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2020/07/02

切除不能肝細胞癌1次治療でのアテゾリズマブとベバシズマブ併用の効果は高齢者でも同等【WCGC2020】

横山勇生=編集委員

 全身療法を受けていない切除不能肝細胞癌(HCC)患者に対する1次治療として、抗PD-L1抗体アテゾリズマブベバシズマブの併用療法の有効性は、65歳以上の高齢者でも65歳未満の患者と同様に認められることが明らかとなった。アテゾリズマブとベバシズマブの併用療法とソラフェニブの単剤療法を比較したフェーズ3試験であるIMbrave 150試験の結果を、65歳以上と65歳未満の患者で比較した結果示された。

 7月1日から4日までバーチャル形式で行われているthe 2020 ESMO World Congress on GI Cancer (WCGC2020)で、米City of Hope Comprehensive Cancer Center and Beckman Research InstituteのDaneng Li氏が発表した。

 IMbrave 150試験は、切除不能なHCCで全身療法を受けていない患者501人を、アテゾリズマブ1200mg+ベバシズマブ15mgを3週毎に投与する群(336人)と、ソラフェニブ400mgを1日2回投与する群(165人)に2対1で割り付けて行われた。

 主要評価項目である全生存期間(OS)と、独立判定機関(IRF)がRECISTv1.1で評価した無増悪生存期間(PFS)は、アテゾリズマブ+ベバシズマブ群で有意に延長したことがすでに報告されている。OSの層別ハザード比は0.58(95%信頼区間:0.42-0.79)、p<0.001、PFSの層別ハザード比は0.59(95%信頼区間:0.47-0.76)、p<0.0001)だった。また、QOLの悪化までの時間もアテゾリズマブ+ベバシズマブ群で延長することが明らかとなっている。

 今回、IMbrave 150試験に登録された患者を65歳以上と65歳未満に分けた、探索的なサブグループ解析の結果が発表された。

 患者背景は、アテゾリズマブ+ベバシズマブ群、ソラフェニブ群ともに65歳以上の患者は65歳未満の患者と比べて、女性が多い、アジア人(日本人を除く)が多い、非ウイルス性の肝癌が多い、肝外病変、肉眼的血管浸潤(MVI)の患者が少ない傾向があった。さらにアテゾリズマブ+ベバシズマブ群においては、65歳以上の患者は65歳未満の患者と比べてAFP400ng/mL以上の患者が少なかった。アテゾリズマブ+ベバシズマブ群、ソラフェニブ群ともに、65歳以上の患者は65歳未満の患者と比べて、高血圧、糖尿病、便秘、逆流性食道炎、前立腺肥大、高脂血症の患者が多く、降圧薬の投薬を受けている患者も多かった。

 解析の結果、OS、PFS、奏効率はいずれも65歳以上、65歳以上のどちらでもアテゾリズマブ+ベバシズマブ群が良い結果だった。

 OSは、65歳未満の患者でアテゾリズマブ+ベバシズマブ群(175人)の中央値はNE、ソラフェニブ群(74人)は11.4カ月で、ハザード比0.59(95%信頼区間:0.38-0.91)。65歳以上の患者でアテゾリズマブ+ベバシズマブ群(161人)の中央値はNE、ソラフェニブ群(91人)は14.9カ月で、ハザード比0.58(95%信頼区間:0.36-0.92)だった。

 PFSは、65歳未満の患者でアテゾリズマブ+ベバシズマブ群の中央値は6.7カ月、ソラフェニブ群は2.9カ月で、ハザード比0.50(95%信頼区間:0.36-0.71)。65歳以上の患者でアテゾリズマブ+ベバシズマブ群の中央値は7.7、ソラフェニブ群は4.8カ月で、ハザード比0.63(95%信頼区間:0.45-0.89)だった。

 奏効率は、65歳未満の患者でアテゾリズマブ+ベバシズマブ群は29%、ソラフェニブ群は10%だった。65歳以上の患者でアテゾリズマブ+ベバシズマブ群は26%、ソラフェニブ群は13%だった。

 患者報告アウトカムによるQOL悪化までの時間も65歳以上、65歳未満のどちらでもアテゾリズマブ+ベバシズマブ群で良好だった。

 全グレードの治療関連副作用、グレード3/4の治療関連副作用の発現率は、65歳未満と65歳以上で大きな差はなかった。ただし、高血圧や倦怠感、下痢、食欲減退は65歳以上で多く認められたが、研究グループはベースラインの併存疾患によるものと推定している。

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