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2020/08/09

切除不能悪性胸膜中皮腫の1次治療でニボルマブとイピリムマブ併用の24カ月OS率は41%【WCLC2020】

横山勇生=編集委員

 抗PD-1抗体ニボルマブと抗CTLA-4抗体イピリムマブの併用療法は、切除不能悪性胸膜中皮腫の1次治療として標準的な化学療法(ペメトレキセドとシスプラチンまたはカルボプラチン)よりも有意に全生存期間(OS)を延長することが明らかとなった。フェーズ3試験であるCheckMate-743試験の既定されていた独立データモニタリング委員会による中間解析の結果示されたもので、ニボルマブとイピリムマブを併用した群の24カ月OS率は41%だった。

 8月8日に開催された世界肺癌学会(WCLC)2020-Virtual Presidential Symposiumで、オランダThe Netherlands Cancer Institute and The University of LeidenのP. Baas氏が発表した。

 CheckMate-743試験はオープンラベル多施設無作為化フェーズ3試験。ECOG PS 0-1で、組織学的に確認された切除不能な全身治療歴のない悪性胸膜中皮腫患者を、ニボルマブとイピリムマブの併用群と標準的化学療法群に1対1で割り付けて行われた。患者は組織型(上皮型と非上皮型)と性別で層別されていた。ニボルマブとイピリムマブ併用群の患者には、ニボルマブが2週おきに3mg/kg、イピリムマブが6週おきに1mg/kg投与された。投与は最長で2年まで行われた。標準的化学療法群の患者には、白金系抗癌薬(シスプラチン75mg/m2かカルボプラチ AUC 5)とペメトレキセド500mg/m2が6サイクル投与された。

 主要評価項目はOS。副次評価項目は、奏効率、病勢コントロール率(DCR)、無増悪生存期間(PFS)などで、全て盲検下独立中央審査で評価された。

 ニボルマブとイピリムマブ併用群に303人、標準的化学療法群に302人が割り付けられた。両群の患者背景に大きな差はなく、年齢中央値はどちらも69歳、男性が77%だった。上皮型は、ニボルマブとイピリムマブ併用群が76%、標準的化学療法群が75%、PD-L1発現が1%以上だったのはニボルマブとイピリムマブ併用群が80%、標準的化学療法群が74%だった。

 データベースロックは2020年4月3日で、OSに対する最短観察期間は22.1カ月、観察期間中央値は29.7カ月だった。試験の結果、OS中央値は、ニボルマブとイピリムマブ併用群が18.1カ月(95%信頼区間:16.8-21.4)、標準的化学療法群が14.1カ月(95%信頼区間:12.4-16.2)、ハザード比0.74(96.6%信頼区間:0.60-0.91)、p=0.0020で有意にニボルマブとイピリムマブの併用群で延長していた。OSのカプランマイヤー曲線は5カ月目頃から離れ始め、12カ月OS率は、ニボルマブとイピリムマブ併用群が68%、標準的化学療法群が58%、24カ月OS率はニボルマブとイピリムマブ併用群が41%、標準的化学療法群が27%だった。

 OSのサブグループ解析は、75歳以上(157人)、上皮型(456人)のサブグループ以外は、ニボルマブ+イピリムマブ群が優位で、特に非上皮型(149人)はハザード比0.46と高い効果が認められていた。

 組織型で分けたOSの解析は、上皮型患者のOS中央値は、ニボルマブとイピリムマブ併用群が18.1カ月、標準的化学療法群が16.5カ月で、ハザード比0.86。24カ月OS率はニボルマブとイピリムマブ併用群が42%、標準的化学療法群が33%だった。非上皮型患者のOS中央値は、ニボルマブとイピリムマブ併用群が18.1カ月、標準的化学療法群が8.8カ月で、ハザード比0.46。24カ月OS率はニボルマブとイピリムマブ併用群が38%、標準的化学療法群が8%だった。

 PD-L1の発現状態で分けたOSの解析は、PD-L1発現1%未満の患者のOS中央値は、ニボルマブとイピリムマブ併用群が17.3カ月、標準的化学療法群が16.5カ月で、ハザード比0.94。24カ月OS率はニボルマブとイピリムマブ併用群が39%、標準的化学療法群が25%だった。PD-L1発現1%以上の患者のOS中央値は、ニボルマブとイピリムマブ併用群が18.0カ月、標準的化学療法群が13.3カ月で、ハザード比0.69。24カ月OS率はニボルマブとイピリムマブ併用群が41%、標準的化学療法群が28%だった。

 無増悪生存期間(PFS)中央値は、ニボルマブとイピリムマブ併用群が6.8カ月(95%信頼区間:5.6-7.4)、標準的化学療法群が7.2カ月(95%信頼区間:6.9-8.0)、ハザード比1.00(95%信頼区間:0.82-1.21)だった。カプランマイヤー曲線は8カ月目頃に交差し、12カ月PFS率はニボルマブとイピリムマブ併用群が30%、標準的化学療法群が24%、24カ月PFS率はニボルマブとイピリムマブ併用群が16%、標準的化学療法群が7%だった。

 奏効率は、ニボルマブとイピリムマブ併用群が40%(CRは2%)、標準的化学療法群が43%(CRはなし)。病勢コントロール率は、ニボルマブとイピリムマブ併用群が76.6%、標準的化学療法群が85.1%だった。奏効期間(DOR)中央値は、ニボルマブとイピリムマブ併用群が11.0カ月、標準的化学療法群が6.7カ月。12カ月DOR率は、ニボルマブとイピリムマブ併用群が47%、標準的化学療法群が26%、24カ月DOR率はニボルマブとイピリムマブ併用群が32%、標準的化学療法群が8%と、ニボルマブとイピリムマブ併用の効果は持続的だった。

 ニボルマブとイピリムマブの併用で、新たな安全性の問題は認められなかった。

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