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2020/07/03

日本人進行胃癌に対するニボルマブの臨床効果を実臨床でも確認【WCGC2020】

横山勇生=編集委員

 日本人の進行胃癌に対するニボルマブの実臨床における効果は、臨床試験で認められたものと同等であることが明らかとなった。切除不能進行胃癌を対象としたニボルマブのバイオマーカー探索を含めた多施設観察研究であるDELIVER試験JACCRO GC-08)の、有効性と安全性解析の結果示された。7月1日から4日までバーチャル形式で行われているthe 2020 ESMO World Congress on GI Cancer (WCGC2020)で、聖マリアンナ医科大学の砂川優氏が発表した。

 DELIVER試験は、日本おける実臨床での進行胃癌に対するニボルマブの有効性と安全性の評価を行うことと、治療の前後で宿主側因子(腸内細菌種・ゲノム情報、遺伝子多型、遺伝子発現、メタボローム)を測定し、ニボルマブの効果予測因子/毒性予測因子を探索することを目的に実施されている。PS 0-2の20歳以上の患者を対象とし、主要評価項目は全生存期間(OS)。副次評価項目は、奏効率、病勢コントロール率、腫瘍増殖率(TGR)、無増悪生存期間(PFS)、安全性。

 今回は、有効性と安全性の結果が発表された。

 DELIVER試験は、2018年3月から国内67施設で患者登録が行われ、2019年8月で登録が完了した。登録された患者は501人で、487人について評価が可能だった。測定可能病変を有していたのは282人だった。TGRが評価可能だったのは219人。患者背景は、年齢中央値が70歳(26-90)、男性が71%、ECOG PS 0が42%、1が44%、治療歴数2が39%、3以上が59%、腹水があったのは42%、腹膜転移があったのは47%、HER2陽性が21%だった。

 試験の結果、測定可能病変があった282人での奏効率は6.7%、病勢コントロール率は36.5%だった。全患者における病勢コントロール率は39.2%だった。TGRが評価可能だった219人で、TGRが減少したのは56.6%だった。病勢コントロール率を患者背景別に調べたところ、腹水のない患者で有意に高いことが明らかとなった(p<0.005)。PFS中央値は1.81カ月、OS中央値は5.91カ月だった。

 ニボルマブの3次治療以降の効果を評価したATTRACTION-2試験の奏効率は11.2%、病勢コントロール率は40.3%、PFS中央値が1.61カ月、OS中央値が5.91カ月だったことから、実臨床でも同等の有効性が示されたことになる。

 安全性は、掻痒、下痢、皮疹、倦怠感など多く認められる副作用については、ATTRACTION-2試験で見られた頻度よりもDELIVER試験において多く発現していた。研究グループは、実臨床においては全身状態が悪い患者などが含まれているためと推測している。ただし、間質性肺炎など免疫チェックポイント阻害薬で注意すべき副作用の発現頻度は変わらなかった。

 TGRが測定可能だった患者で、最初の評価で増悪(PD)でTGRが2以上となった患者を急速な腫瘍増大(HPD)と定義した場合、HPDは20.5%に起きていた。今年1月のGastorointestinal Cancers Symposium(ASCO GI)で発表された国内の多施設におけるレトロスペクティブ解析でも、HPDが16.7%に認められたことが報告されていたが、HPDではないPDの患者とPFS、OSは変わらないことが示されていた。

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