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2020/05/25

PD-L1遺伝子のコピー数異常が進行乳癌への免疫チェクポイント阻害薬の効果予測因子の可能性【ESMO Breast2020】

横山勇生=編集委員

 PD-L1の遺伝子であるCD274コピー数異常(CNA)が、転移を有する乳癌(MBC)に対する免疫チェクポイント阻害薬の効果予測因子である可能性が明らかとなった。免疫チェックポイント阻害薬と化学療法の維持療法としての有効性を評価した無作為化フェーズ2試験であるSAFIR02 BREAST IMMUNO試験の、探索的解析で明らかになった。5月23日と24日に開催されたESMO Breast Cancer Virtual Meeting 2020(ESMO Breast2020)で、フランスCentre Leon BerardのT. Bachelot氏が発表した。

 CD274は、9p24.1に存在する遺伝子。

 SAFIR02 BREAST IMMUNO試験は、反応が期待できる治療薬に対応した遺伝子変異が存在しないMBC患者で、6カ月間の標準的な化学療法に奏効した199人を、デュルバルマブ10mg/kgを2週間おきに投与する群(デュルバルマブ群)と維持化学療法を行う群(化学療法群)に2対1で割り付けて行われた。試験の無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)の結果は、2019年のサンアントニオ乳癌シンポジウムで発表されている。PFSはハザード1.40、p=0.047で化学療法群が良く、OSはハザード比0.84、p=0.42で差はなかった。なお、トリプルネガティブ乳癌の82人(43%)については、OSの未調整ハザード比0.54、p=0.0377、PD-L1陽性乳癌の44人については、OSの未調整ハザード比0.42、p=0.0552と良好だった。

 転移巣の検体を用いて、CGHアレイ解析を行いPDL1遺伝子のコピー数異常が解析された。コピー数増は3から4コピーあった場合、遺伝子増幅は5コピー以上あった場合と定義された。それぞれのグループにおいて、Cox比例ハザードモデルを用いて治療の効果を見積もった。

 126人(デュルバルマブ群82人、化学療法群44人)でPD-L1遺伝子のコピー数異常の解析ができた。PD-L1遺伝子のコピー数が、減少していたのが29人(23.0%)、中間が67人(53.2%)、増加が22人(17.5%)、増幅が8人(6.3%)だった。コピー数が増加/増幅していたのはトリプルネガティブ乳癌患者で55人中23人(42%)と、ホルモン受容体陽性乳癌患者の67人中7人(10.4%)よりも多かった。免疫細胞でのPD-L1発現の陽性と陰性においては、コピー数が増加/増幅患者の割合に差はなかった。腫瘍のPD-L1陽性患者でコピー数が増加/増幅していたのは6人中4人(66.7%)、PD-L1陰性患者でコピー数が増加/増幅していたのは92人中22人(23.9%)だった。

 コピー数が増加/増幅した患者(30人)のPFS中央値は、デュルバルマブ群が4.2カ月(95%信頼区間:1.7-6.2)、化学療法群が1.4カ月(95%信頼区間:1.7-6.2)、未調整ハザード比0.47(95%信頼区間:0.21-1.06)、p=0.0617でデュルバルマブ群が良い傾向が認められた。コピー数が増加/増幅していなかった患者のPFSは、ハザード比2.34、p=0.0007で化学療法群の方が良かった。トリプルネガティブ乳癌でコピー数が増加/増幅した患者(23人)のPFSのハザード比は0.39、p=0.0425でより良い結果となった。

 コピー数が増加/増幅した患者で大きく結果が異なったのは、PFSではなくOSだった。コピー数が増加/増幅した患者(30人)のOS中央値は、デュルバルマブ群がNR(95%信頼区間:16.6-NR)、化学療法群が8.8カ月(95%信頼区間:4.3-17.9)、未調整ハザード比0.17(95%信頼区間:0.05-0.55)、p=0.0009でデュルバルマブ群が有意に良かった。カプランマイヤー曲線は、18カ月あたりでOS率75%となり、そのまま横ばいとなっていた。コピー数が増加/増幅していなかった患者のOSは、ハザード比1.31、p=0.4495で差がなかった。

 トリプルネガティブ乳癌の患者で、PD-L1遺伝子のコピー数が増加/増幅した患者のOS中央値は、デュルバルマブ群がNR(95%信頼区間:11.1-NR)、化学療法群が8.8カ月(95%信頼区間:1.0-17.9)、未調整ハザード比0.18(95%信頼区間:0.05-0.71)、p=0.0059でデュルバルマブ群が有意に良かった。カプランマイヤー曲線は、同様に18カ月あたりでOS率75%となり、そのまま横ばいとなっていた。コピー数が増加/増幅していなかった患者のOSは、ハザード比1.12、p=0.8139で差がなかった。

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