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2020/05/24

BRCA変異陽性HER2陰性乳癌への化学療法にveliparib追加のPFS延長効果をHR陽性とTNBCのどちらでも確認【ESMO Breast2020】

横山勇生=編集委員

 生殖細胞系列のBRCA遺伝子(gBRCA)変異陽性のHER2陰性進行乳癌に対し、PARP1/2阻害薬veliparibをCP療法(カルボプラチン、パクリタキセル)に追加することで、CP療法のみよりも無増悪生存期間(PFS)を延長する効果は、ホルモン受容体(HR)陽性乳癌患者とトリプルネガティブ乳癌患者のどちらのサブグループでも認められることが明らかとなった。gBRCA変異陽性のHER2陰性進行乳癌でveliparib追加によりPFSを有意に延長できることを示したフェーズ3試験であるBROCADE3試験のサブグループ解析の結果示された。

 5月23日と24日に開催されているESMO Breast Cancer Virtual Meeting 2020(ESMO Breast2020)で、カナダ Centre Hospitalier de l’Universite de MontrealのJ-P. Ayoub氏が発表した。

 BROCADE3試験は、gBRCA1/2遺伝子変異を有するHER2陰性進行乳癌で、転移に対する細胞傷害性薬剤による治療は2レジメン以下、プラチナ製剤を含む治療は1レジメン以下で、投与終了から12カ月以内の増悪は認めない患者を対象に行われた。veliparibまたはプラセボをCP療法と併用する群に、患者を2対1でランダムに割り付けた。

 治療は21日を1サイクルとし、veliparib(120mgを1日2回、-2日目から5日目)またはプラセボを、カルボプラチン(AUC6、1日目)、パクリタキセル(80mg/m2、1、8、15日目)と併用した。増悪前にカルボプラチンとパクリタキセルを毒性のため中止した場合、veliparib単剤300mgの1日2回の投与を継続し、忍容可能であれば400mgを1日2回投与した。プラセボ群の患者が増悪した場合、veliparibへのクロスオーバーは可とした。主要評価項目は試験担当医の評価によるPFSだった。ホルモン受容体の状態によるPFSの解析は事前に規定されていた。PFSと全生存期間(OS)の解析は、白金系抗癌薬の治療歴で層別化されていた。

 509人がランダムに割り付けられ、veliparibをCP療法と併用する群(veliparib群)337人、プラセボを併用する群(プラセボ群)172人となった。主要評価項目であるPFSの結果は、既に昨年の欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)で発表されている。ハザード比0.71(95%信頼区間:0.57-0.88、p=0.002)でveliparib群で有意に長かった(関連記事)。

 509人のうち、266人(52%)がホルモン受容体陽性乳癌で、243人(48%)がトリプルネガティブ乳癌だった。ホルモン受容体陽性患者はBRCA2変異が多く、トリプルネガテイブ乳癌患者はBRCA1変異が多かった。

 ホルモン受容体陽性乳癌患者において、研究グループの評価によるPFS中央値は、veliparib群(174人)が13.0カ月(95%信頼区間:12.1-16.6)、プラセボ群(92人)が12.5カ月(95%信頼区間:10.2-13.2)、ハザード比0.69(95%信頼区間:0.52-0.93、p=0.013)となった。2年PFS率は、veliparib群が27.5%(95%信頼区間:20.6-34.8)、プラセボ群が15.3%(95%信頼区間:8.2-24.5)、3年PFS率は、veliparib群が17.5%(95%信頼区間:11.2-25.0)、プラセボ群が8.6%(95%信頼区間:3.3-17.0)でveliparib群の効果は持続的だった。

 トリプルネガティブ乳癌患者において、PFS中央値は、veliparib群(163人)が16.6カ月(95%信頼区間:12.3-22.7)、プラセボ群(80人)が14.1カ月(95%信頼区間:11.0-15.8)、ハザード比0.72(95%信頼区間:0.52-1.00、p=0.051)だった。2年PFS率は、veliparib群が40.4%(95%信頼区間:32.3-48.4)、プラセボ群が25.0%(95%信頼区間:15.3-35.9)、3年PFS率は、veliparib群が35.3%(95%信頼区間:27.2-43.6)、プラセボ群が13.0%(95%信頼区間:5.3-24.2)でveliparib群の効果は持続的だった。

 ホルモン受容体陽性乳癌患者において、OS中央値は、veliparib群が32.4カ月(95%信頼区間:26.5-37.9)、プラセボ群が27.1カ月(95%信頼区間:22.9-35.2)、ハザード比0.96(95%信頼区間:0.68-1.36)だった。トリプルネガティブ乳癌患者において、OS中央値は、veliparib群が35.0カ月(95%信頼区間:24.9-NE)、プラセボ群が30.0カ月(95%信頼区間:24.5-NE)、ハザード比0.92(95%信頼区間:0.62-1.36)だった。有意差はないが、どちらもOS中央値が約5カ月veliparib群で延長していた。

 ホルモン受容体陽性乳癌患者において、PFS2中央値は、veliparib群が20.3カ月(95%信頼区間:18.2-22.6)、プラセボ群が16.6カ月(95%信頼区間:15.4-18.5)、ハザード比0.771(95%信頼区間:0.567-1.048)だった。トリプルネガティブ乳癌患者において、PFS2中央値は、veliparib群が24.9カ月(95%信頼区間:20.0-43.2)、プラセボ群が20.0カ月(95%信頼区間:15.7-24.5)、ハザード比0.747(95%信頼区間:0.525-1.064)だった。PFS2も、どちらでもveliparib群で延長していた。

 副作用で中止となったのは、ホルモン受容体陽性乳癌患者でveliparib群が8.0%、プラセボ群が3.3%、トリプルネガティブ乳癌患者でveliparib群が10.5%、プラセボ群が7.5%だった。

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