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2020/01/27

切除可能膵癌の術前療法でS-1併用化学放射線療法、ゲムシタビンとS-1併用のどちらも有望【ASCO GI2020】

横山勇生=編集委員

 切除可能膵癌の術前療法として、S-1を併用した化学放射線療法(CRT)と、ゲムシタビンとS-1の併用投与法のどちらも安全に行うことができ、効果も同等で有望な方法であることが明らかとなった。日本で行われたフェーズ2試験であるJASPAC 04試験の結果示された。1月23日から25日まで米サンフランシスコで開催されたGastrointestinal Cancers Symposium(ASCO GI2020)で、神戸大学の外山博近氏が発表した。

 JASPAC 04試験は無作為化オープンラベル多施設フェーズ2試験として実施された。画像上切除可能な膵癌患者を、施設、原発部位、CA19-9の数値(100以上と未満)で層別化した上で、CRT群とゲムシタビン+S-1群に無作為に割り付けて行われた。CRT群には、28回照射で50.4Gyの放射線を照射した。S-1は体表面積に応じて30mg、40mg、50mgのいずれかの量を1日2回、放射線照射を行う日に投薬した。ゲムシタビン+S-1群には、1日目と8日目にゲムシタビン1000mg/m2を投与、S-1は体表面積に応じて30mg、40mg、50mgのいずれかの量を1日2回、1日目から14日目まで投与して1週休薬した。ゲムシタビン+S-1群は、併用療法を2回行った。その後、両群ともに画像診断を再度行い、R0、R1切除が可能と判断された患者について開腹、R0、R1切除が可能であれば切除を行った。切除後は術後補助療法が行われた。

 試験の主要評価項目は2年無増悪生存(PFS)率。副次評価項目は、2年全生存(OS)率、R0、R1切除率、組織学的効果、術前療法の副作用発現率、 術後合併症率、グレード4の非血液毒性発現率、早期死亡率、治療関連死亡率だった。事前に2年PFS率の90%信頼区間の下限が20%を超えていた場合は、術前療法として有用なレジメンと判断することになっていた。

 2013年5月から2017年4月までに103人が登録され、CRT群に52人、ゲムシタビン+S-1群に51人が割り付けられた。このうち間質性肺炎でCRT群から1人が除外され、それぞれ51人ずつがFull analysis setとされた。R0、R1s切除ができたのは、CRT群が41人、ゲムシタビン+S-1群が44人だった。

 2年PFS率はCRT群が45%(90%信頼区間:33-60)、ゲムシタビン+S-1群が55%(90%信頼区間:43-65)、ハザード比0.78(95%信頼区間:0.46-1.31)で両群間に有意な差はなく、どちらも90%信頼区間の下限が20%を超え、有用なレジメンと判定された。

 2年OS率は、CRT群が67%(95%信頼区間:52-78)、ゲムシタビン+S-1群が72%(95%信頼区間:58-83)、ハザード比0.72(95%信頼区間:0.39-1.34)で両群間に有意な差はなかった。生存期間中央値は、CRT群が37.7カ月(95%信頼区間:30.3-NE)、ゲムシタビン+S-1群がNE(95%信頼区間:29.9-NE)だった。R0、R1切除率は、CRT群が79%、ゲムシタビン+S-1群が56%で、p=0.44で差はなかった。グレード4、5の術前療法による副作用を発現した患者は両群ともにいなかった。グレード2以上の術後合併症を発現した患者は、両群ともにいなかった。早期死亡、治療関連死も両群でなかった。グレード4の非血液学的毒性は、CRT群の1人だけで胃空腸吻合後の漏出だった。

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