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2020/09/14

6週時点のAFP値変化がHCCへのアテゾリズマブ・ベバシズマブ併用効果のサロゲートマーカーの可能性【ILCA2020】

横山勇生=編集委員

 全身療法未治療の進行肝細胞癌(HCC)に対するアテゾリズマブベバシズマブの併用投与の効果を評価するサロゲートマーカーとして、投与開始後6週時点のαフェトプロテイン(AFP)がベースラインよりも75%以上減少していること、上昇が10%以下であることが有用な可能性が明らかとなった。フェーズ1b試験であるGO30140試験で効果と関連するAFPの減少量と適切な検査のタイミングを調べ、フェーズ3試験であるIMbrave150試験のデータで検証した結果示された。

 9月11日から13日までWEB上で開催されたThe ILCA 2020 Virtual Conference(ILCA2020)で、米Massachusetts General Hospital Cancer CenterのAndrew X. Zhu氏が発表した。

 研究グループは、GO30140試験でベースラインのAFP値が20ng/mLの患者を対象に、複数回行ったAFP測定の結果を解析した。また、独立審査委員会のRECISTv1.1を用いた判定で、病勢安定と病勢進行の患者と奏効した患者で、特異性と感度が最も高くなるAFP値を探索した。そして、得られたタイミングとAFPレベルの結果を、IMbrave150試験のデータで検証し、特異性と感度を調べた。さらに得られたAFPの値と、 IMbrave150試験の全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)、肝癌の病因(HBV、HCV、非ウイルス性)について解析した。

 解析の結果、ベースラインから6週時点が最もAFP測定が適切なタイミングであり、AFP値が75%以上減少していることが抗腫瘍効果と特異性、感度ともに最も良好に関連していることが分かった。また、AFP上昇が10%以下であることが、病勢安定以上の病勢コントロールが得られていることと特異性、感度ともに最も良好に関連していることが分かった。

 GO30140試験の結果で、6週時点で75%以上AFP値が減少していたのは58人中20人(34.5%)で、抗腫瘍効果との特異性は0.91、感度は0.71だった。さらにIMbrave150試験のベースラインのAFP値が20ng/mLの患者で正確にAFP測定ができた150人を対象に調べたところ、6週時点で75%以上AFP値が減少していたのは39人(28.0%)で、抗腫瘍効果との特異性は0.86、感度は0.62だった。ベースラインでAFP高値であること、HCV由来のHCCであることが特に関連していた。

 GO30140試験の結果で、6週時点でAFP値上昇が10%以下だったのは58人中39人(67.2%)で、病勢コントロールとの特異性は1.00、感度は0.89だった。さらにIMbrave150試験のベースラインのAFP値が20ng/mLの患者で正確にAFP測定ができた150人においては、6週時点でAFP値上昇が10%以下だったのは107人(71.3%)で、病勢コントロールとの特異性は0.43、感度は0.77だった。ベースラインで若年であることが特に関連していた。

 IMbrave150試験で特異性と感度がGO30140試験の結果よりも減少していることについて、AFPの検査の頻度が異なることと奏効率の違い(GO30140試験は36%、IMbrave150試験は27%)が関係している可能性をZhu氏は指摘した。

 Cox比例ハザードモデルを用いてAFP値、年齢、HCCの原因(IMbrave150試験のみ)で調整して、6週時点での75%以上のAFP値減少と上昇が10%以下であることとOS、PFSの関係を調べたところ、IMbrave150試験で感度と特異性が減少しているのにも関わらず、どちらもOSとPFSに関連していた。

 GO30140試験で、6週時点での75%以上のAFP値減少があった患者のOSのハザード比は0.06(95%信頼区間:0.01-0.47)、p=0.007、AFP値上昇が10%以下だった患者のOSのハザード比は0.13(95%信頼区間:0.05-0.33)、p<0.001だった。IMbrave150試験で、6週時点での75%以上のAFP値減少があった患者のOSのハザード比は0.30(95%信頼区間:0.12-0.73)、p=0.008、AFP値上昇が10%以下だった患者のOSのハザード比は0.43(95%信頼区間:0.24-0.79)、p=0.006だった。

 GO30140試験で、6週時点での75%以上のAFP値減少があった患者のPFSのハザード比は0.19(95%信頼区間:0.07-0.51)、p=0.001、AFP値上昇が10%以下だった患者のPFSのハザード比は0.15(95%信頼区間:0.07-0.33)、p<0.001だった。IMbrave150試験で、6週時点での75%以上のAFP値減少があった患者のPFSのハザード比は0.42(95%信頼区間:0.22-0.78)、p=0.006、AFP値上昇が10%以下だった患者のPFSのハザード比は0.39(95%信頼区間:0.22-0.67)、p=0.001だった。

 HCCの原因別では、特にHBVでHCCとなった患者において、AFP値の75%以上減少とOSとPFSとの強い関連が認められた。

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