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2020/06/16

強力な化学療法が不適な未治療急性骨髄性白血病にベネトクラクスとアザシチジンの併用は有効【EHA2020】

横山勇生=編集委員

 強力な化学療法が不適な未治療の急性骨髄性白血病(AML)に対して、経口BCL-2阻害薬ベネトクラクスアザシチジンの併用が、プラセボとアザシチジンの併用よりも有意に全生存期間(OS)とCR(完全寛解)+CRi(血球数の回復を伴わない完全寛解)率を改善できることが明らかとなった。フェーズ3試験であるVIALE-A(M15-656)試験の事前に規定された最初の中間解析で示された。6月11日から開催されている欧州血液学会(EHA25 Virtual Congress)で米、The University of Texas MD Anderson Cancer CenterのCourtney DiNardo氏が発表した。

 VIALE-A試験は、新規診断AML患者443人を登録して行われた無作為化プラセボ対照フェーズ3試験。2020年1月4日までに、431人がベネトクラクスとアザシチジン併用投与群(併用群、286人)とプラセボとアザシチジン投与群(対照群、145人)に2対1で割り付けられた。75歳以上、あるいは18歳から74歳で併存疾患を有し、強力な化学療法が不適な患者が対象とされた。28日間を1サイクルとして、ベネトクラクスまたはプラセボが毎日1回、1サイクル目の1日目は100mg、2日目は200mg、3日目以降は400mgが投与された。アザシチジンは、1日目から7日目まで1日1回75mg/m2が投与された。

 主要評価項目はOS。副次評価項目は、CR+CRi率、CR+CRh(造血機能の部分的な回復を伴う完全寛解)率、2サイクル開始時点のCR+CRi率、CR+CRh率、CR率、輸血の非依存性、分子生物学的に分けたサブグループでのCR+CRi率とOS、無イベント生存期間(EFS)だった。層別因子は年齢(18歳から75歳未満と75歳以上)、細胞遺伝学的リスク(中間リスクと高リスク)、地域だった。

 患者背景に差はなく、75歳以上の患者の割合は、併用群が61%、対照群が60%だった。

 試験の結果、観察期間中央値20.5カ月(<0.1-30.7)で、OS中央値は併用群が14.7カ月(95%信頼区間:11.9-18.7)、対照群が9.6カ月(95%信頼区間:7.4-12.7)で、ハザード比0.66(95%信頼区間:0.52-0.85)、p<0.001で有意に併用群が優れていた。OSに関するサブグループ解析は、全てのサブグループで併用群が優位だった。

 CR+CRi率は、併用群で66.4%(CRが36.7%)、対照群が28.3%(CRが17.9%)だった。2サイクル開始時点のCR+CRi率は、併用群が43.4%、対照群が7.6%。CR+CRi率、CR率、2サイクル開始時点のCR+CRi率のいずれも有意に併用群で高かった(p<0.001)。

 CR+CRiの期間の中央値は、併用群が17.5カ月(95%信頼区間:13.6-NE)、対照群が13.4カ月(95%信頼区間:5.8-15.5)だった。

 CR+CRh率は、併用群で64.7%、対照群が22.8%だった。2サイクル開始時点のCR+CRh率は、併用群が39.9%、対照群が5.5%。CR+CRh率、2サイクル開始時点のCR+CRh率のいずれも有意に併用群で高かった(p<0.001)。

 CR+CRi率が併用群で高いことは、サブグループ解析でも示された。高リスク群のCR+CRi率は併用群で53%、対照群で23%、中間リスク群のCR+CRi率は併用群で74%、対照群で32%だった。de novoのAML患者のCR+CRi率は併用群で66%、対照群で30%、2次的AML患者のCR+CRi率は併用群で67%、対照群で23%だった。IDH1/2変異を有する患者におけるCR+CRi率は、併用群で75%、対照群で11%、FLT3変異を有する患者におけるCR+CRi率は併用群で72%、対照群で36%、NPM1変異を有する患者におけるCR+CRi率は併用群で67%、対照群で24%、TP53変異を有する患者におけるCR+CRi率は併用群で55%、対照群で0%だった。年齢や全身状態でも併用群の方が高い値を示した。

 8週間以上輸血非依存性(赤血球と血小板の両方)の患者の割合は、併用群が58%、対照群が34%。輸血非依存性に変えた割合は、併用群が49%、対照群が27%だった。

 EFS中央値は、併用群が9.8カ月(95%信頼区間:8.4-11.8)、対照群が7.0カ月(95%信頼区間:5.6-9.5)、ハザード比0.63(95%信頼区間:0.50-0.80)、p<0.001だった。

 グレード3以上の血液学的毒性で多かったのは、血小板減少症(併用群45%、対照群38%)、好中球減少症(42%、29%)、発熱性好中球減少症(42%、19%)、貧血(26%、20%)、白血球減少症(21%、12%)だった。全グレードの非血液学的な副作用で多く認められたのは、吐気(併用群44%、対照群35%)、便秘(43%、39%)、下痢(41%、33%)、嘔吐(30%、23%)だった。重篤な副作用は、発熱性好中球減少症(併用群30%、対照群10%)、肺炎(17%、22%)などだった。副作用で投薬中止となったのは、併用群で24%、対照群で20%。投薬開始後30日以内の死亡率は、併用群で7%、対照群で6%だった。

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