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2020/07/04

BRAF変異陽性大腸癌でエンコラフェニブとセツキシマブの併用、ビニメチニブを加えた3剤併用でCEAの低下はOS改善に関連【WCGC2020】

八倉巻尚子=医学ライター

 BRAF V600E変異陽性の進行大腸癌患者において、BRAF阻害薬エンコラフェニブと抗EGFR抗体セツキシマブの2剤併用、およびMEK阻害薬ビニメチニブを加えた3剤併用によって、癌胎児性抗原CEA)は低下し、CEA低下は全生存期間(OS)の改善に関連することが、フェーズ3試験のBEACON CRC試験の探索的解析で示された。7月1日から4日まで開催されているthe ESMO World Congress on Gastrointestinal Cancer 2020-Virtual(WCGC2020)で、米West Cancer CenterのAxel Grothey氏らが発表した。

 BEACON CRC試験は、治療歴数が1または2のBRAF V600E変異陽性進行大腸癌患者を対象に、エンコラフェニブとビニメチニブ、セツキシマブの3剤併用群、およびエンコラフェニブとセツキシマブの2剤併用群と、イリノテカンベースの治療(イリノテカンもしくはFOLFIRIとセツキシマブの併用)を行う対照群が比較された。試験の結果、3剤併用群と2剤併用群は対照群に比べてOSを改善することが報告されている。さらに最近の報告では、3剤併用群と2剤併用群はOSに差がないことが示されている(ASCO GI2020)。
 
 探索的解析では、CEAおよび糖鎖抗原CA19-9と臨床的効果の関連性が検討された。CEAとCA19-9の解析のための血液検体は、ベースライン時と各サイクルの1日目、治療終了時に採取された。治療は28日を1サイクルとしている。検体の解析と効果は中央判定で実施された。ベースライン時のCEAとCA19-9の値で患者は3段階のグループ(T1-3)に分けられ、臨床的効果との関連性、ならびにベースライン時から2サイクル目におけるCEAとCA19-9の変化と臨床的効果との関連性が評価された。今回は、CEAの結果が報告された。

 ベースライン時にCEAが5μg/Lを超えた患者が全体で77%を占め、3剤併用群は80%、2剤併用群は70%、対照群は81%であった。またCEA低値のT1群(8μg/L以下)の患者が、3剤併用群は30%だが、2剤併用群は38%とやや多く、対照群は30%であり、CEA高値のT3群(66μg/L超)は38%と32%、30%であった。

 二重盲検下独立中央判定による最良奏効との関連を見たところ、3剤併用群、2剤併用群では、CR/PR/SDの患者とPDの患者におけるベースライン時のCEA値に有意な違いはなかった。対照群ではPDの患者のほうがCR/PR/SDの患者に比べてCEA値は有意に高かった。

 OSとの関連については、3群ともベースライン時のCEAが低値の群でOSは良好だった。3剤併用群で、T1グループのOS中央値は17.8カ月だが、T2グループは9.5カ月、T3グループは7.2カ月だった。2剤併用群で、T1グループは17.7カ月、T2グループは9.0カ月、T3グループは6.1カ月だった。対照群では、T1グループは9.5カ月、T2グループは4.8カ月、T3グループも4.8カ月だった。またCEAのグループごとに3群を比較すると、T1とT2グループでは3剤併用群と2剤併用群のOS曲線は重なり、対照群に比べて優れていたが、T3グループでは3群の差は小さかった。

 次に、ベースライン時から2サイクル目までのCEAの変化を調べた結果、3剤併用群ではCEAが低値のグループに移行して「改善」した患者が、T2グループで56%、T3グループも56%を占めた。2剤併用群はT2グループで60%、T3グループは52%だった。それに対し、対照群ではT2グループで6%、T3グループは1%のみだった。また対照群はCEAが高値のグループに移行して「悪化」した患者がT1グループで7%、T2グループは12%であり、治療中止の患者も3割と多かった。

 2サイクル目にCEAが改善していた患者では、CEAグループの変更がなかった患者に比べてOSは良好だった。試験治療群ではT3グループの患者でもCEAが改善した患者のOSは、T2グループで変更がなかった患者のOSと類似していた。3剤併用群の場合、T3グループでCEA改善患者のOS中央値は7.4カ月で、T2グループで変更がなかった患者の8.6カ月に近かった。2剤併用群の場合も、T3グループでCEA改善患者のOS中央値は7.0カ月で、T2グループで変更がなかった患者の7.5カ月に近かった。

 さらに、ベースライン時から初回腫瘍評価時までのCEA値の変化率が、2剤併用群と対照群ではCR/PR/SD患者のほうがPD患者よりも有意に大きく、3剤併用群でも同様の傾向が見られた。ただし試験治療群では、CR/PR/SD患者でもPD患者でもCEA値は低下していたが、対照群のPD患者ではCEA値が増加していた。腫瘍評価はRECISTv1.1で無作為化から最初の24週は6週ごとに行われていた(N Engl J Med 2019; 381:1632-1643)。

 初回腫瘍評価時にPDだった患者において、経時的なCEA値の変化を示すスパイダープロットでは、試験治療群ではCEA値の速やかな減少が見られるものの、治療開始から1カ月あるいは2カ月で増加する患者も認められ、治療への耐性メカニズムを示唆するものではないかとした。

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