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2020/05/31

標準治療抵抗性のHER2高発現進行大腸癌にトラスツズマブ デルクステカンが高い奏効率を示す【ASCO2020】

横山勇生=編集委員

 標準治療に抵抗性のHER2高発現進行大腸癌に、抗HER2抗体薬剤複合体製剤トラスツズマブ デルクステカンT-DXdDS-8201)が有効である可能性が明らかとなった。多施設オープンラベルフェーズ2試験であるDESTINY-CRC01試験で高い抗腫瘍効果が認められた。5月29日から31日までVirtual形式で開催されている米国臨床腫瘍学会(ASCO2020)で、イタリアUniversita degli Studi di MilanoのSalvatore Siena氏によって発表された。

 DESTINY-CRC01試験は、中央判定でHER2発現が確認されたRAS遺伝子野生型患者で2ライン以上の治療歴を有する進行大腸癌患者を対象に、3週間おきにT-DXd 6.4mg/kgを投与することで行われた。患者は3つのコホートに分けられ、コホートAがHER2 IHC3+ またはIHC2+/ISH+の患者、コホートBがIHC2+/ISH-の患者、コホートCがIHC1+の患者とされた。主要評価項目はコホートAにおける独立中央判定での確定奏効率。副次評価項目は、病勢コントロール率(DCR)、奏効期間(DOR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、コホートBとCにおける奏効率だった。

 データカットオフは2019年8月9日。78人(コホートAが53人、コホートBが7人、コホートCが18人)がT-DXdの投与を受け、38.5%で投与が継続されていた。患者の年齢中央値は58.5歳(27-79)で、男性が52.6%、原発巣が左側だったのが89.7%だった。RAS野生型が98.7%、BRAF野生型が98.7%だった。治療歴数中央値は4(2-11)だった。全員でイリノテカン、フルオロウラシル、オキサリプラチンの投与歴があった。治療期間中央値が3.5カ月(95%信頼区間:2.1-4.3)、コホートAは4.8カ月(95%信頼区間:3.9-5.8)。

 試験の結果、コホートAの53人中24人で奏効が認められ、確定奏効率は45.3%(95%信頼区間:31.6-59.6)で、1人でCRが得られた。DOR中央値は、未到達(95%信頼区間:4.2-NE)だった。DCRは83.0%(95%信頼区間:70.2-91.9)。コホートAのPFS中央値は6.9カ月(95%信頼区間:4.1-NE)だった。コホートAのOS中央値は未到達(95%信頼区間:0.74-NE)。腫瘍縮小は、抗HER2療法既治療の患者でも認められた。また、持続的な抗腫瘍効果が確認された。なお、コホートBとCにおいては、奏効が認められた患者はいなかった。

 コホートAの奏効率のサブグループ解析の結果、IHC3+の患者の奏効率が57.5%だったのに対して、IHC2+/ISH+の患者においては7.7%だった。その他のサブグループに大きな差はなかった。

 治療中にグレード3以上の副作用が発現したのは61.5%(薬物関連は48.7%)。投薬中止に至った薬剤関連副作用は2.6%、減量に至った薬剤関連副作用は17.9%、中断に至った薬剤関連副作用は24.4%に発現した。多く認められた副作用は吐き気、貧血、好中球減少症だった。7人(9.0%)が副作用のために投薬中止となった。5人(6.4%)が独立委員会の評価でT-DXdに関連した間質性肺炎を起こしたと判定され、グレード2が2人、グレード3が1人、グレード5が2人だった。

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