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2020/08/30

日本人の進行HCC患者でカボザンチニブは前治療歴に関わらず有効、安全性も確認【日本肝臓学会2020】

横山勇生=編集委員

 マルチキナーゼ阻害薬カボザンチニブは、日本人の進行肝細胞癌(HCC)患者に対して、前治療歴に関わらず有効で安全性も認められることが明らかとなった。国内で実施されたフェーズ2試験であるCabozantinib-2003試験の結果示された。8月28日と29日に大阪市で開催された日本肝臓学会で、武蔵野赤十字病院の泉並木氏が発表した。

 カボザンチニブは、ソラフェニブ投与歴を有するHCC患者を対象に実施されたプラセボ対照フェーズ3試験であるCELESTIAL試験で有効性を示し、欧米で承認されている(関連記事)。しかしCELESTIAL試験には日本からは参加していなかったため、日本人患者に対する有効性と効果を評価することを目的として、Cabozantinib-2003試験が実施された。

 日本では1月に武田薬品が、CELESTIAL試験(XL184-309試験)とCabozantinib-2003試験の結果を基に、癌化学療法後に増悪した切除不能HCCを対象に製造販売承認申請を行っている(関連記事)。

 Cabozantinib-2003試験は、1または2ラインの抗癌剤全身治療歴があるChild Pugh Aの日本人HCC患者を対象に行われた。患者はソラフェニブ投与歴があったコホート(コホートA、20人、ソラフェニブ不耐容5人を含む)とソラフェニブ投与歴がないコホート(コホートB、14人)に分けられ、1日1回カボザンチニブ60mgが投与された。試験の主要評価項目は、コホートAにおける投与開始後24週時の無増悪生存率(24w-PFSR)だった。CELESTIAL試験のプラセボ群の24w-PFSRである11.1%を90%信頼区間の下限値が上まわれば効果が確認されたと判定することになっていた。抗腫瘍効果は、RECISTv1.1を用いた独立審査委員会による判定で調べられた。その他の評価項目は、無増悪生存期間(PFS)、奏効率(ORR)、病勢コントロール率(DCR)、全生存期間(OS)、安全性だった。

 コホートAの患者は全員でソラフェニブ投与歴があり、レンバチニブ投与歴があったのは2人、免疫チェックポイント阻害薬の投与歴があったのは1人だった。コホートBは、レンバチニブ投与歴があったのは10人、免疫チェックポイント阻害薬の投与歴があったのは4人だった。

 試験の結果、コホートAの24w-PFSRは59.8%(90%信頼区間:36.1-77.2)で、90%信頼区間の下限値が11.1%を上回り、主要評価項目は達成された。PFS中央値は7.4カ月だった。なお、コホートBの24w-PFSRは16.7%(90%信頼区間:4.0-36.8)、PFS中央値は、3.6カ月だった。

 コホートA、Bの両方とも奏効が認められた患者はなく、奏効率はどちらも0%。DCRは、コホートAが85.0%(95%信頼区間:62.1-96.8)、コホートBが64.3%(95%信頼区間:35.1-87.2)だった。最後の患者登録からデータカットオフまでの観察期間は約6カ月。投与開始後6カ月時点の全生存率は、コホートAが100%、コホートBが78.6%(95%信頼区間:47.2-92.5)だった。

 用量強度は両コホートを合わせて37.3%で、CELESTIAL試験と同等だった。全員で副作用のために用量調整が必要となったが、副作用で中止となったのは3人(8.8%)だった。多く認められた全グレードの副作用は、両コホート合わせて、手足症候群76.5%、下痢61.8%、高血圧47.1%など。多く認められたグレード3/4の副作用は、両コホート合わせて、手足症候群26.5%、高血圧23.5%、好中球減少症11.8%などだった。日本人において安全性の新たな問題は認められなかった。

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