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2020/06/14

移植適応のないアグレッシブ再発・難治性大細胞型B細胞リンパ腫の2次治療にCAR-T細胞療法Lisocabtagene Maraleucelは高い奏効率【EHA2020】

八倉巻尚子=医学ライター

 CD19を標的としたCAR-T細胞療法であるLisocabtagene Maraleucel liso-celJCAR017)は、高齢や全身状態が不良などで移植適応とならない再発・難治性アグレッシブ大細胞型B細胞リンパ腫の2次治療として、高い奏効率と安全性が認められることが、多施設共同オープンラベルのフェーズ2試験(TRANSCEND-PILOT-017006)で明らかになった。米国Levine Cancer InstituteのNilanjan Ghosh氏らが、6月11日から開催されている欧州血液学会(EHA25 Virtual Congress)で発表した。

 PILOT試験 (NCT03483103)は、再発・難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)(他に特定されない[NOS]、de novo、濾胞性リンパ腫からの転換を含む)、高グレードB細胞リンパ腫、またはグレード3Bの濾胞性リンパ腫で、アントラサイクリン系製剤と抗CD20抗体薬を含む治療歴が1回あり、造血幹細胞移植が適応とならない患者を対象に行われた。移植が適応とならない患者とは、移植不適応の基準(年齢が70歳以上、ECOG PS 2、呼吸器機能障害、心機能障害、腎機能障害、肝機能障害)のうち1つ以上を満たした場合とした。

 フルダラビン(30mg/m2)とシクロホスファミド(300mg/m2)を3日間投与してリンパ球を除去し、2-7日後に、標的用量100×106個のCAR-T細胞を投与した。なおCD4陽性CAR-T細胞とCD8陽性CAR-T細胞の用量や比率はサイトカイン放出症候群(CRS)や神経毒性の発症や重症度に影響する可能性があるとされる。liso-celではCD4陽性CAR-T細胞とCD8陽性CAR-T細胞の標的用量は均等にし、分けて投与された。

 主要評価項目は奏効率(ORR)、重要な副次評価項目は有害事象(AE)や完全奏効(CR)率であった。

 試験では29人がliso-celの投与を受けた。年齢中央値は72歳(53-85)、DLBCL(NOS)が14人、DLBCL(濾胞性リンパ腫からの転換)が5人、高グレードB細胞リンパ腫が9人、グレード3Bの濾胞性リンパ腫が1人だった。また70歳以上が76%、PS 2が31%、心機能障害(LVEF 50%未満)が3%、腎機能障害(クレアチニンクリアランス60mL/分未満)が28%だった。移植不適応の基準を2つ以上満たした患者が62%を占めた。またHCT-CI(Hematopoietic Cell Transplantation-Comorbidity Index)スコアが3以上の患者が52%であった。予後不良因子を1つ以上持つ患者が79%だった。

 効果に関するフォローアップ期間中央値は5カ月。ORRは89%(24人)で、CRは56% (15人)、PRは33%(9人)だった。投与後30日以内に効果は認められ、CRでフォローアップ評価が1回以上できた12人のうち10人はCRが持続していた。またCR患者の2人はPRからその後、CRに至っていた。カプランマイヤー法による効果の持続は、3カ月時点で63%、6カ月時点で53%に認められた。増悪後の治療はペムブロリズマブ(2人)、リツキシマブ+化学療法(1人)などだった。

 グレード3/4の治療関連有害事象(TEAE)は69%で、主なグレード3/4のTEAEは血球減少症であった。グレード5のTEAEは最初の30日以内にはなかった。サイトカイン放出症候群(CRS)は6人(21%)、グレード3以上は認めなかった。神経毒性は3人(10%)で、グレード1/2が1人、グレード3が2人だった。CRSの初回発症までの期間中央値は5日、神経毒性の初回発症までの期間中央値は8日だった。CRSに対しトシリズマブとコルチコステロイドが3人に、神経毒性にコルチコステロイドが2人に用いられた。

 以上の結果から、liso-celによる治療は高い奏効率とCRの持続が認められ、70歳以上、PS 2、中等度の臓器不全を有する患者を含む対象において、許容できる安全性プロファイルを示したとした。

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