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2020/06/02

再発・難治性古典的ホジキンリンパ腫のPFSをペムブロリズマブがブレンツキシマブより有意に延長【ASCO2020】

中西美荷=医学ライター

 再発または難治性の古典的ホジキンリンパ腫(r/r cHL)を対象としたKEYNOTE-204試験で、ペムブロリズマブブレンツキシマブ ベドチン(BV)と比較して、統計学的に有意な無増悪生存期間(PFS)延長を示した。5月29日から31日までVirtual Formatで開催された米国臨床腫瘍学会年次集会(ASCO 2020)で、カナダPrincess Margaret Cancer CentreのJohn Kuruvilla氏が報告した。

 抗CD30抗体薬物複合体ブレンツキシマブ ベドチン(BV)は、自家幹細胞移植(auto-SCT)後の再発cHLに対する標準治療(SCO)だが、auto-SCT不適例に対するSOCは存在しない。一方、抗PD-1抗体ペムブロリズマブは、フェーズ2試験KEYNOTE-087での成績に基づき、難治性または3ライン以上の治療で再発したcHLに対する治療薬として日本でも承認されている。

 KEYNOTE-204試験は、r/r cHLに対するペムブロリズマブとBVを比較する国際共同オープンラベルランダム化フェーズ3試験。auto-SCT後の再発、auto-SCT不適、または1ラインの前治療で再発したr/r cHLで、国際ワーキンググループ(IWG 2007)基準の測定可能病変を有し、ECOG PS 0/1の患者を登録した。BV治療歴は問わない。層別化因子はauto-SCTの有無、1ラインの前治療での再発 vs 12カ月以内の再発 vs 12カ月以上での再発とした。

 主要評価項目は、auto-SCTまたは同種造血幹細胞移植(allo-SCT)後の臨床および画像所見を加味したIWG2007基準にもとづく盲検下独立中央判定(BICR)でのPFSとOS。主な副次評価項目は、臨床および画像所見を加味しないPFS(PFS-secondary)、IWGに基づくBICRでの奏効率(ORR)、IWGに基づく研究者評価のPFSと、BICRでの治療持続期間(DOR)、安全性。

 300例をペムブロリズマブ群(200mgを3週ごとに静注35サイクル)またはBV群(1.8mg/kgを3週ごとに静注35サイクル)に1:1で無作為割付した。今回結果が報告された2回目の解析は、176のPFSイベント後に計画されていたが、2020年1月16日のデータカットオフ後に実際のイベント数は169だったことが判明した。優越性の閾値は、PFSが片側α≦0.0043、ORRがα≦0.006(PFS優越の場合に検定)。追跡期間中央値は24.7カ月(0.6-42.3)だった。OSは報告されなかった。

 患者背景は、ペムブロリズマブ群(148例)、BV群(152例)それぞれにおいて、年齢中央値36歳(16-64)、35歳(18-83)、65歳以上が27例(17.9%)、22例(14.4%)、ECOG PS 0が86例(57.0%)、100例(65.3%)、auto-SCT既往56例(37.1%)、56例(36.6%)、1次治療後の状態は、1次治療抵抗性61例(40.4%)、62例(40.5%)、12カ月以内の再発42例(27.8%)、42例(27.5%)、12カ月以上での再発48例(31.8%)、49例(32.0%)だった。治療期間中央値は305.0日(1-814)、146.5日(1-794)、2年間の治療完遂は25例(16.9%)、3例(2.0%)で、ペムブロリズマブ群13例(8.8%)、BV群3例(2.0%)が治療中である。

 主要PFS解析でのPFS中央値はペムブロリズマブ群13.2カ月(95%信頼区間:10.9-19.4)、BV群8.3カ月(95%信頼区間:5.7-8.8)でハザード比は0.65(95%信頼区間:0.48-0.88、p=0.00271)。ペムブロリズマブ群で統計学的に有意なPFS延長が認められた。12カ月PFS率はペムブロリズマブ群53.9%、BV群35.6%だった。ペムブロリズマブ群のBV群に対するPFSベネフィットは、検討したすべてのサブグループにおいて観察された。

 PFS-secondaryもペムブロリズマブ群で有意に延長した(中央値12.6カ月[95%信頼区間:8.7-19.2] vs 8.2カ月[95%信頼区間:5.6-8.6]、ハザード比0.62[95%信頼区間:0.46-0.85])。12カ月 PFS-secondary率はペムブロリズマブ群50.4%、BV群33.3%だった。

 研究者評価PFSは、ペムブロリズマブ群19.2カ月(95%信頼区間:13.8-28.1)、BV群8.2カ月(95%信頼区間:5.7-8.6)でハザード比0.49(95%信頼区間:0.36-0.67)、12カ月 PFS率はそれぞれ62.2%、33.0%だった。

 奏効率(ORR)はペムブロリズマブ群65.6%(95%信頼区間:57.4-73.1)、BV群54.2%(95%信頼区間:46.0-62.3)で、ペムブロリズマブ群で11.3%(95%信頼区間:0.2-22.1、p<0.0225)高かったが、事前に規定した有意差には至らなかった。BICRでのDOR中央値は20.7カ月(0.0+-33.2+)、13.8カ月(0.0+-33.9+)で、12カ月DOR率は62.4%、50.0%だった。

 有害事象は、ペムブロリズマブ群、BV群でそれぞれ、グレード3-5の治療関連有害事象(TRAEs)が29例(19.6%)、38例(25.0%)、重篤なTRAEsが29例(16.2%)、16例(10.5%)、重篤なTRAEsによる治療中断が13例(8.8%)、6例(3.9%)だった。ペムブロリズマブ群の1例がTRAE(肺炎)により死亡した。

 ペムブロリズマブ群における免疫関連AEsは甲状腺機能低下28例(18.9%、グレード1/2)、肺炎16例(10.8%、5.4%がグレード3/4)、甲状腺機能亢進5.4%(グレード1/2)などだった。肺炎は16例中15例が治療関連と考えられた。15例がステロイド治療を要したが、16例中12例はすでに回復し、1例が回復途上にある。

 Kuruvilla氏は、「ペムブロリズマブはBVと比較して統計学的に有意で臨床的に意義あるPFS延長を示した。安全性は既報と一貫性が認められ、肺炎も管理可能だと考えられる。再発/難治の古典的ホジキンリンパ腫に対する標準治療となるべきである」とした。

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