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2020/02/15

筋層浸潤性膀胱癌に術前dose-dense MVAC療法はGC療法よりも局所制御に優れる【ASCO GU2020】

八倉巻尚子=医学ライター

 筋層浸潤性膀胱癌術前化学療法として、dose-dense MVAC療法(メトトレキサート、ビンブラスチン、ドキソルビシン、シスプラチン)は、GC療法(ゲムシタビン、シスプラチン)に比べて局所制御に優れるが、一方で毒性は強い傾向が、ランダム化フェーズ3試験GETUG/AFU V05 VESPERの予備的な解析結果で明らかになった。フランスHospital Saint-LouisのStephane Culine氏らが、2月13日から15日まで米サンフランシスコで開催されているGenitourinary Cancers Symposium(ASCO GU2020)で発表した。

 試験は、膀胱の尿路上皮癌もしくは混合型でECOG PSは2未満、シスプラチン投与の適応があり、術前化学療法の場合はT2以上N0M0、術後化学療法の場合はpT2もしくはpN+でM0を適格条件とした。化学療法は3カ月実施した。GC療法はゲムシタビン1250mg/m2を1、8日目に、シスプラチン70mg/m2を1日目に投与し、これを3週おきに4サイクル行った。dose-dense MVAC療法(dd- MVAC)はメトトレキサート30mg/m2を1日目に、ビンブラスチン3mg/m2、ドキソルビシン30mg/m2、シスプラチン30mg/m2を2日目に投与し、これを2週おきに6サイクル行った。手術は術前化学療法終了後8週以内に実施した。

 主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)で、副次評価項目は毒性、病理学的効果、全生存期間(OS)だった。今回は副次評価項目の毒性と病理学的効果について報告された。

 2013年2月から2018年3月までにフランスの28施設で500人が登録され、ITT解析は493人を対象に行われた。GC群は245人、dd-MVAC群は248人で患者背景に違いはなかった。年齢中央値は2群とも63歳、男性が8割、PS 0が7割だった。術前化学療法を受けた患者は437人(89%)、術後化学療法は56人(11%)だった。

 投与状況について、術前化学療法では、GC群(219人)のサイクル数中央値は4サイクルで、4サイクル未満だったのは16%だった。手術は90%(198人)の患者が受けた。手術を実施しなかった理由は患者拒否(9人)、病勢進行(6人)、毒性(5人)、そのほか(1人)だった。手術までの期間中央値は48日だった。

 dd-MVAC群のサイクル数中央値は6サイクルで、6サイクル未満は39%だった。手術は91%(199人)の患者が受けた。手術を実施しなかった理由は毒性(10人)、患者拒否(5人)、病勢進行(2人)、そのほか(2人)だった。手術までの期間中央値は50.5日だった。

 病理学的な効果は、完全奏効(ypT0pN0)がGC群は36%、dd-MVAC群は42%に認められた(p=0.02)。筋層非浸潤性(ypT2未満pN0)が49%と63%(p=0.007)で、臓器限局性(ypT3未満pN0)は63%と77%であった(p=0.002)。

 また術後化学療法(56人)は、GC群(26人)で4サイクル未満が19%、dd-MVAC群(30人)で6サイクル未満は60%だった。手術から化学療法までの期間中央値はGC群が71日、dd-MVAC群が77日だった。

 CTCAEグレード3以上の血液毒性は、貧血がGC群8%に対してdd-MVAC群は22%で(p=0.00002)、発熱性好中球減少症が2%と7%だった(p=0.05)。グレード3以上の非血液毒性は、吐き気・嘔吐がGC群3%に対してdd-MVAC群は10%(p=0.003)、無力症が4%と14%だった(p=0.0002)。化学療法中の死亡は4人で、dd-MVAC群が3人だった。

 以上の結果から、dd-MVAC療法は局所制御に優れているが、一方でグレード3以上の貧血や発熱性好中球減少症、吐き気・嘔吐、無力症が多かったとした。PFSやOSの結果は2021年に発表する予定であるという。

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