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2020/09/18

ニボルマブ+イピリムマブによる腎細胞癌の1次治療はスニチニブに比べ副作用のない無治療生存期間が得られる【ESMO2020】

八倉巻尚子=医学ライター

 進行腎細胞癌の1次治療として、IMDCリスクに関係なく、抗PD-1抗体ニボルマブと抗CTLA-4抗体イピリムマブの併用療法は、治療関連有害事象のない無治療生存期間(TFS)がスニチニブに比べて長いことが、フェーズ3試験のCheckMate-214試験の解析データで示された。9月21日まで開催されている欧州臨床腫瘍学会(ESMO Virtual Congress 2020)で、米国Dana-Farber Cancer InstituteのMeredith Regan氏らが発表した。

 CheckMate-214試験は、未治療の進行淡明腎細胞癌患者を対象に、ニボルマブとイピリムマブの併用療法とスニチニブを比較した無作為化非盲検フェーズ3試験。患者をニボルマブ+イピリムマブ群とスニチニブ群に1:1に割り付けて行われた。主要評価項目は、IMDCリスク分類で中および高リスク患者における独立画像判定委員会による全生存期間(OS)、奏効率、無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目はintention-to-treat(ITT)患者におけるOS、奏効率、PFSだった。

 中および高リスク患者とITT患者において、ニボルマブ+イピリムマブ群はスニチニブ群よりもOS、奏効率、PFSは有意に良好であることが報告されている。42カ月時点で、ニボルマブ+イピリムマブ群の52%、スニチニブ群の39%が生存していた(ハザード比0.66、95%信頼区間:0.55-0.80、p<0.0001)。

 従来の解析や評価項目ではがん免疫療法(IO)薬とVEGF受容体阻害薬の特徴の違いを示すのに十分でないことから、初回治療後に患者がどのように過ごしたかを明らかにするため、最短42カ月の観察期間における無治療生存期間 (TFS)が解析された。

 ニボルマブ+イピリムマブ群550人、スニチニブ群546人の計1096人を解析対象とした。TFSは無作為化から試験治療中止までの期間と次治療開始もしくは死亡までの期間から算出された。またTFSは毒性の有無で分けられた。いずれも42カ月までのカプランマイヤー曲線下面積から平均で評価した。

 解析の結果、中および高リスク患者において、TFSの平均はニボルマブ+イピリムマブ群6.9カ月、スニチニブ群3.1カ月で、ニボルマブ+イピリムマブ群のほうが2倍長く、その差は3.7カ月となった。毒性のないTFSもニボルマブ+イピリムマブ群で長く、グレード2以上の治療関連有害事象(TRAE)のないTFSは3.9カ月と1.5カ月で、その差は2.4カ月だった。グレード3以上のTRAEのないTFSは6.3カ月と2.9カ月で、その差は3.4カ月となった。グレード3以上のTRAEのあるTFSは0.6カ月と0.3カ月といずれも短く、その差は0.4カ月であった。

 また試験治療期間の平均はニボルマブ+イピリムマブ群14.1カ月、スニチニブ群10.8カ月、このうちグレード2以上のTRAEのない期間が8.5カ月と4.4カ月、グレード2以上のTRAEのある期間が5.7カ月と6.4カ月だった。また次治療開始後の生存期間は9.0カ月と12.0カ月だった。

 低リスク患者では、中および高リスク患者よりも2群の差が開いた。TFSの平均はニボルマブ+イピリムマブ群11.0カ月、スニチニブ群3.7カ月で、7.3カ月の差があった。毒性のないTFSは3倍の違いがあり、グレード2以上のTRAEのないTFSはニボルマブ+イピリムマブ群6.9カ月、スニチニブ群2.3カ月で、その差は4.6カ月だった。グレード3以上のTRAEのないTFSは10.1カ月と3.4カ月で、6.6カ月の差があった。グレード3以上のTRAEのあるTFSは0.9カ月と0.3カ月で、その差は0.7カ月であった。

 試験治療の期間の平均はニボルマブ+イピリムマブ群14.0カ月、スニチニブ群は20.2カ月、このうちグレード2以上のTRAEのない期間が8.8カ月と6.5カ月、グレード2以上のTRAEのある期間が5.2カ月と13.7カ月だった。次治療開始後の生存期間が11.2カ月と13.6カ月であった。

 ITT患者においても、TFSの平均はニボルマブ+イピリムマブ群はスニチニブ群の2倍で、ニボルマブ+イピリムマブ群7.8カ月、スニチニブ群3.3カ月だった。

 以上の結果から、いずれのIMDCリスクでも、ニボルマブ+イピリムマブ群はスニチニブ群に比べて、毒性のないTFSは長かったとした。低リスク患者では2群のOSはほぼ同じだったが、患者が生存期間を過ごす状況は明らかに異なっており、スニチニブ群では毒性を有するプロトコール治療でより多くの時間を過ごし、ニボルマブ+イピリムマブ群は毒性のない無治療期間をより多く過ごしていたと述べている。

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