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2020/06/16

再発・難治性多発性骨髄腫へのカルフィルゾミブ・デキサメタゾンにisatuximabの追加でPFSが延長【EHA2020】

横山勇生=編集委員

 再発・難治性多発性骨髄腫患者に対して、カルフィルゾミブ・デキサメタゾン併用療法に抗CD38抗体isatuximabを追加することで、無増悪生存期間(PFS)が有意に延長することが明らかとなった。無作為化多施設共同非盲検フェーズ3試験であるIKEMA試験の第1回の中間解析において示された。6月11日から開催されている欧州血液学会(EHA25 Virtual Congress)で、フランスUniversity Hospital Hotel-DieuのPhilippe Moreau氏が発表した。

 カルフィルゾミブ・デキサメタゾン併用療法への抗CD38抗体の追加でPFSを延長できることは、別の抗CD38抗体であるダラツムマブ(Candor試験)で示され、昨年の米国血液学会(ASH2019)で発表されている(関連記事)。ダラツムマブとisatuximabのどちらを使うかは、今後議論となりそうだ。

 IKEMA試験は、16カ国の69施設で、1から3レジメンの治療歴を有し、カルフィルゾミブと抗CD38抗体の投与歴がない再発・難治性の多発性骨髄腫患者302人を対象に行われた。患者は、カルフィルゾミブ(28日間を1サイクルとし、1、2、8、9、15、16日目に投与。1サイクル目の1日目と2日目は20mg/m2、その後は56mg/m2)、デキサメタゾン(週2回20mg)の投与に加えてisatuximabを投与する群(Isa-Kd群、179人)と、カルフィルゾミブとデキサメタゾンのみを投与する群(Kd群、123人)に3対2で割り付けられた。isatuximabは、10mg/kgを最初の4週間は毎週投与し、その後は28日間を1サイクルとして2週おきに投与された。投薬は病勢進行か受容不能な副作用の発現まで行われた。

 主要評価項目は独立審査によるPFS。キーとなる副次評価項目は、奏効率、VGPR(very good partial response)以上の奏効率、NGSを用いて10-5を境界とした微小残存病変(minimal residual disease)陰性化率、完全奏効率、全生存期間(OS)、安全性だった。中間解析はPFSイベントが65%に起きた時に実施するとされていた。

 両群の患者背景には差はなかった。年齢中央値はIsa-Kd群が65.0歳(37-86)、Kd群が63.0歳(33-90)、75歳以上がIsa-Kd群は9.5%、Kd群は8.1%だった。細胞遺伝学的高リスク患者は、Isa-Kd群は23.5%、Kd群は25.2%だった。治療歴数中央値は、Isa-Kd群が2(1-4)、Kd群が2(1-4)、プロテアソーム阻害薬の投与歴があったのはIsa-Kd群が92.7%、Kd群が85.4%、免疫調節薬の投与歴があったのはIsa-Kd群が76.0%、Kd群が81.3%だった。レナリドミド難治性となっていたのは、Isa-Kd群が31.8%、Kd群が34.1%だった。

 観察期間中央値20.7カ月で、Isa-Kd群のPFS中央値はNR(95%信頼区間:NE-NE)、Kd群のPFS中央値は19.15カ月(95%信頼区間:15.770-NE)で、ハザード比0.531(99%信頼区間:0.318-0.889)、片側p=0.0007で、事前に規定されたp値の境界値であるp=0.005を下回り、Isa-Kd群における有意な延長が認められた。PFSのサブグループ解析でも全てでIsa-Kd群が優位だった。

 奏効率は、Isa-Kd群が86.6%、Kd群が82.9%、片側p=0.19だった。VGPR以上の奏効率は、Isa-Kd群が72.6%、Kd群が56.1%だった(p=0.0011)。完全奏効率は、Isa-Kd群が39.7%、Kd群が27.6%。ITTにおけるMRD陰性化率は、Isa-Kd群が29.6%(179人中53人)、Kd群が13.0%(123人中16人)で、p=0.0004だった。次治療までの期間の中央値は両群ともにNRだったが、ハザード比0.566(95%信頼区間:0.380-0.841)で、Isa-Kd群が良好だった。OSはイマチュアの状態で、OSイベントはIsa-Kd群の17.3%、Kd群の20.3%で起きていた。

 投薬中止の主な理由は病勢進行(Isa-Kd群が29.1%、Kd群が39.8%)と副作用(Isa-Kd群が8.4%、Kd群が13.8%)だった。治療中に起きたグレード3以上の副作用の発現率は、Isa-Kd群が76.8%、Kd群が67.2%でIsa-Kd群が高かった。しかし、治療中に起きた重篤な副作用の発現率は、Isa-Kd群が59.3%、Kd群が57.4%、致死的な副作用発現率は、Isa-Kd群が3.4%、Kd群が3.3%で同等だった。

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