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2020/01/28

進行大腸癌化学療法中の悪液質発現は生存期間に悪影響【ASCO GI2020】

横山勇生=編集委員

 進行大腸癌に対する化学療法中に悪液質が起こることは、生存期間に悪い影響が出る可能性が明らかとなった。愛知県がんセンターで行われたレトロスペクティブな解析の結果、悪液質が全生存期間(OS)に悪影響を及ぼす因子として同定された。1月23日から25日まで米サンフランシスコで開催されたGastrointestinal Cancers Symposium(ASCO GI2020)で、愛知県がんセンターの能澤一樹氏が発表した。

 評価の適格基準は、組織学的に進行大腸癌と確認され、1次治療で2剤併用療法に加えて抗VEGF抗体か抗EGFR抗体を投与された、ECOG PS 0-2でベースラインと観察期間中にCTスキャンと体重のデータが得られた患者とされた。

 研究グループは、2010年1月から2018年8月までに、愛知県がんセンターで1次治療を受けた進行大腸癌患者のデータをレトロスペクティブに解析した。悪液質、サルコペニア、骨格筋量低下は、Fearsonらの基準に基づいて定義された。ベースライン時のCTスキャンにより骨格筋量指数(Skeletal Muscle Mass Index、SMI)でサルコペニアを判定した。格筋量低下はベースライン時のCTスキャン画像と化学療法開始後最初のCTによる評価(約8週間後)の画像で判定した。化学療法中の悪液質は、ベースライン時と最初のCT時点の結果から判定した。また、Cox比例ハザードモデルを用いた多変量解析で、悪液質が治療打ち切りまでの期間(TTF)とOSに関連する独立した予後因子であるかも評価された。

 進行大腸癌に対する1次治療を受けた562人のうち、適格基準を満たした患者を、化学療法中に悪液質があった群(69人)と悪液質がなかった群(116人)に分けて解析した。悪液質があった患者は69人、骨格筋量低下があった患者は56人、サルコペニアだった患者は126人で、悪液質、骨格筋量低下、サルコペニアの全て起きていた患者が19人(10%)だった。悪液質、骨格筋量低下、サルコペニアのいずれも起きていなかった患者は31人(17%)だった。悪液質があった群となかった群の間の患者背景に有意な差はなかった。

 TTFについては、悪液質があった群の中央値は11.9カ月(95%信頼区間:10.4-15.2)、悪液質がなかった群は16.9カ月(95%信頼区間:14.0-21.0)、ハザード比1.52(95%信頼区間:1.12-2.07)、p<0.01で有意に悪液質があった群で短かった。また、OSについても中央値は悪液質があった群は21.4カ月(95%信頼区間:16.2-27.6)、悪液質がなかった群は34.1カ月(95%信頼区間:29.1-40.0)、ハザード比1.81(95%信頼区間:1.29-2.55)、p<0.01で有意に悪液質があった群で短かった。

 一方、骨格筋量低下があった患者(56人)となかった患者(129人)で調べたところ、TTFについては、低下があった群の中央値は13.3カ月(95%信頼区間:10.5-20.2)、なかった群は15.5カ月(95%信頼区間:12.8-17.2)、ハザード比1.05(95%信頼区間:0.76-1.45)、p=0.76で有意な差がなかった。OSについても低下があった群の中央値は24.4カ月(95%信頼区間:18.1-31.9)、なかった群は29.9カ月(95%信頼区間:24.7-35.5)、ハザード比1.23(95%信頼区間:0.86-1.76)、p=0.25で有意な差がなかった。サルコペニアについてOSとの関連を調べたところ、中央値はサルコペニアだった患者が29.3カ月、サルコペニアでなかった患者が29.1カ月で、ハザード比1.15(95%信頼区間:0.80-1.65)、p=0.45で差がなかった。

 また、多変量解析の結果、OSに関連する因子として悪液質が同定された。

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