボ群よりも良好だった。

 投薬後に起きていた変異で最も多かったのは、EGFR T790M遺伝子変異で、その他のEGFR変異とTP53変異も多く認められた。KRAS変異、BRCA2変異、PIK3CA変異の発現頻度は、del19患者とL858R患者で異なっていた。

 安全性プロファイル(グレード3以上、重篤な副作用)は、変異別で同様だった。

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