このページの本文へ

がんナビ

がんナビについて

がん患者さんとその家族のために、がんの治療や患者さんの日々の生活をナビゲートします。

がん種から情報を探す

  • 乳がん
  • 肝がん
  • 大腸がん
  • 腎がん
  • 胃がん
  • 肺がん
  • 食道がん
  • 前立腺がん
  • 子宮頸がん
  • 膵がん
  • 卵巣がん
  • その他のがん

News ニュース

ニュース一覧へ

新着一覧へ

ニュース

2020/07/02

BRCA変異を持つ進行膵癌の維持療法としてのオラパリブの有効性に年齢は影響しない可能性【WCGC2020】

横山勇生=編集委員

 生殖細胞系列にBRCA変異を持つ進行膵癌の1次治療後の維持療法としてのPARP阻害薬オラパリブの有効性に、年齢は影響していない可能性が明らかとなった。1次治療で白金系抗癌薬で増悪しなかった患者に対する維持療法としてオラパリブの有効性を評価したフェーズ3試験であるPOLO試験の、65歳以上の患者を対象とした解析で抗腫瘍効果が認められ、長期間、病勢コントロールできている患者が認められた。

 7月1日から4日までバーチャル形式で行われているthe 2020 ESMO World Congress on GI Cancer (WCGC2020)で、米The University of ChicagoのHedy L. Kindler氏が発表した。

 POLO試験は、プラセボ対照無作為化多施設二重盲検フェーズ3試験。生殖細胞系列にBRCA変異がある、転移を有する膵臓癌で、白金系抗癌薬による1次治療で16週以上増悪しなかった(完全奏効、部分奏効、病勢安定)患者を、1次治療後の4週間から8週間で、維持療法として1日2回オラパリブ300mgを投与する群とプラセボを投与する群に3対2で無作為に割り付けて行われた。主要評価項目は、盲検下独立審査によるRECISTv1.1を用いたPFS。副次評価項目は、全生存期間(OS)、2度目の増悪までの期間(PFS2)、奏効率、疾患制御率、健康関連QOLなどだった。

 3315人をスクリーニングし、生殖細胞系列にBRCA変異を有する247人(7.5%)が同定された。1次治療で増悪した患者などを除いて、92人がオラパリブ群、62人がプラセボ群に割り付けられた。

 試験の結果、PFS中央値はオラパリブ群が7.4カ月、プラセボ群が3.8カ月で、ハザード比0.53(95%信頼区間:0.35-0.82)、p=0.004で有意にオラパリブ群の方が長かったことが既に報告されている(関連記事)。

 ただし、POLO試験のサブグループ解析で、65歳以上の患者においてはハザード比1.02(95%信頼区間:0.45-2.60)だったこと、65歳以上の患者でも長期間の維持療法の効果が得られる患者が存在したことから、年齢別の追加解析を行い、65歳以上の患者におけるオラパリブの効果と安全性をより詳細に調べ、今回発表された。

 65歳以上の患者はオラパリブ群で28人(30%)、プラセボ群で13人(21%)だった。

 オラパリブ群で奏効が認められたのは18人で奏効率は23.1%だったが、18人中4人は65歳以上だった。さらに完全奏効となった2人(2.6%)のうち1人は65歳以上だった。なお、プラセボ群の奏効率は11.5%で全員が部分奏効だった。65歳以上で奏効が認められた患者におけるベースラインの特徴はなかった。

 オラパリブの維持療法で2年以上病勢コントロールされている患者は、65歳未満の患者で64人中7人(11%)、65歳以上の患者で28人中3人(11%)で同等だった。2年以上病勢コントロールされている患者10人のうち7人は奏効が認められた患者だった。

 オラパリブ群において、65歳以上と未満で副作用の発現に差はなかった。グレード3以上の副作用が発現したのは、65歳未満が38.1%、65歳以上が42.9%、副作用で投薬中断となったのは、65歳未満が34.9%、65歳以上が35.7%、減量となったのは65歳未満が20.6%、65歳以上が7.1%、中止となったのは65歳未満が4.8%、65歳以上が7.1%だった。

この記事を友達に伝える印刷用ページ