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2020/01/28

VEGF-Dが1次治療でベバシズマブを含むレジメンを投与された進行大腸癌の2次治療の選択マーカーになる可能性【ASCO GI2020】

横山勇生=編集委員

 進行大腸癌に対する1次治療としてベバシズマブを含むレジメンを投与された患者で、2次治療を選択するためのバイオマーカーとして血清中のVEGF-Dレベルが有望な可能性が明らかとなった。KRASエクソン2野生型の進行大腸癌で、1次治療としてフルオロピリミジン、オキサリプラチンとベバシズマブを含むレジメンを受けた患者を対象に、2次治療としてFOLFIRI+パニツムマブ群とFOLFIRI+ベバシズマブ群を比較したフェーズ2試験であるWJOG6210G試験のバイオマーカー解析の結果示された。

 1月23日から25日まで米サンフランシスコで開催されたGastrointestinal Cancers Symposium(ASCO GI2020)で、聖マリアンナ医科大学の伊澤直樹氏が発表した。

 WJOG6210G試験では、FOLFIRI+ベバシズマブ群に60人、FOLFIRI+パニツムマブ群に61人が割り付けられた。このうち患者にアクセスできてVEGF-Dレベルの測定が可能だったFOLFIRI+ベバシズマブ群51人、FOLFIRI+パニツムマブ群48人のデータが解析された。解析対象となった両群の患者背景に有意な差はなかった。解析対象の患者での無増悪生存期間(PFS)中央値は、FOLFIRI+ベバシズマブ群が5.9カ月、FOLFIRI+パニツムマブ群が6.3カ月、全生存期間(OS)中央値はFOLFIRI+ベバシズマブ群が15.6カ月、FOLFIRI+パニツムマブ群が15.6カ月だった。

 VEGF-Dが測定できた99人の濃度の中央値は441pg/mL(60-1570)だった。

 VEGF-Dの中央値を指標として、各群のPFSとOSが解析された。FOLFIRI+ベバシズマブ群でVEGF-Dが中央値以上の患者のPFS中央値は4.7カ月(95%信頼区間:2.1-9.1)、中央値未満患者のPFS中央値は5.9カ月(95%信頼区間:4.7-9.9)で、VEGF-Dのレベルが高い群でPFSが短くなっていた。FOLFIRI+パニツムマブ群でVEGF-Dが中央値以上の患者のPFS中央値は5.5カ月(95%信頼区間:4.2-7.3)、中央値未満の患者のFS中央値は7.2カ月(95%信頼区間:3.5-11.0)で、VEGF-Dのレベルが高い群でPFSが短くなっていた。

 一方、OS中央値は、FOLFIRI+ベバシズマブ群でVEGF-Dが中央値以上の患者は12.4カ月(95%信頼区間:8.0-17.3)、中央値未満の患者は18.9カ月(95%信頼区間:13.1-24.9)で、VEGF-Dのレベルが高い群でOSが短くなっていた。しかし、FOLFIRI+パニツムマブ群でVEGF-Dが中央値以上の患者の中央値は17.5カ月(95%信頼区間:9.1-22.0)、中央値未満の患者は16.5カ月(95%信頼区間:9-26.3)で、VEGF-Dのレベルによる差はなかった。

 FOLFIRI+ベバシズマブ群、FOLFIRI+パニツムマブ群のどちらも、VEGF-Dが中央値以上の患者とVEGF-Dが中央値未満の患者で後治療に大きな差はなかった。後治療で抗EGFR抗体を投与されていたのは、FOLFIRI+ベバシズマブ群の方が多かった。

 研究グループは、前臨床データからVEGF-Dが最も強い血管新生効果とリンパ管新生効果を有することから、VEGF-Dによる血管新生経路の活性化によって、ベバシズマブのVEGF-Aを標的とした血管新生抑制効果を低減させてしまっている可能性があるという。また、前臨床データから抗EGFR抗体に対する腫瘍細胞の抵抗性がVEGF-Dのレベルに関連していることが分かっていることから、継続してベバシズマブを使うことで、さらにVEGF-Dのレベルが上がり、後治療の抗EGFR抗体の効果に影響を及ぼすことがOSの差につながった可能性があるとしている。

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