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2020/07/03

進行胆嚢癌の2次治療としてカペシタビン+イリノテカンとイリノテカン単剤の有効性は同様の可能性【WCGC 2020】

森下紀代美=医学ライター

 1次治療で増悪した進行胆嚢癌に対し、カペシタビンイリノテカンの併用療法(CAPIRI療法)は、イリノテカン単剤療法と比較して有効性に差はないとみられることが、インドで行われたフェーズ2のランダム化比較試験GB-SELECTから示された。奏効率はCAPIRI療法で高かったが、臨床的有効率(CBR)は同様だった。7月1日から4日までバーチャル形式で開催されているESMO World Congress on Gastrointestinal Cancer(WCGC 2020)で、インドAll India Institute of Medical Sciences(AIIMS)のAnant Ramaswamy氏が発表した。

 胆嚢癌は、インドの一部の地域では世界の他の地域より多いことが報告されている。進行胆道癌に対する2次治療のデータは限られていたが、この2年間に複数の選択肢が報告されている。mFOLFOXと積極的な症状コントロールのみ(ASC)を比較したフェーズ3のABC-06試験、XELIRI療法(カペシタビン+イリノテカン)とイリノテカンを比較した中国のフェーズ2試験などで、ABC-06試験と中国の試験の対象は約80%が胆管癌である。

 Ramaswamy氏らは、IV期または再発の胆嚢癌(腺癌)で、ゲムシタビンを含むレジメンで1次治療を受けた18-70歳の患者を対象に、2次治療を検討するGB-SELECT試験をインドの2施設で行った。この2施設(AIIMSを含む)は、インドでも胆嚢癌の罹患率が高い地域にある最大規模の癌センターである。

 患者は、カペシタビン1700mg/m2/日を1日目から14日目まで投与し、イリノテカン200mg/m2を3週毎に投与する群(CAPIRI群)、またはイリノテカン240mg/m2を3週毎に投与する群(イリノテカン単剤群)に、1対1でランダムに割り付けられた。経過観察は、化学療法中は3週毎、増悪後は担当医の判断で行われた。主要評価項目は6カ月時のOS率、副次的評価項目は、6カ月時のPFS率、奏効率、有害事象、QOLだった。QOLは、肝胆膵領域の癌患者向けのFACT-Hepを2カ月時に用いて評価した。

 98人が登録され、CAPIRI群49人、イリノテカン単剤群49人となり、転帰と安全性の解析対象となった。解析時も治療を継続していたのは、CAPIRI群6人、イリノテカン単剤群7人だった。

 患者背景は両群で差はなかった。年齢中央値は両群ともに51歳、女性の割合はCAPIRI群53%、イリノテカン単剤群69%、胆嚢摘出術を行っていたのはそれぞれ37%、41%、低分化型はそれぞれ35%、37%だった。転移・再発部位で最も多かったのは両群ともに局所で、CAPIRI群57%、イリノテカン単剤群55%、次いで肺がそれぞれ29%、31%だった。

 治療サイクル数は平均でCAPIRI群3、イリノテカン単剤群4だった。用量調節はCAPIRI群の27%、イリノテカン単剤群の9%で行われており、CAPIRI群で有意に多かった(p=0.03)。

 主要評価項目の6カ月時のOS率は、CAPIRI群38.4%、イリノテカン単剤群54.2%となり、差はなかった(p=0.93)。カプランマイヤー曲線は4カ月頃まで接近し、6カ月時にはイリノテカン単剤群が上回る傾向がみられた。OS中央値は、CAPIRI群5.16カ月(95%信頼区間:4.26-6.06)、イリノテカン単剤群6.28カ月(95%信頼区間:4.25-8.3)だった。

 6カ月時のPFS率は、CAPIRI群20.4%、イリノテカン単剤群16.5%となった(p=0.56)。カプランマイヤー曲線は、最初はCAPIRI群が上回っていたが、2カ月時に交差していた。PFS中央値は、CAPIRI群2.27カ月(95%信頼区間:1.37-3.17)、イリノテカン単剤群3.12カ月(95%信頼区間:1.04-5.2)だった。

 奏効率は、CAPIRI群6%(完全奏効4%、部分奏効2%)、イリノテカン単剤群は0%だったが、臨床的有効率(CBR)はそれぞれ41%、47%となり、差はみられなかった。

 QOLは、2カ月時のFACT-Hepによる評価では両群に差はみられなかった。

 予後因子の多変量解析では、胆嚢摘出術が独立した因子として抽出され、ハザード比0.47(0.28-0.81)、p=0.006となった。

 グレード3または4の有害事象で最も多く観察されたのは、両群ともに倦怠感で、CAPIRI群20%、イリノテカン単剤群14%、次が下痢で、それぞれ16%、10%に発現した。ただし、発現率は両群で有意差はなかった。

 Ramaswamy氏は、CAPIRI療法では用量調節が多く必要とされ、対象とした脆弱な患者では投与の妨げとなり、有効性を示せないことにつながったとし、「イリノテカン単剤療法は、進行胆嚢癌の2次治療としてCAPIRI療法と同様に有効であり、リーズナブルな治療選択肢である」と結論した。

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